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ソニーディーラーコンベンション視察リポート(2)~新ウォークマン編(1)

ウォークマンAシリーズですが、ディーラーコンベンションではパーソナルオーディオコーナーに展示されており、想像以上にスペースを大きくとって展示されていました。ソニーの力の入れ具合が感じられます。コーナーに入ってすぐの場所に新製品のオールラインナップが円形のショーケースで展示されていました。また、所々に小さめのショーケースあり、専用ケースなどの周辺機器も展示されていました。(周辺機器はショーケース越しに見るだけでほとんど触れませんでした。)コーナーのメインは、プロモ映像用の大型スクリーンを背にした長く一直線の実機展示。端から端まで対面式で説明員が熱心に来場者に製品説明をしており、自分もそこで初めて今回の新製品の実機に触ることができました。

■A3000・A1000
まずはHDD搭載のA3000とA1000。外観は同じで両者の違いはサイズとHDD容量だけになります。A3000は実際に手にしてみると予想以上に大きく、重く感じました。HDDウォークマンの従来機と比較しても過去最大のサイズ・重量です。A1000はA3000がそのまま二回りほど小さくなった印象で、初代のNW-HD1よりも少し大きく感じるぐらい。重さはHD1とほぼ同じ109gなので、A3000の後に手にするととても軽く感じます。自分はHD1しか所有していないので縦型はiPodしか持ち慣れていないのですが、操作系のボタン類が下に集中しているA3000は、iPodなどよりは持ちにくいかなと感じました。A1000は軽くサイズがコンパクトなのでボタン類が同じ配置でも使いやすく感じました。軽いから手の上でいかようにも持ち替えられるんですよね…。また、背面の表面がざらっとしたマット仕上げになっており、持ちやすく(滑りにくく)している点は好感触でした。有機ELディスプレイは両機共に解像度は同じで、サイズ違いのものが搭載されています。英数字のフォントも太く読みやすいです。ただ、A1000に比べA3000のディスプレイはジャギーが目立つかなあという印象。A1000の方が全体的に締まって見えます。

外観はそこそこにまずは予備知識無しで操作してみました。第一印象は、使いにくい…。ハードとソフトがかみ合っていないとでもいいましょうか。上下左右の4方向キーと中央の決定キーの動きがHD1の操作系と比べて大きく変わってしまいました。HD5を使っている人ならもしかしたら問題ないのかもしれませんが、一般的なリスト表示から聴きたい曲を絞り込む操作だけでも苦労します。そもそも初期画面の出し方がわからない。クリエでお馴染みのバックボタンがあったので、これを何度か押していたら初期画面になったのですが、そこからリスト表示モードにするだけでも何回もキーを叩かなければいけません。例えば、アルバムのリスト表示をしたい場合、初期画面から上下左右ボタンでリスト表示アイコンを選択して決定キーを押下、その後上下キーでアルバムを選択して決定キーを押下してやっとたどり着きます。そこで表示されるのはカナ、英数の順でソートされたリスト。目的のアルバムにたどり着くまで下ボタンを押すわけですが、ここで役に立つとされるのが新機能のイニシャルサーチ。単独で用意されたオプションボタンを押し、イニシャルサーチを呼び出すことで目的のアルバムを探しやすくしてくれるというものです。自分はここまで操作して正直疲れてしまいました。売りのインテリジェントシャッフルって、こういった基本的な操作が面倒な人向けに作られた新機能なんじゃないかって勘ぐってしまうぐらいです。そのインテリジェントシャッフルにしても、バリエーションが増えたこと自体は評価できるのですが、いきなりそこまでやらなくても良いのではという気持ちの方が強いです。iPod同様に初期画面で全曲シャッフルが選択できれば充分なので自分にとってはオーバースペックというかいらない機能かもしれません。もう一つの売りであるアーティストリンク機能はHDDタイプのみの採用。本体左上に専用ボタンまで用意され、ボタンを押すとその時だけボタンがオレンジに点灯するというこだわりはすごいです。ですが、ソフト的にと言うかデータベース的にリンク情報が信頼できるのかどうかはなんとも言えません。後述するConnect Playerを使ってソニー独自のデータベースサーバーから情報を取得するようですが、説明員の方に聞いたら基本的には音楽ジャンルを参照するだけのようなんです。邦楽アーティストと洋楽アーティストとの関連性も今ひとつはっきりせず、中途半端な感じは否めませんでした。

■A6xxシリーズ
本体デザインは現行機種からの変更点は全くなく、カラバリと中身(ソフト)が変わったA6xxシリーズ。2GBモデルの追加こそありますが、NW-E507/Eで満足していることもあって個人的に惹かれるものが無く、触っていた時間もほんの数分程度でした。基本的な操作方法は現行機種と大差はないようですが、HDDモデル同様のインテリジェントシャッフル機能はFUNCボタンの長押しで呼び出していたような…記憶が曖昧でごめんなさい。このシリーズのみの機能となるアーティストリンクシャッフルはHDDモデルのアーティストリンク機能に近いことを実現するらしいのですが、本体でリアルタイムシャッフルするのではなく、Connect Player側で設定されたリストが転送されるのだそうです。話を聞いてう~ん、と唸ってしまいました。実際に体験はしていませんが、PCと本体間のHi-Speed USB転送は話を聞くと高速らしいです。いじょ。

長くなったのでウォークマン編(2)に続きます。

iPod nanoレビュー(3)~ウォークマンスティックにかなわない点は

iPod nanoを使い始めて3日間程度なんですが、なんなんでしょう、この楽しさは。やっぱいいわあ、ジャケット表示。iTunesのライブラリに片っ端からジャケット登録してます。

さておき、前回の予告通り、iPod nanoがウォークマンスティック(現行機)にかなわない点を見つけてみるという試みなんですが、ぶっちぎりの差は「バッテリの持ち」、これにつきます。

iPod nanoは公称14時間ってことなんですが、実際に使ってみるととてもそこまでは持たない感じ。カラー液晶のジャケット表示が一番影響しているのかもしれません。実測していないのでえらそーな事は言えませんが、たまにホイールをくるくるしてジャケ表示させたりした場合で半日ぐらいという印象。ただ、バッテリの残量表示が赤くなってからも結構粘るのは驚きました。ちなみに、再生ファイルは128kbpsのAAC。

ウォークマンスティックは、以前のつぶやきでも書いたとおり、恐ろしいほどのスタミナパワーを発揮します。一日数時間使用して軽く一週間は持ちます。これは夏休みで実証済。再生ファイルはATRAC3の132kbps。なお、ウォークマンは有機EL液晶ですがモノクロ2階調。

あとは、ギャップレス再生がいまだにできない点かな。ウォークマンスティックはATRAC3のファイルに限られますけどOK。ただ、これも使う人の聴き方によってはさほど重要ではないんですよね。オールタイムシャッフルみたいな使い方なら全然気にならないわけで…。

そうそう、ストラップホールとポケット用のクリップとポーチが標準で付属。う~ん、たいしたアドバンテージでは無いですかね…。

ipodnano_125-125.gifということで、以上。他に何か見つけようと思っても、単体の操作性、PCソフトの出来と本体との連携(iTMSの使いやすさ、Podcasting対応なども含む)、Mac&Win両対応、周辺機器の豊富さ、そして価格、どれをとってもかなわないという印象です。またiPod nanoが優れている点で特筆しても良いかなと思ったのはパソコンからiPod nanoへの曲転送スピードの速さ。フラッシュメモリタイプがiPod shuffleだけの時は転送スピードも横並びでウォークマンスティックにも色んなアドバンテージがありましたけど、nano登場後はそのほとんどが無くなってしまった感があります。

ウォークマンAシリーズもフラッシュメモリタイプはスタミナバッテリは健在だし、新開発のPCソフトとの連携を含めた独自のインテリジェンス機能が売りではありますが、すでに価格の面で開きがありすぎて買う側への動機付けが難しそう。残るはHDDタイプですけど、本体サイズは別にして、6GBのA1000シリーズがiPod nanoの4GBモデルとの価格差がそれほど無く2GBも容量が多く新機能がフルで使えるという点で唯一比較対象になりうるのかなあという印象。とはいえ、2ヶ月先の発売まで待てる人がどれだけいるかどうか…。もちろん、新製品の値下げができれば多少は変わるかもしれないけど、そうした場合は赤字必至なのかも。ウォークマンが復権の象徴だというのに、そのビジネスが足かせになるようなになったら元も子もないもんなあ。実際、2万や3万の商品でデッドヒートを繰り広げたところでたいして儲からないでしょうからね。ソニーのポータブルオーディオビジネスって一体これからどうなっちゃうんでしょう…。

iPodのレビューって言いながら、結局こういう終わり方になっちゃいました。なんだかすいませんです。

iPodの強さはどこにある~iPod nano発売後ソニーのシェアが10%に

Appleが作りあげたiPodのエコシステム
脚光を浴びる価格最適化技術
開けてビックリ「iPod nano」,Apple社のこだわりが随所に(要登録)

iPodの強さの秘密をさぐるニュースを集めてみました。ポータブルオーディオ市場のアップル(iPod)とソニー(Walkman)の関係について、「すでに2強の激突ではない」とする元麻布春男さんは、「現世代の決着はすでにAppleの勝利」として、その強さの理由を「Appleが作りあげたiPodのエコシステム」にあると解説してます。

どんなインフラも未来永劫続くものではない。日本人として、デジタルオーディオの3世代目のインフラを提案するのが日本企業であって欲しいと願っている

ソニーにとっては頭の痛い話が多いですけど、ソニーだけの問題じゃないですからね~。母艦がパソコンという土俵では勝ち目がないなら、ノンPCで攻めるしかないのかもしれませんね。元麻布さんは、「新しいインフラが、既存のユーザー資産を放棄してまで移行したいと思わせる魅力を提案できるか、ということに尽きる」とおっしゃってます。NetJukeのようななネットワーク対応のオーディオシステムを高度に発展させていく流れもあると思うんですが、賛同メーカーがもっと増えて、皆が協力し合わないと難しいのかなあ。ニュアンスはちと違いますが、関連してこんなニュースもあります。家庭内音楽配信システムで“ウォールステーション”っていうんですって…>CEDIA EXPO 2005レポート]ヤマハとソニーの家庭内音楽配信の新提案

ポータブルオーディオでは新製品発売前にすでに負けていると言われてしまったソニーですが、株価が9月に入って4000円の大台回復まであと一歩と迫っているそうです。9月に入って連日の新製品ラッシュですもんね。投資家の期待に応えられるのかどうかは、年末商戦にかかっていると言えそうです…>“最後の出遅れ”総合電機セクターに出番到来は本当か

【追記】BCNの最新売れ筋速報。iPod nanoだけで全体の販売台数シェアの3割を超えるほどの人気とか。ソニーのシェアは10%です>iPod nanoが垂直発進、初登場1位で早くも市場塗り替える勢い

ウォークマンAにマッチするヘッドフォンとポータブルオーディオ向けスピーカー

ソニー、「ウォークマンA」とマッチする耳掛け式ヘッドフォン
ソニー、2chアクティブスピーカー3機種6モデル

前者は新発売の「ウォークマンA」とのマッチングを意識した耳掛け式ヘッドフォン「MDR-Q67LW(右画像)」。10月21日より順次発売で価格は3,675円。カラーはシルバー、ブラック、ホワイト、バイオレット、ネイビーブルー、アイスピンク、ブルー、ピンクの8種類(ウォークマンAシリーズで採用されているのはバイオレット、シルバー、ブルー、ピンク)。

後者はPCやポータブルプレーヤー向けの2chアクティブスピーカー3機種ですでに発売中。価格はフローティングスタンド一体型の「SRS-AX10」が6,510円、ポータブル型の「SRS-M30」が3,675円、57mm径ユニット搭載の「SRS-A201」が2,468円。ソニスタではまだ取り扱われていないみたいです。

iPod nanoレビュー(2)~Walkmanにはマネのできないシンプル操作

iPod特有の操作感ってあるじゃないですか。親指一本でほぼすべての操作が可能ってヤツ。それも、液晶の下にある円形のスクロール(旧機種はクリック)ホイールに集約されているからできることなんですが、第4世代以降のiPodってスイッチやボタンのたぐいが極端に少ないんですよね。これって、部品の点数を減らす事によるコスト削減や、ユーザーの想定外の使用方法による故障(力が強すぎてボタンが元に戻らなくなっちゃうとか)を防ぐ効果もあると思うんです。さらに、iPodでユーザーが操作するのって、このホイール以外にホールドスイッチしかないんです。誤動作を防ぐスイッチでこれだけは別になってるんですが、それ以外には何もない。動く部分がたった2つなんですよ。もうこれ以上無いほどシンプルな構成。そういう意味でiPodは第4世代でハードウェア的には一つの完成形を見たのかなと感じてます…。

ipodnano_125-125.gifで、iPod nano。サイズこそ違いますが、基本的なハードの構成要素って第4世代iPodと何一つ変わりません。なので、親指一本でほとんどの操作ができるんですが、個人的には第4世代iPodよりも使いやすいと感じてます。本体のサイズに合わせてスクロールホイールも小さくなったのが影響しているのですが、親指の動かす範囲が小さくてすむのです。実際のところ、カラー液晶対応ということもあるのか、ソフト的に多少操作時に引っかかるような動作をすることがまれにありますが、親指でくるくるやるだけで面白いように高速に動作します。(微細なタッチでも反応するので誤動作が心配なぐらい感度が良いです。)

nano_vs_nwe5.jpgで、ウォークマンスティック。「親指一本でほぼすべての作業が行える」という人もいたけど、実際はなかなかそうはいかないんですよね。親指と人差し指の組み合わせ、または両手でならって感じ。それも、やたらとスイッチやらボタンが多いせいなんですよね。数えてみたら操作に必要なスイッチが7個もある。もちろんあっても良いんです、使いやすければ…。でも実際は、米粒よりも小さいスイッチが押しにくいと感じたり、使っていくうちにボリュームスイッチがバカになってきたとか、色々と不満が出てきてるんですよね。背面のボタンが埋まったままになったみたいな声も聴きましたし…。要はデザイン的にいくら優れていても、操作性が伴ってなければ意味がないと思うんです。ましてや、スイッチ類の脆弱性はクレームのタネだし、必然的に修理対応だって増えるでしょう。ちなみに、筐体が全く同じ今度のAシリーズではスイッチ類の強度ももしかしたら改善されているかもしれませんが、基本操作には変更がないようなので親指一本で軽々操作というのはさすがにきびしいと思います。

HDD搭載ウォークマンもNW-HD5で操作系ががらっと変わりましたが、新製品のAシリーズでまたもや変わりますね。HD5で利き腕に関係なく使えるような操作系を確立したかと思ったら、Aシリーズは右腕で持つのがデフォルトみたいな作りになってる…。デザインは個人的な好みと言ってしまえばそれまでですが、本当に使う人の立場に立って作られているものなのか疑問に思うことが多いです。ソニーのモノづくりのスタイルがスクラップ&ビルドであり続けるならば何を言っても無駄ですが、本当にiPodから市場を奪い返したいのなら、ユニバーサルデザインとまではいかないけど操作性に重きを置いたスタンダードなデザインというものをじっくり腰を据えて考えた方がよいのではないかと思います。

結局、レビューとは名ばかりのソニー製品批判モードになっちゃいましたね…。iPod nanoについて書くことが無くなった時点で、自分のNW-E507/Nは修理に出すつもりっす。ボリュームスイッチがほとんど使えなくなってしまったので。ちなみに、iPodを修理に出したことは自分はまだ一度も無いです。この差がどこから来るのか、ソニーさんにはよく考えて欲しいっす。

けなすばかりではなんですので、次回は(どれほどあるのかわかりませんが)iPod nanoがウォークマンスティックに勝てない点を掘り起こしてみたいと思います。

忘れちゃいけないウォークマンビーンズ

ウォークマン伝統のカジュアルデザイン! USB端子内蔵の新製品「ビーンズ」登場

10/26発売予定の「ウォークマンビーンズicon」のレビュー。もしかしてIT系メディアで初めてですか?基本操作中心のざっくりとした内容ですが、実物にお目にかかれない人たちにはありがたいのがこの手のレビュー。スティックとの比較画像から、想像していた以上にコンパクトなサイズだって事もわかりますね。

先日のアップルとソニーの新製品発表で影が薄れてしまった感のあるビーンズですが、忘れちゃいけませんよね。「iPod nano」登場でWalkmanの対抗ラインナップが微妙に変化していますが、USB端子内蔵って事でビーンズ対抗はやっぱりiPod shuffleでしょうか。ただ、アップルのことなんでiPod nanoの出荷が落ち着いてきた段階でshuffleの値下げをしてくるかもしれませんね。苦しいことかもしれないけど、ソニーにはAシリーズ含めた価格戦略の見直しが必要なのでは…。