<ブラビア>X1体験レポート~Wデジタルチューナーを有効活用

情報としてあまり強調されていないようですが、< ブラビア>X1はデジタルチューナーを2機搭載しています。

マルチリモコンにある「2画面表示」ボタンを押すと、その名の通り、2つの画面が同時に横一列で表示されます。地デジ/地デジ、地デジ/BS、BDレコーダー/地デジ等々、一部制約はありますが、様々な組み合わせで2画面(2番組)表示が可能です。リモコンの左右キーでメインで操作する画面を選択。

上下ボタンでメイン画面を拡大、縮小可能。使い方としては、一般的には任意の番組を見ながら経過が気になるスポーツ中継を見るなどが考えられますね。

昔はこうしたWチューナー機能を生かすiLink接続の外付ハードディスクレコーダー(VRP-T5等)をソニーがオプションで販売していたんですよね。片方のチューナーでリアルタイムの放送波を楽しみながら、もう片方のチューナーでハイビジョン番組を録画できる仕組みです。

実際、我が家のベガにも、ソニー製ではないですがIOデータのRec-POTという、ハードディスクレコーダーを2台接続して、今も現役で稼働しています。(Rec-POT購入当時のエントリー>SPA家のテレビ買い換えその後

ただ、現行の< ブラビア>ラインナップでiLink端子を搭載しているモデルは一つも無くなってしまったので、こうした使い方が出来なくなってしまいました。その変わりかどうかわかりませんが、ブラビアユニットなる関連製品として、コンパクトなデジタルチューナー内蔵のHDDレコーダー「BRX-A250」が用意されています。チューナー内蔵なので< ブラビア>とは完全に切り離して運用が可能で、ブラビアリンク対応なのでマルチリモコンで操作可能になるようです。

そんなこんなで、せっかくのWチューナー、生かさないと「もったいない」ということで、最も一般的な活用方法である、シンクロ録画機能を試してみました。これは、テレビの信号を、録画予約した(オンエア)時間だけ、X1唯一の外部出力端子である「デジタル放送/ビデオ出力」端子から出力できる機能です。

この端子にシンクロ録画機能対応のアナログのHDDレコーダーやビデオなどを接続すれば、録画予約した時間だけX1から信号が送られ、それを検出したレコーダーが自動的に録画を開始するというわけです。ちなみに、出力されるのはSD品質のアナログ信号のみです。

今回、レコーダーとして「デジタル放送/ビデオ出力」につないだのはウォークマン専用ビデオレコーディングクレードル「VRC-NW10」。ビデオ再生対応のウォークマン本体に直接テレビ番組などの動画を記録できる優れものです。この製品の詳細については当サイト内のレビューや関連記事をご覧いただくとして、X1と組み合わせて実際に録画するまでの手順はこんな感じです。

まずは準備。X1の「デジタル放送/ビデオ出力」端子にNW10付属のケーブルでNW10を接続後、両機の電源ON。X1の「設定>録画予約設定>録画方法」をシンクロ録画にして、「設定>録画予約設定>シンクロ録画の開始時間設定」を一番短い30秒前に設定。ここまで終わればあとは簡単。

1.X1で任意のテレビ番組を録画予約
2.NW10のREC/STOPボタンを押す

これだけ。テレビの電源がオフでも録画予約した時間だけ電源が入り、「デジタル放送/ビデオ出力」端子からのみ信号を出力し、NW10経由でウォークマンに指定の番組が録画されます。以下、1.の録画予約時のおおまかな流れとテレビ側の状態変化。


(番組表などから番組詳細情報を表示し、録画方法が「シンクロ録画」であることを確認できたら「録画予約」をポチっとな)


(予約済みの番組は番組表に赤い時計アイコンが付加される。録画予約がある場合はテレビ右下にあるLEDの色が変化)


(録画予約の詳細はXMBのビデオから確認。予約の修正や重複時間の調整なども可能)

なお、録画時にはテレビの画面には何も映りませんし、スピーカーからの音声出力もありません。見かけは完全に電源オフの状態になります。ちなみに、テレビの電源がオンの状態で、録画時間になった場合でも特に問題ありません。リアルタイム視聴中でも、録画指定時間のみ「デジタル放送/ビデオ出力」端子から信号が出力される仕様になってます。

「シンクロ録画の開始時間設定」を一番短い30秒前に設定しているのは、無駄な録画時間を少なくするためということもありますが、そもそもがNW10はシンクロ録画時には常時電源オンである必要があるため、録画可能になるまでの準備時間がほとんど必要ないからです。

結果は良好。ソニーにはウォークマンやPSPに最適化した動画を同時に録画するBDレコーダー(A70)もありますが、X1をビデオレコーディングクレードルと組み合わせて使うことで、そうしたレコーダーの代用に使うことが出来ますね。個人的にはコレが現段階でX1のWチューナーの最も効果的な活用方法なんじゃないかと思います。

(なお、NW10をビデオレコーダーに接続すれば、録画済みのコンテンツを新たにウォークマン用動画に変換することも可能です。NW10で何が出来るかについては、先述の当サイト内のレビューや関連記事をご参照ください。)