「ソニー全体」カテゴリーアーカイブ

ソニーが久多良木氏を見放したのか、久多良木氏がソニーを見放したのか…

久夛良木氏を見放したソニーの迷走 PS3孤立無援に見るソニーグループの病巣の深さ

PS3をゲーム機として捉えると、SCEが収益を稼ぎ出すまでに、少なくともPS2よりも長い時間がかかるのはほぼ確実に思える。巨額の投資資金を調達するために発行した2500億円の転換社債の償還が2008年12月に迫っているソニーにとって、憂慮すべき事態のはずである。にもかかわらず、ソニーは当初の構想から離れ、「cell」と久夛良木氏をなかば見捨てて、彼らをゲームビジネスという狭い領域に封じ込めるような態度をとり続けている。その経営判断のツケは将来、ソニー自身が払うことになるかもしれない。

NBonline、日経ビジネスアソシエ編集部の降旗淳平副編集長の「ニュースを斬る」というコラム。SCE(久夛良木氏と)ソニー間の埋めがたい溝のせいで、PS3をエンタメコンピュータとして認識してもらうことにも失敗したとか、BRAVIAとPS3のセット売りこそが望ましかったなど、刺激的な内容が並びます。

また、ソニー社内ではデジタル家電製品にCellを搭載する動きがまるで感じられないどころか、関係者も「消費電力の高さが搭載のネックに」と語っており、PS3のスタートダッシュに失敗しただけでなくCell自体のの普及の前途が暗いまで言われてしまってます。

「SCEでは、ソニーマーケティング出身者を営業責任者に就けるなど、そのための布石を打っていたはず」というコメントもありますが、これってもしかして佐伯氏のことですかね。その佐伯氏へのPS3発売日のインタビューがCNETに載ってました>PS3発売に盛り上がる、ヨドバシカメラマルチメディアAkibaで、SCE佐伯雅司氏に聞く

新しいもの、イノベーションは、体感しないと理解してもらうのは難しい。店頭の「PLAYSTATION TV」などで、PS3の魅力を十分感じてもらえるはずだ。(中略)12月は、家電メーカー各社が薄型HDテレビの販売攻勢をかける。PS3は、そのすべてのHD-TVの魅力を引き出して対応することができる。このタイミングで、仕掛けを打ちたいと考えている。

とのこと。なお、PS3は「12月に入れば潤沢に供給できる」とのこと。まずは年末商戦でアーリーアダプターに行き渡るかどうかって感じですが、本当の勝負はその後なんでしょうね。

そういえば、日経BPのTech On!がまとめているPS3の特集記事で消費電力についての記述がありました>【PS3】消費電力を測ってみた

起動した状態で約180W、ゲームはディスクを回すモータが動き出したあたりで約200W、レースゲーム中は190W~205W程度、Blu-ray Discの映画タイトル再生で約195Wとか。380Wに迫ることはないにしてもそれなりに電力を消費するのは間違いなさそうです。

電気代についてどうこう言う以前に冷暖房や他のAV機器のとの兼ね合いをちゃんと考えないといけなくなりそうですね。我が家のリビングにPS3を置いても大丈夫なんだろうか…。

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ハンディカム、プレステ普及の立役者が語るソニー/SCE/PS3

ソニー/SCE/プレイステーション 3のこと -佐伯雅司

SCEのコーポレート・エグゼクティブとSCEJのエグゼクティブバイスプレジデントを兼任する佐伯雅司氏へのインタビュー。ソニー入社の経緯、ソニー宣伝部時代のハンディカムのプロモの思い出、SCEへの転属、プレステの一連のプロモーションやPS3について語っています。

ハンディカム「TR-55」のプロモで浅野温子を起用したのは同氏の提案だったのですね…。確かに、プレステローンチ時のCMは鮮烈でしたし、普及の原動力になったのも間違いないでしょう。PS3のCMもオンエアされ始めましたけど、球数がないことを知っている身にとっては見せられてもつらいだけです。むしろ、宣伝費がもったいないとまで感じる始末です。

時を経てプレステも飛躍的な進化をとげたのでしょうが、ネットやケータイの普及などにより、コミュニケーション手段も変わり、消費者の選択眼も養われたし、可処分時間の使い方も変わってきているように思います。マスメディアの情報に流されす、自らが情報発信する人たち。HDRでCMを飛ばして楽しむ人たち。そんな人たちにSCEはどうアプローチしていくのか。佐伯さんの戦いはまさにこれからなんでしょうね。

ゲーム機からエンタメコンピュータへ変貌を遂げようとしているかにみえる、ライバルの動向も気になります>MS、「Xbox Live」でテレビ番組や映画のダウンロード開始へ

PS3といえば、taroさんから以下のようなお便りを頂戴しました。

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ロケフリに見るソニーらしさ

ソニーは本当にダメなのか?

iconiconバッテリーリコール問題でマスコミのソニーバッシングが横行する今、あえてソニーらしい点(製品)を探してみたとかで、その代表格としてロケフリを取り上げています。ロケフリは、「テレビのインターネット放送がなかなか進展しないことを逆手に取ったビジネス」であり、「ソニーのような大企業が何年も前からロケーションフリーのような新しいアイデアに基づき、技術と製品群を着実に世に送り出しており、それをベンチャーが後追いしている、という点」に注目なさっているようです。

また、バッテリー問題では苦境に立たされているものの、数年前のような製品戦略のブレが小さくなってきているとして、「マーケットをドライブする大きな要素としての技術と、それを有効に使う戦略がブレなく機能し始めると、ソニーというブランドが再び、力を発揮するのではないだろうか」とまとめていました。

最近では、ロケフリ以外にも、バイオ「type U」やmylo、ローンチは危ういながらスクラッチで仕上げたPS3などもソニーらしい製品と言えるのではないでしょうか。PS3に関しては製品戦略(というか久多良木氏)にブレが無くても組織的にブレちゃうのが一番の問題なのかもしれませんね。最近の自分もソニーに対して切れ気味が、ファン心理以外にプライベートな事へのストレスなどもあるのかもしれません。不快に感じていらっしゃる皆様には深くお詫びいたします。(ぺこり)

ところで、ロケフリの話題に戻りますが、ソニスタのソフトウェアダウンロードに「Home AV」カテゴリーiconが追加され、「ロケーションフリープレイ ヤーPC用 ダウンロード版icon」の販売が開始されているんですね。ダウンロード版なのにパッケージ版と全く同じ価格(税込1,980円)なのが少々納得できませんが、取り扱いが始まったことは素直に歓迎したいと思います。って、その前に「LF-PK20icon」をまずはゲットせねば…。

【追記】バッテリーの次はこんな問題が浮上しているようです。やれやれですね…>米司法省、ソニーも SRAM 市場における独禁法違反の調査対象に

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ソニー第2四半期決算を発表

ソニー、第2四半期決算は営業損失208億円-バッテリ不具合が影響。エレクトロニクスは回復

ソニーは、2006年度第2四半期の決算を発表。売上高は1兆8,542億円(前年同期比8.3%増)、営業損失は208億円、税引き前損失は261億円、当期純利益は前年比94.1%減の17億円。

事細かには書きませんが、テレビ、ビデオ&デジカメの好調でエレキビジネスの息が吹き返していることは嬉しいです。ローンチ失敗の印象が強いPS3ですが、それでも来年は600万台売るつもりとか。

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ソニー、全世界でのノートPC用電池パック自主交換プログラムを正式にアナウンス

ノートブック型コンピュータ用電池パックの『自主交換プログラム』について(Sony Japan)

ソニーは、9/29に案内したとおり、ノートPCの一部に採用されている同社製リチウムイオン電池セルを使用した電池パックの自主交換プログラムを全世界で実施すると発表。対象電池セルは、2003/8から2006/2までに製造された2種類(2.4Ah、2.6Ah)のリチウムイオン電池セルを用いた一部のノートPC用電池パックで、デルおよびアップル、レノボの自主回収プログラムの対象電池パックに採用されている同社製電池セルと同タイプのもの。交換対象個数はデル、アップル及びレノボの回収分を除き全世界で約350万個で、回収されたバッテリーはソニーが適切に処理するとのこと。なお、バッテリーパックの対象個数は約960万個で、交換プログラムにかかる費用の合計は現時点で約510億円とか。

ひとつのバッテリ交換に約5,300円っすか。総額ではFIFAのスポンサー費用を軽く超えてしまいましたね…。来年こそは飛躍の年に。がんばれ、ソニー!

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ソニーとサッカーと中国

ソニーのサッカー営業戦略、初戦の場は中国

ソニーの盛田昌夫コーポレート・エグゼクティブが北京を訪れ、2007年に中国で開催される「FIFA女子サッカーワールドカップ」のスポンサーになる計画を発表。ナショナルチーム主力選手との契約調印式に臨んだそうです。昨年、FIFAとの間で合意した、約330億円のグローバル・パートナーシップ・プログラム契約の一部とのこと。盛田氏は「ソニーが今、中国で最も必要なのは、中国社会により深くとけ込み、消費者との距離を極力縮めることだ」と、高篠静雄コーポレート・エグゼクティブ副社長は「女子サッカーワールドカップは、ソニーのサッカープロモーションの初陣」と述べるなど、同社が今後も中国市場への投資に力を入れ、サッカーなどのスポーツ活動を通して、ターゲットとなる中国消費者との交流を深めていく方針(中国におけるフレンドシップ計画=草の根計画)を打ち出したようです。

第2のウォークマンと呼べるような全く新しい発想の製品を中国から生み出したい、ソニーのモノづくりDNAを中国に根付かせたい、と発言していた高篠氏の思いがカタチになるのはまさにこれからなんでしょうね。

日系メーカーに根強い人気 中国デジカメ事情

デジカメを所有する中国の消費者に人気のメーカーは、トップが「ソニー」(29.7%)で2位「キヤノン」(22.1%)で、2社が全体の過半数を占める結果となったそうです。サイバーショットの一部機種の品質に問題があるとして、販売停止にまで追い込まれたこともあるのにこの結果なんですね…。

なんだかんだ言っても、ソニーにとって中国は米国に次ぐ重要市場。日本とは分母が桁違いですからね。それはそれとして、別の意味でもソニーには活躍してもらいたいです。(中国でしっかりしたモノづくりができるなら日本で窃盗団が暗躍するようなこともなくなるでしょうから…)

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