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<ブラビア>X1体験レポート~ネットとテレビの小さな融合「アプリキャスト」を試す

今回は、テレビを見ながらインターネット上にある気になる情報を見ることができる「アプリキャスト」を試してみました。テレビ専用の小さなプログラムで、Windows VistaやMac OS Xのデスクトップで使うWidgetと同様の機能を提供してくれるんですねコレ。

天気予報、占い、ニュース、時計、カレンダー、為替・株価情報といった暮らしに必要な情報を表示してくれるアプリだけでなく、電卓、リマインダー代わりに使えるアラームやキッチンタイマー、誕生日などの記念日をお知らせしてくれるカウントダウン、RSSリーダーやアプリキャスト版Twitterといった便利なツールもたくさん公開されています。

ちなみに、テレビを見ている時にアプリを使いたいと思ったら、リモコンの「アプリキャスト」ボタンを押すだけです。と、画面右に登録済みのアプリが3つ表示されます。上下ボタンでスクロール。決定ボタンで中央にあるアプリの詳細を確認したり、設定を変更したり出来ます。

純正Webブラウザの出来が今ひとつだったこともあり、ネット系の機能にどこか懐疑的でしたが、アプリキャストは動作が快適でストレスがほとんどありません。しかも、わかりやすくて使いやすい。単機能のアプリなので、ほとんどが直感的に使えます。

プログラムがこじんまりしているからか、データのやりとりも少ないようで、我が家のようにインターネットのインフラが貧弱でもサクッと情報が表示されるのが気持ちよいです。

導入も簡単で、XMBの一覧から任意のアプリを選択。試しに動かしてみて気に入ったら最後に登録するだけ。アプリは今後も続々と追加される予定で、新アプリの情報をお知らせしてくれるアプリなんてのもあります。

さらに、個人向けに開発ツールも公開されており、腕さえあれば一般の方もアプリを制作して、一般公開もできちゃいます。ちなみに、現在ソニーでは「テレビウィジェットコンテスト」を開催中で、締め切りが2009/1/8に迫ってます。楽しいアプリがたくさん出てくるとうれしいなあ…。

発想としては決して新しいものではないですが、それをテレビで使えるようにしたソニーの技術力はやっぱすごいと思いました。大げさに言う気はこれっぽっちもありませんが、きどらずさりげなく「テレビとネットの融合」を果たしてるアプリキャストにものすごく好感持ちました。他社製品にはない差別化できる機能だし、もっともっとアピールして良いのではないでしょうか。

個人的には、フル画面でテレビを楽しみながらも、うっすらと情報が見えているような、レイヤー表示的なモードがあっても良いのではと思いました。あと、自動アップデートしてくれる機能とかあると良いですね(ってもしかしてもうできてるのかな?)。次にテレビを買うのなら、絶対にこの機能は欲しい。そう思わせるだけの何かがアプリキャストにはありました。

(アプリキャストや代表的なアプリについてもっと詳しく知りたいという方は、< ブラビア>オフィシャルサイトのアプリキャストのページに詳しいのでご覧くださいませー)

<ブラビア>X1体験レポート~あまり使えないWebブラウザ

使いにくい。< ブラビア>X1のWebブラウザを使ってみた素直な感想。当サイトを表示させるとこんな感じ。

せっかくのフルハイビジョンなのにこの画角です。フォントサイズを変えても、解像度は変わらず。リモコンの上下キーがスクロールボタンに相当するんですが、そうやすやすとはスクロールしてくれない。リンクが設定されているテキストにフォーカスするので非常に使いにくい。しかも、読み込みも遅く、PCのブラウザを使い慣れている身にはかなりつらい…。

ちなみに、X1にフルHDでHDMI接続したPS3のブラウザで当サイトを見るとこんな感じ(→)。これはこれで読みにくい。どっちもどっちというか、最適化機能みたいなものはないのかなあ…。

どちらもリモコンやコントローラでのURL打ち込みもなんだかんだで面倒。PS3はともかく、テレビ搭載のソフトウェアキーボードはベガ時代からほとんど進化無いみたいですね。

今後は、Blueotoothを採用して、対応キーボードからの入力に対応するとかした方が良いのでは…。

<ブラビア>X1体験レポート~リアリティを売り文句にするなら音にもこだわりを

連日お届けしている< ブラビア>X1体験レポート。興味のない方には申し訳ないですが、まだまだ続きます。年をまたぎます。お許しを。クリスマスイブぐらいはお休みしようかと思ったんですが、やまけいさんからグッドタイミングで以下のようなお便りをいただいたので連続更新続けます。

いつも楽しく拝見しております。実は私もHVXを所有しており、現行のブラビアと比べてもまだまだ負けていない(というかむしろ勝っている)と思っている者です。

そのひとつに音質があります。薄型化の影響でスピーカーが現実的に容量がどれも小さく、奥行きや、音圧が貧弱なものばかりという印象があります。HVXは横から見ると結構ずんぐりしていますが、この音の良さに並ぶ現行のブラビアはないと思います。個人的には音が下から来る、最近のデザインも好きではないんですよね。そこの部分のレビュー、お待ちしております。

余談ですが、リモコンも尖ったデザインで大好きです。SPAさんも書かれているように、XMBは絶対ジョグの方が使いやすいですよね。メニュー時が半透過にならないのも個人的にはげんなりします。インチが大きくなればなるほど、毎回あの沈んだ真っ青な単色になるのは頂けないと思うのですがSPAさんは如何でしょう?

そろそろ、< ブラビア>X1の音質について書こうと思っていたんですよ。ナイスツッコミです、やまけいさん。X1のスピーカー(グリル)、自分好みに色が変えられるメリットが売りではありますが、実際の音は、おっしゃるとおりでベガ(HVX)と比べてかなり貧弱です。

一応、音質は「ダイナミック」、「クリアボイス」、「スタンダード」という3つの設定が用意されているのですが、HVXの音に慣れた自分にとっては「ダイナミック」ですらかなり物足りないというのが正直な感想。ちなみに、高・低音ともに+7が「ダイナミック」、同+4が「スタンダード」、同プラマイゼロが「クリアボイス」。

ベガはクリアボイスでも十分ダイナミックというか、実際に台詞が前に出てくる感じがするんですけど、X1のそれは、言い方悪いけど安い音という感じ。「耳にやさしい音声」とは良く言ったものです。

サラウンドの設定も用意されてはいるのですが、どのモードにしても音がやせているというか、臨場感に違和感があるというか…。

ぶっちゃけ、ベガ(HVX)の方が懲りすぎというか、筐体もスピーカーの役割を果たすよう設計されているのが大きな特徴だったりするので、比べること自体間違っているのかもしれません。

ソニーなら映像と音、どちらも妥協して欲しくないのですが、最近のは見た目や薄さを優先しているんですかね…。光デジタル出力端子があるので対応AVアンプがそろえられれば問題ないのでしょうが、リアリティを売りとするシリーズなんだから、単体のスピーカーでもソニーらしいこだわりを見せて欲しかったなあと思います。

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<ブラビア>X1体験レポート~ブラビアリンクを試す(レコーダー編)

先日、Blu-rayレコーダーを<ブラビア>X1につないで、Blu-rayビデオを楽しんでみたわけですが、リモコンを使い分けるのがなんだか面倒ということで、最近の<ブラビア>に当たり前のように搭載されている「ブラビアリンク」を試してみることにしました。

ブラビアリンクは、<ブラビア>に付属するマルチリモコン1台で、<ブラビア>につないだ外部機器を操作できる仕組みの総称で、あらかじめつなぐ機器がブラビアリンクに対応している必要があります。我が家にある<ブラビア>20インチもスゴ録も未対応機器なので今回が初体験になります。

今回お借りしているBlu-rayレコーダー(T50)はブラビアリンク対応機器です。自分、HDMIでX1につないで、電源入れたら勝手に機能すると思ってたんですが、さすがにそれは難しいらしく、あらかじめ設定が必要だということを取説と一緒に同梱されている「ブラビアリンク接続・設定ガイド」という小冊子を読んで知りました。ちうことで、この冊子を見ながら実際の設定を行うことに。

手順は、1.HDMIケーブルで両機をつなぎ電源を入れ、2.X1側のHDMI機器制御設定でHDMI機器一覧でBlu-rayレコーダーを有効にして、3.マルチリモコンの下にあるふたを開けて、「録画機器」を押しながら「戻る」キーを押し続け、「録画機器」が赤く点滅したら指を離し、数字ボタンの1を押して、「録画機器」ボタンが点灯したら、「決定」ボタンを押すだけ。だけとか言いながら3番目がやけに長いですが、それほど手間ではないです。

ちなみに、Blu-rayレコーダーをブラビアリンクで接続すると、マルチリモコン(お気楽リモコン)でこんなことができるようになります。

  • 「見て録」ボタン:テレビを見ている時に押すと、見ている番組を録画(地アナ以外)
  • 「予約する」ボタン:番組予約モードに移行。マルチリモコンでレコーダーのXMBが操作可能
  • 「見る」ボタン:録画してあるタイトルを一覧表示。マルチリモコンでレコーダーのXMBが操作可能
  • 「シアター」ボタン:<ブラビア>X1のシネマモードに適した画質でBlu-rayレコーダーの映像を出力

え、こんなもん?と最初は思ってたんですけど、意外にコレが便利でして。たとえば、テレビもレコーダーも電源オフの状態から、マルチリモコンの「見る」ボタンを押すじゃないですか。そうすると、両方同時に電源が入って、X1の画面にT50のXMB画面が表示された状態になるんです。しかも、ほんの数秒で。これには驚き。

なお、ブラビアリンクを使う場合は、レコーダーの電源が完全にオフにならず、スリープ(待機)状態に移行するから立ち上がりが速いみたいです。消費電力量とのトレードオフではありますが、この手軽さは捨てがたいものがあります。

あと、ここにきてシアターモードの謎が解けました。なるほど、このボタン一発で、テレビとレコーダーを同時に映画を見るのに最適な設定に切り替えるって事だったんですね。

ちなみに、マルチリモコンの下のふたを開け、「録画機器」ボタンを押すと、フタの中にあるボタンでレコーダーの主要な操作が可能でした。ある程度の基本操作もXMBから可能。これなら、レコーダー付属のリモコンを使わなくてすみますね。唯一残念なのが、フラッシュボタン(もしくはその代わりになる設定)が用意されていないこと。これが付いたら100点満点なんだけどなあ・・・。

そういえば、レコーダーとは別にお借りしているネットワークボックスもブラビアリンク対応機器らしいので、後日検証してみたいと思います。(そういえばまだ箱から出してもいないや…)

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<ブラビア>X1体験レポート~ブラビアエンジン2プロ=DRC-MF v3

地デジだといまいちよくわからなかったX1の画質ですが、この週末にBlu-rayレコーダーをHDMI接続して、市販のBlu-rayビデオやWOWOWで録画した映画を見てみたらびっくり。とにかく映像がキレイ。32インチサイズを見慣れている自分にとっては目の毒です。

地デジの番組は何を見てもなんとなく全体がぼやーっとした印象なんですが、フルハイビジョンのコンテンツは明らかに画面全体がキリッと締まる感じ。フルハイビジョン(1080p)収録ののBlu-rayビデオが最高にキレイ。何がキレイって赤がキレイで光沢がキレイ。情報量も多く、奥行きもあるから没入感が違います。

いろんなBlu-rayビデオを見て驚いたんですが、いままでよくわからなかった部分がはっきりと見えるようになり、読めなかった文字が読めたりなど、ディティールが確認できるのがフルハイビジョンの大画面テレビのメリットですね。

ブレードランナーだと、壁にに書かれた落書きとか、ハッキリ読めます。一枚の写真を拡大して情報を引き出すあの名シーンもフルハイビジョンのテレビがあったら随分と違ったんだろうなあ…。

(インディージョーンズ最新作では、アリの大群が人を襲うシーンがすごいので、モーションフロー機能などのチェックにも最適・・・かと思ったんですが、さすがに気持ち悪いのでやめました。)

音楽ソフトではコンサートなどでミュージシャンが使っている楽器や機材の詳細がわかって面白いです。ギタリストの足回りとか、どんな種類のエフェクターを使ってるのかが確認できます。ちなみに、SME所属の富田ラボさんのライブってことで、収録機材もオールソニー。ハイビジョンカメラについているソニーロゴも確認できました。

てなことで、ここにきて、これがブラビアX1の売り文句であるところの「リアリティ」なんだなあと、ようやく気がつきました。そして、それが新しい発見にも繋がっていくんですね。

で、そうしたリアリティを実現しているのが「ブラビアエンジン2プロ」であり、そのベースにあるのが「より高画質でリアルな映像を創造する」ことをコンセプトにした独自の映像信号処理技術「DRC」なのだと、ようやく理解できました。

この「DRC」、歴史が意外に長くて、1997年5月の初代「DRC」以降、1998年8月に「DRC-MF」、2001年4月に「DRC-MF v1」、2004年8月に「DRC-MF v1」、2006年6月に「DRC-MF v2.5」、そして今年2008年8月に「DRC-MF v3」が開発・発表され、その最新版が「ブラビアエンジン2プロ」としてX1に搭載されているということみたいです。ちなみに、我が家のベガには「DRC-MF v2」搭載。これがかつての「ベガエンジン」なんですねー。

ソニーが10年以上をかけて磨きをかけてきた独自の映像信号処理技術と、撮影時のぼやけを改善するIBリダクション機能(モーションフロー)のダブルで、さらなるリアリティを追求と贅沢な仕様。意外に中身がすごいんです的なテレビなんですね、X1は。

参考<“DRC-MF v3”の特長
1. クリアで自然な立体感を表現する境界再現
映像信号のノイズ感を抑えつつ全体的な解像感を高めたことに加え、手前にある物と奥にある物との重なった部分の境界や流れるテロップや字幕などのテキストと映像との境界に対して、輪郭を強調することなく精細感を向上させ、自然な立体感でボケやにじみのないクリアな映像として再現します。
2. 動画解像度の向上
動きのある映像の場合、従来のインターレース方式による入力信号では、映像情報の欠落や画質低下が生じますが、高度な映像処理能力(プログレッシブ化することで)によって、本来の映像信号に対してより忠実な形で再現することで、動画解像度を向上させます。さらに、植物や衣料等の細かな質感、被写体のもつ斜めの輪郭線など、映像の動きによって失われるディテール部分の信号までも創り出すことで、動きのある映像での解像感を向上させ、リアルな映像を再現します。
3. 1080/60p入力対応
SD信号やデジタルハイビジョン放送での1080/60i信号に加え、1080/60p信号や、映画をブルーレイディスクに収録する際などに使われる1080/24p信号にも対応します。

(どうでもいい話ですが、最近になって気がついたことがあります。B-CASカードを差し替えれば別なテレビやレコーダーで普通にWOWOWを見たり録画したりできるんですねー。ある意味目がウロコっていうか、気がついてなかったのは自分だけ…。てことで検証が楽になりました。借りてる間にBlu-rayディスクにWOWOWの映画焼いちゃおうっと…)

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儲からなくてもやめられない止められないソニーのテレビ事業

ソニー、テレビで立ち往生 儲からず止められず…成長のジレンマに
台湾 デジタル家電任せろ 東芝・ソニー 生産委託拡大

いまだ赤字のソニーのテレビ事業。果たして立て直せるのでしょうか。< ブラビア>X1の体験レポートを更新中だけに余計に気になる今日この頃。有機ELで巻き返して欲しいところですが、まだまだ時間かかりそうですもんね…。にしても、「PBR(株価純資産倍率)が約0.5倍」はかなりやばいっすね。

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