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ソニーBMG問題を振り返る~TOTOの新譜の話題含む

Sony BMGコピー防止機能付き音楽CDが招いた大問題

日経BP、SAFETY JAPAN 2005の特集で執筆は「音楽配信メモ」主宰の津田大介さん。ソニーBMG問題の全容が把握できるだけでなくCCCDが生まれた背景も解説されており大変勉強になります。

toto_fib.jpgCDといえば、注文してあったTOTOの新譜「Falling In Between」が昨日届きました。TOTOといえば、かつてはソニーレコード(CBSソニー)所属のアーティストで、70年代後半から80年代にかけての日本での人気はすごいものがありました。そんな彼らも99年の「Mind Fields」を最後にソニーグループから離れていきました。

そんなこんなで、「Falling In Between」は日本ではキングレコードからの発売になってます。AORファンにはお馴染みの中田さんのライナーによると、ソニー離脱後の彼らは彼らは原盤を自ら所有し、販売や配給をアルバムごとにゆだねる形を採っているのだとか。さらに、矢口清治さんのライナーには以下のようなコメントが。

多くの名バンドや才能あふれるソロ・アーティストが所属レーベルの合併や買収といった諸般の事情に翻弄される今の時代。そしてファンからの熱烈な支持に比べて冷ややかで無理解な批評家筋への高らかな挑戦をも表しているようだ。長らくTOTOの作品を発売してきたCOLUMBIA/ソニーは、彼らの離脱後に世界規模ではやはりメジャーのBMGグループと統合され、その流れの中で所属アーティストの活動状況にも明らかな明暗が生じている。TOTOはむしろそうした軋轢をいち早く察知し、独自の道を選んだ点で賢明だったのかもしれない。

ちなみに、「Falling In Between」収録の「Hooked」という曲の歌詞には以下のようなフレーズがあります。

It’s meds, it’s feds, Don’t need no PhD’s Load down, those sounds, We love our MP3’s
(薬、警察 博士号なんていらない あの音楽をダウンロードするのだ 俺たちはMP3が大好きさ)

自分、洋楽はサウンド重視で歌詞にはあまり気にとめない方なのですが、このフレーズは色々な意味で印象深く感じましたです。

さておき、「Falling In Between」は全体的にハードプログレ色が強いものの、バラエティに富んだ楽曲が揃っています。新メンバー加入で6人になったようですが、飛び出してくる音はまぎれもないTOTOサウンド。ゲストミュージシャンも多く、オリジナルメンバーだったSteve Porcaroを始め、Joseph WilliamsやJason SheffといったLAを代表するボーカリストも参加して華を添えています。まだ聞き込んでいる最中ですが、印象深いのはJosephも参加したアフリカンビートが心地よい「Bottom Of Your Soul」。現在ヘビーローテーション中っす。ちなみに、ボーナストラックが1曲多い日本盤のほうがお薦めですよん。

そうそう、彼らはゴールデンウォークに来日するんですよね。東京は5/7-8の東京フォーラムの2日間ですが、同居人に頼んでエントリーだけしてもらいました。当たると良いなあ…。

11/15のつぶやき~新しい音楽との出会い(という名の最近買ったCD紹介)

ソニーBMGの「rootkit」問題の根底を探る元麻布春男さんのコラム「コピープロテクションCDが招く災い」ですが、とても興味深く読ませていただきました。ソニーBMGはいろんな意味で猛反省しろという感じですがここではそれは置いておくとして、CDが売れなくなった理由として音楽に触れる(出会う)機会が減ったことをあげていらっしゃいますね。自分も元麻布さんと同じような体験をしてきた人間としてとても共感しました。社会人になって責任のある仕事を任されるようになると、プライベートでも全く余裕がないというか、タクシー帰りが続くような生活に、いつしか音楽とふれあう機会が減っていきましたから…。

iPod登場前後と重なりますが、ここ数年は色々な意味でゆとりができて再び音楽と触れあう時間が多くなっています(金銭的には余裕は全くありませんが、仕事中でも結構音楽聞けるようになりました)。最近は音楽雑誌こそたまにしか買いませんが、インターネットのおかげで随分と新しい音楽に出会う機会が増えました。大好きなAORの情報なら中田さんの「Cool Sound」とか、金澤さんの「Lightmellow.com」に目を通していれば、再発・新作アルバムの情報を入手できます。「Urs Wiesendanger」というAORアーティストの存在を知り、世界限定で1000枚というCD「Somebody New」を入手できたのも「Lightmeloww.com」のおかげでした

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なんとこの人スイス人で、金澤さん的に言うと「AOR後進国のフォロワー的作品」に入るそうですが、同氏が「最近の中ではピカイチ」というだけあって、聞いてみたらめちゃめちゃ充実した内容で驚きました。Ursさんはボーカル専門じゃないみたいで、楽曲ごとに異なるボーカリストがゲストで参加してます。このゲストがすごい。金澤さんのレビューをそのままお借りしますが、

ウーズさんは歌わないため、アルバムにはシンガーとしてマイケル・センベロやビル・カントス、ウォーレン・ウィービー、ジェフ・ぺシェットなど、錚々たる顔ぶれが参加。バックにもロビー・ブキャナンやマイケル・ランドゥ、ジョン・ロビンソンなど、クリビツ物のキャスティングがされている。更に1曲目で、いきなりジェイ・グレイドンが“らしい”ギター・ソロを披露しているのもタマラない。

そうなのですよ!ハーモナイズギターこそ無いものの、ピッキングハーモニクスをかけたチョーキングで始まるインパクトのある素晴らしいソロを披露してます。起承転結がしっかりとしているソロで、彼のファンならこの曲を聞くためだけに購入しても良いぐらいではないでしょうか。ギター好きならJay以外ではMike Landauに目がいくかもしれないけど、3曲に参加してる「Porty」というギタリストのプレイも要チェック。どこかルカサーっぽい彼のギターソロがフィーチャーされた「If Only For A Day」と、つぼを押さえたワウワウのバッキングプレイが光る「If You Still Care Gor Me」というミディアムテンポの2曲が個人的に好きなトラックです。ちなみに、Ursさんがボーカルを披露する「Mornig Light」もなかなか良いです。つーか、歌うまいじゃん。夜、酒を飲みながらまったりと聞くも良し、夜の高速で聞くも良しのアダルトコンテンポラリーな1枚として、全AORファンにお勧めの一枚です。って言っても1000枚しか無いので欲しい方は「Cruisin’ Music」に急げ!3,500円と最近のCDにしては高いですがその価値はありますよん。全曲視聴可能なアルバム紹介ページはこちら

ally_kerr.jpgまた、最近はテレビを見ることが多いので単純に番組の主題歌が興味の対象になることが多いです。「青春アミーゴ」は別にして、土曜深夜に放映中のアニメ「蟲師(むしし)」の主題歌になったS&G似の曲「The Sore Feet Song」を聞いて一発で好きになり、アマゾンで同曲が収録されたアルバム「Calling Out To You」を速攻で購入しました。入荷待ちが続いており、少し前にやっと入手できました。このCDは英国グラスゴー出身のインディーアーティスト「Ally Kerr」という人の作品で、日本ではQuince Recordsというレーベルからリリースされています。癒し系ともとれる「The Sore Feet Song」のようなフォーキーな曲だけでなく、アップテンポな8ビートの曲もあったりとなかなかバリエーション豊か。ジャンルはスコティッシュ・ポップ。予備知識がないのでさっぱりわかりませんが、憂いのあるボーカルやサウンドがらしい雰囲気を醸し出しているような…。「The Sore Feet Song」だけなら寝る時のBGMにと思ったけど、通しで聴くと寒い冬の日中に公園を散歩しながら聞く、そんな感じのアルバムだなあと勝手に思いましたです。(あ、アニメ「蟲師」もちょーおすすめ。大人でも楽しめる素晴らしい作品です。)

ついでといってはなんですが、以前のつぶやきでRCサクセションの「Rhapsody Naked」に関して書きましたけど、その件でまさあかさん(@”まさあか”さんのBlog)からお便りを頂戴しました。

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11/10のつぶやき~「愛しあってるか~い!」「イェー!」

40代限定の話題。RCサクセションの名盤「Rhapsody」の完全版「Rhapsody Naked」がリリースされているのをを知ってますか?CD2枚とDVD1枚で未発表曲9曲追加の伝説の久保講堂ライブの完全版です(価格は税込4,500円)。昨日届いたばっかりなんですが、大音量で聞きながらこのエントリー書いてます。

rhapsody_naked.jpg

もう、涙無くして聞けねーっ。40代なら家宝に1セット買え!ってなもんです。

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10/2のつぶやき~23年を経て再度覚醒

awakening.jpgハックルバック、ティン・パン・アレーを経て渡米した佐藤博氏の帰国後初のソロタイトルとなった「awakeningicon」がついに9/21に再発されました。1982年の作品ですが、当時の自分は19歳。洋物AORの全盛時代にあって、邦楽アーティストらしからぬシンプルでハイセンス(死語)なジャケットデザインは貸しレコード屋でも目立ってましたっけ。リアルタイムでは手を出さなかったのですが、とある和製AORコンピに収録されていた「Say Goodbye(山下達郎氏がギターで参加)」がいたく気に入り、廃盤となっていたオリジナルアルバム(CD)を血眼になって探してみるも見つからず…。なにせ、レーベルが今は亡きあのアルファ・レコードですから、再発は望むべくもないのかなあと思っていたところに、なんと、ソニー・ミュージック・ダイレクトから全曲リマスタリング&リミックス、さらに佐藤博氏のインタビューを収録して再発されたのです。ありがとう!ソニー・ミュージック・ダイレクトさん。良い仕事するじゃないですか。(ソニーBMGは嫌いだけど…)

iconiconということで、早速針をレコードに、もといCDトレイに入れてプレイしてみましたが、いや~、いいっすね~。全く古さを感じさせないサウンド。実際は当時最先端だったLinnドラムを多用した多重録音で作られた楽曲ばかりなのですが、打ち込み臭さを感じさせない抑えの効いた音づくりがとても気持ちよいです。それほど音数があるわけではないのに、サウンドにものすごく深みがあるように感じるんですよね。リマスタリング&リミックスが効いてるのかな…。82年に「For You」をリリースして日本のポップス界に不動の地位を築いた山下達郎氏もギターバッキングで参加していますが、達郎氏が佐藤氏同様のアプローチで多重録音にチャレンジしたのは90年代に入ってから。佐藤氏のアプローチがどれだけ時代を先取りしていたかが今になってよくわかりました。曲もバラエティに富んでいて、通しで聞いても全く飽きません。というか、日本人でここまで洗練した音づくりができていたことに驚きすら感じます。佐藤氏のその後の作品を数枚CDで所有しているのですが、どれもがこのアルバムの持つようなソフト&メロウな感触が微妙に足りないのですよね。80年代前半にあった独特の空気感みたいなものが、いまだに自分を支配しているだけかもしれませんが…。にしても、20年以上経っても全く色あせないサウンドプロダクションはお見事としか言いようがありません。自分の中では無人島に持っていきたいアルバム(CD)の仲間入り決定っす。

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ソニー製品に一生を捧げるつもりの人など存在しない…らしいけど、がんばれ!

人はなぜ音楽を買うのか

さすが、小寺さんというコラムです。パラダイムシフトって、そこまでぶちあげちゃいますか~という気持ちもありますが、レンタルビデオ店のシングル1泊2日100円化を目の当たりにすると、iTMSの上陸ってそれなりに即効性があったんだなあと感じてます。以下、部分的に反応します。

米国同様の洋楽がいかに揃っているかという点が、筆者にとって最大の関心事であったのだ。実際にサービスが始まったiTMSを見ても、往年の洋楽ファンから見れば、その品揃えは「買いたい曲がない」に等しい。

もうまさに「激しく同意」ってヤツです。売れ筋のJ-POPは横並びになる運命だから、ここはやっぱり廃盤になった70~80’sの洋楽タイトルに力を入れて欲しいなあと思います。

対応プレーヤーの違いから、ほかのサービスも対抗できるとする考え方もあるようだが、そこには「音楽プレーヤーなどは簡単に乗り換える」という重大な視点が抜けている。iRiverやiAudio、あるいはソニーの製品に一生を捧げるつもりの人など、存在しないのである。

「iTMS vs その他大勢」という図式だとハードも自動的にiPod vs 他メーカー製品になっちゃいますね…。ただ、ソニーは、評判は悪いながらも、Moraと連動したSonicStageを提供している点で、他のハードメーカーと比べても頑張っていると思いますし、なによりこのカテゴリーの製品では他に期待できるメーカーってありますかね…。それが見あたらない以上、やっぱり自分は「ウォークマン」という文化を生み出した本家を応援したいという気持ちになるんですよね。もちろん、一生を捧げるなんて事はできませんけど…。
(そもそもウォークマンよりiPodの方が所有台数多いんです自分…笑)

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8/11のつぶやき~David Packの声の美しさに感動

レディースデーな水曜日だった昨日、2度目のスター・ウォーズEP3を同居人と楽しんできました。前回と同じ木場の109シネマズに行ったのですが、デジタルじゃなくてフィルム上映になっていたのがかなり残念でした。2度目となると展開はすでに頭に入っているので新鮮味はありませんが、それでも後半からラストにかけては涙が溢れてきてしまい、何度もハンカチを使う羽目に…。さすがに3度目をロードショーでという気はもうありませんが、DVD化されたら絶対速攻で買います。

dp_cd.jpgスター・ウォーズ話はさておき、帰宅したらAmazonに注文してあったCDが届いてました。AORファンなら知らない人はいないDavid Packの20年ぶりの新譜The Secret of Movin’ On」とNed Dohenyの「Hard Candy」の紙ジャケ仕様の2005年デジタル・リマスター版、それと金澤氏がご自分のサイトでお薦めしていた盲目のギタリストというかシンガーRaul Midonの「State of Mind」の3枚。

David Packの新譜はAmbrosia時代のあの名曲「Biggest Part Of Me」と「You’re The Only Woman」のセルフカバーが収録されている点に注目。アレンジのせいか両方とも原曲よりもアダルトな感じに仕上がってますが、Davidの声質はAmbrosia時代と全然変わってません。ある意味すげ~です。両方ともファルセットがめっちゃ美しいです(いっそのこと「How Much I Feel」もやってくれればという気にもなりましたです)。他のオリジナル曲も豪華ゲスト陣が参加しており、Ann WillsonやTimothy B. Schmidt、David Benoitに交じって元JouenyのSteve Perryも参加していて驚きました。Cool Sound主宰の中田氏による7,000字のライナーノーツも読み応えたっぷり(というか、文字小さすぎ…)。このアルバムがあまりに良すぎて他の2枚はまだまともに聴いてません…。

それはさておき、今回購入したタイトルやアーティストはDavid Packがビクター、Ned Dohenyがソニーですが、どちらもMoraで取り扱われていません。100万曲のタイトルを擁するiTMSでは、両社が未対応なため言わずもがなです。新譜は別にして、廃盤になってしまった旧譜を取り扱って欲しいというAORファンは数多く存在するはずなので、その辺をなんとか充実させてもらえないでしょうか…>レコード会社の洋楽担当者様。

そうそう、AORといえば、あのPagesの2ndアルバム「Future Street」の紙ジャケ仕様の2005年デジタル・リマスター版が9/21にでるようです。ファンは要チェックですよ~!個人的には1stアルバムの方が好きなんですが、こちらのリマスター版は出る気配はないんですよね…。