「ソニー全体」カテゴリーアーカイブ

eyeVio開発者インタビュー

「ネットの世界はオープン性が原則」–脱垂直統合の動画サイト「eyeVio」

CNET Japanに、「eyeVio」開発を行ったソニーコーポレートディベロップメント部/ネットメディア開発室チーフプロデューサー本間毅氏のインタビューが掲載されています。

・この瞬間を今すぐ届けたいと思って動画を撮っている時はすごくわくわくするし楽しい。そういう体験が我々のサービスによって増幅できて、かつオンリーなコンテンツとして相手側に受け取られることが大事な部分
・プライベートなコンテンツを楽しむという点でテレビは向かない。だから、テレビそのものの良さを引き出すインターネットサービスが今後は必要
・プライベートなコンテンツをテレビで見る仕組みや、それをシェアする仕組みがないので、その領域を狙っていきたい
・今の時代、まずはオープンにユーザーに受け入れられる形を作って、色々な方々と色々な形でコラボして発展していかないとダメ
・動画という文脈ではeyeVioの持つポテンシャルを物理的な存在であるハードウェアと連携させることでどんどん強化して、やがてはそれがエンターテインメントビジネスともつながればと思っている

などが注目コメントでしょうか。プライベートなコンテンツを特定のハードウェアに縛られることなくシェアできるのがeyeVioの最大の魅力なんですね。これは、言い換えれば、様々なハードウェアがeyeVioというサービスの上で連携しているってことにもなるわけで、これらによって新たなユーザー体験が生まれるということなんでしょうね。

ふと思ったんですけど、PSPの「ちょっとショット」みたいなソリューションも結構「eyeVio」と相性が良いんじゃないですかね。15秒という制限、アップロードにはAVIに変換する必要がありますが、DVカムなどを使うよりはかなり手軽です。これがダイレクトでネット接続できれば結構面白いと思うんですけど…。まあ、今時のケータイなら動画撮影してそのままアップロードまでいけちゃうからもっと手軽なんでしょうね…。ちなみに、サイトもオープン時よりは随分とサクサク動くようになった感じがしますし、日々不具合修正も行われているようです。

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ソニーは武田の騎馬軍団

ソニーと任天堂を隔てるもの

日経BPの経営者倶楽部、アイキットソリューションズ代表の生島大嗣氏のコラムにまたもやソニーネタが。ソニーと任天堂のゲーム機ビジネスへの取り組みの違いを考察。人間の脳の特性を引き合いに出しつつ、過去の成功体験が足をひっぱるのだ!的なことをおっしゃってます。ちなみに、ソニーが武田の騎馬軍団に例えられてます。

生島氏はよほどソニー(ネタ)がお好きなんですね…。ご自分のブログで「ソニーネタ強し」なんて書かれているぐらいですから、アクセスも多いのでしょう。それはさておき、文中に

「ゲーム機の売り上げを伸ばしたい」→「そのためには、性能で他を圧しなければならない」→「高性能のチップを開発する」

という思いこみの三段論法がソニー(SCE)に起こったとありますけど、最初はそうでもなかったんじゃないかと思うんですよね。全ては新しいゲーム表現のためだったんではなかろうかと。その表現を実現するのために必要なパワーを持つCPUやらGPUを開発したってことなんじゃないんですかね。PS2ぐらいからは、DVD市場の牽引的な役目を背負うことになってしまい、ニュアンスが変わってきてしまいましたけど…。

この辺のことは、ソニーが専業メーカーじゃないということが大きく影響しているのではないかと思いますです。過去には「ソニー vs 松下」という図式がなじみ深かったですが、今では、「ソニー vs アップル」、「ソニー vs 任天堂」という図式で語られることの方が多いですよね。それほど、ソニーが扱うエレクトロニクス製品のカテゴリーが多いわけで。昔は建前だったかもしれないけど、全社的に考えれば横の連携もとっていかなくちゃいかんし…。ってなことで、ビジネスの広がりが求められるんでしょうね。ゲーム機だけで完結してしまっては困るんです。

成功体験にしても、ソニーの中では様々なバリエーションがあって、三段論法で言い表せるほど単純なものでもないとも思えます。成功の影には数え切れないほどの失敗もあったでしょうし…。なんにしても、ソニーはイノベーション無くしては存続できない会社です。また、ここ数年の改革で中身も相当変わったのではないかと思います。

PS3にしても、ゲームビジネス的には今はダメダメかもしれないけど、スペックそのものはかなり先を見据えたものですから、真のパフォーマンスを発揮するのはこれから。Wii的なアプローチにしてもシステムのアップデートや新たな周辺機器の投入によって可能でしょう。今後の課題はむしろPSPなのかもしれません。

って、相変わらず話が脱線しまくりですが、とにかくソニーには頑張って欲しいと、それだけ言いたいのです…。

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ソニーCSL オープンハウス2007 一般公開日のプチレポ

sonycsl_oh07.jpg昨日、ソニーCSLで開催されたオープンハウス2007のデモンストレーションに足を運んできました。自分は15:00からの部に参加したのですが、30分遅れで会場入りしたらすでに大勢の人でにぎわっていました。ちなみに、プレス関係者以外は撮影禁止ということで、研究所の入口の写真ぐらいしか撮影できませんでした。すいません…。(プレスとして登録してもらえば良かったのかなあ…)

同研究所の2フロアが会場として使用されていました。研究テーマごとにブースが設けられ、その研究に携わった研究員の方々が直接ブースに常駐するスタイル。3Fでは基礎研究室の展示が、2Fではインタラクションラボラトリーとパリの同研究所ラボの展示が行われました。

3Fは基礎研究ということでソニープロダクツにすぐに結びつくような内容では無いので個人的にはスルーしてしまいました。ちなみに、あの茂木健一郎さんのブースはものすごい人だかりでした。先のシンポでも熱弁していましたが、氏の語る「偶有性」(英語でContingencyって言うそうです)という考え方(定義・概念?)はとても面白いので興味がある人は同氏の著作をお読みください。<…ってそれだけか!

個人的にはやはり2Fのインタラクションラボラトリーの展示の方が断然面白かったっす。2Fの展示はハード、ソフト問わず、カタチになっているものが多いので自分のようなパンピーでもわかりやすいということもあるんでしょうね。具体的な展示内容については、自分がくどくど説明するよりも以下のメディアのレビューなどをご覧いただくほうが早いかと。(週末開催で記事の編集が間に合わないところもあるはずなんで、来週早々にレポートを公開してくるメディアもあると思われます。)

最新テクノロジーが応用されたゲームも登場 Sony CSL“オープンハウス2007”会場レポート
【ソニーCSL公開】ネットワーク家電でコンテンツを直感的に操作する新UI「Triplet UI」を披露
【ソニーCSL公開】楽曲のリミックスを容易にする技術を開発,コード進行やテンポなど時系列のメタデータを基に
【ソニーCSL公開】ブログの文章から漫画を自動生成,絵文字や登録キーワードを基に
ソニーコンピュータサイエンス研究所公開:“漫画ブログ”から“未来のXMB”まで――今回も色々ありました
フォトレポート:ソニー研究開発の最先端、ソニーCSLが活動成果を一挙公開
<岩井喬のSony CSLレポート>未来のAV機器にも活かされる!? 幅広い技術研究を体験
ソニーコンピュータサイエンス研究所オープンハウスレポート

上記レポートをお読みいただければおわかりの通り、2Fだけとっても実に様々な研究成果がデモンストレーションされてまして、2~3時間ではとても全てのブースを回りきれないという感じでした。そんなこんなで、自分の興味がある研究だけに的を絞ってデモを見てきたので、こぼれ話的なことだけ書きますね。

pe_sticker.jpgまずはなにはなくとも「PlaceEngine」。先日のシンポジウムで暦本氏が取り上げていた「PlaceEngineユニット」も展示されてましたが、それよりも驚いたのがサイバーショットG1へのPlaceEngine搭載デモ。撮影時にPlaceEngine(位置)データを記録するだけなんですが、すでに先行して発売しているGPSユニットが屋外でしか使えないのに対してこちらだと屋内でも使えることになりますよね。G1のファームアップデートの予定があるか聞いてみましたが、そちらについてはソニーのサイバーショット開発チームの動向いかんとのこと。他のWi-Fiを搭載機器でも応用可能みたいですので今後の展開に大いに期待したいです。以上のことは、ITmediaのソニーCSLインタビューに登場した末吉さんから直にうかがったものです。また、おみやげとしてPlaceEngineのステッカーを頂戴しました。この場を借りまして、末吉さんに感謝!

2次元フラクタルコードを応用したPS3のゲームソフト「The Eye of Judgment」のデモもなかなか見応えがありましたです。カードをマットの上に置くだけでキャラクター(モンスター?)が出現、カードを動かしてもキャラがちゃんとそれに追従するんです。キャラに手でちょっかいだすと反応したりします。リアルとバーチャルの融合とでも言いましょうか。なんとも不思議な感覚でした。ただ、専用カメラの解像度がVGAらしく、キャラと背景のクオリティのギャップに少々違和感がありますね。ちなみに、製品版はゲームを開始後はコントローラーを一切使わずにゲームをすすめられるんだそうです。カードを集める楽しみを含め、非常に新しい感覚のゲームになりそうです。

今回のオープンハウスにお招きくださった宮島さんの音楽リミックスソフトのデモもとても楽しかったっす。市販の楽曲に独自のメタデータを付加。そのデータからコード進行が似ている箇所(フレーズや小節)をコンピュータが解析してリミックスの対象となる楽曲を選んでくれるみたいな感じのシステム。Acidのような楽器ごとのサンプリングデータを組み合わせて作曲していくようなものではなく、普段聞き慣れている楽曲をベースにリミックスを楽しめるところがポイントです。これが結構意外な発見に繋がるようで、リミックスを実際に聞かされて驚いた組み合わせが、マイケル・ジャクソンの「ビリージーン」と吉田兄弟の「じょんがら節」のリミックス。ジャンルの全く異なる2曲のコード進行が似ているなんて誰が気がつくでしょう(宮島さんはリミックスされた曲をして、「ビリーじょんがら」って言ってたような…うろ覚えです。【追記】その後宮島さんご自身からツッコミをいただきました。「じょんがら・ジーン(Jongara Jean)」、通称JJだそうです…笑)。著作権的な問題についても質問が飛び交っていましたが、原曲データをシェアするのでなくリミックスデータのみ配布可能にすることで回避できるそうです。つまりはリミックス用のデータだけあっても再生できないので、原曲(データ)は自分で用意しないといけないということです。これって実はとても健全でかつCD販売の促進にも繋がることにもなりますね。Acidのようなソフトも音楽制作に革命を起こしましたが、本格的な作曲をするには多少なりとも音楽的な知識や素養が必要です。今回のシステムはそういった知識を一切必要としない点が素晴らしいと思いましたです。たぶん一番大変なのはメタデータそのものの制作でしょうね。先述のAcidも数年前にソニーが買収して自社製品化していますし、もしかしたらソニーの次期オーディオソフトに宮島さんの提案するシステムが取り込まれる可能性も考えられますね。音楽好きの人は色々な意味で注目ですよ。

あと、大量のデジカメデータを分類できてネットワーク経由でシェアができるみたいなシステムのデモも非常に良かったです。似たような写真をひとまとめにしてくれたり、特定のグループの写真をソフトウェアからWeb上にダイレクトにアップロードしたり、メールで人に送ったりもできるようです。GUIも現行のPicture Motion Browserライクで、すぐにでも実現できそうなクオリティでした。ちなみに、ファイルのやりとりに関しては専用のプロトコルを使うのがポイントみたいでした。

他にも色々あったんですけど、時間が無くてじっくりと説明を聞くことが出来ませんでした。他力本願ですが、その辺はメディアのレポートに期待したいです。もしも機会があるならまたソニーのショールームなどで公開して欲しいと思いましたです。あと、こういうイベントって本当にワクワクするんですよね。子供のように目がきらきらしているひとの多かったこと。茂木さんじゃないですけど、思いもよらない体験がきっと脳を刺激するんでしょうね。次回もまた行きたいな…。ということで、非日常的な空間に数時間ながら浸ることができて大満足なSPAでございました。今回、招待してくださった宮島さんにこの場を借りて改めまして御礼申し上げます!

ソニースタイルストアは単に物が置いてある場所…じゃダメなの?

Aggyさん(@役立タズ此処ニ眠ル。)から、HotWired改めWiredVisionでソニー絡みの記事が出ていたとのお知らせをいただきました。(感謝です!)

「Appleとソニーの対決」を考える(1)
「Appleとソニーの対決」を考える(2)

アップルストアとソニスタストアの比較論。「ソニーは下降の一途」だとか、ソニスタストアを単に「物が置いてある場所」だとか、よくもまあ言ってくれたもんですな。まあ、その通りかもしれんけど…(<弱気)。

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ソニー、手動発電のエコ製品の提案イベントを開催

ソニー、手動発電のビデオカメラやヘッドフォンを提案-環境イベント開催。BRAVIAなどの環境配慮も紹介

ソニーが考えるエコ製品のデザインや、環境配慮への取り組みを紹介する展示イベント「“Sony-made ECO” showcase」を、銀座ソニービルで6/10まで、お台場のメディアージュで6/11~17まで開催。入場無料。

会場ではキネティックエンジン(手動発電)を用いたエコ製品のデザインプロトタイプ「odo」を展示。子供が興味を持ちそうなおもちゃ風のデザインを採用しており、レバーを回して充電することで撮影と再生が可能になるビデオカメラ「Crank N’Capture」、ハウジング部のコードを引っ張ることで充電するFMラジオを内蔵ヘッドフォン「Pull N’Play」。底面のローラーを動かして充電、太陽電池による給電もできるフォト/ビデオビューワ「Push Power Play」、ファインダ部分に指を挿して回すことで充電するデジタルカメラ「Spin N’Snap」などが展示されるとか。

手回しラジオもそうですが、機械を動かすための電力を自己発電するのがどれだけ大変かを知るのにも役立ちそうですね。デザインは子供向けだそうですが、シンプルな中に力強さを秘めているようにも思います。開催中に是非現物を拝みに行こうと思います。

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がんばれ、ソニーミュージック演歌チーム

それでもソニーで、「演歌」を作る 「ソニー・ミュージックエンタテインメント“演歌チーム”の巻」(前編)
非主流がなんだ。ソニーの演歌はぶれていない 「ソニー・ミュージックエンタテインメント“演歌チーム”の巻」(後編)

SME演歌チームの今を追ったドキュメンタリー。90年代からはかなり厳しい状況だったんですね…。80年代まではアーティストも20組在籍していたそうですが、続々リストラされて3人に(今は4人)なったんだそうです。およそ50人いた制作チームも今はたったの4人とか。いまだにカセットが主流で、「手売り」「夜キャン」「ドサ回り」とプロモーション自体がまさに演歌。でもそんな演歌も立派なエンタメコンテンツ。演歌を愛する人のため、アーティストのために働き続けるというSMEの4人の社員にエールを送りましょう!

演歌は今もカセットが主流だそうですが、カラオケができるデジタルオーディオプレイヤーで業界活性化…ってファームウェアが必要って時点でダメっすね。「なんだ、ファームって?農場か?」みたいなツッコミされて終わりでしょうか…>“音楽プレーヤー”の皮を被った“カラオケ”を試す

にしても、「ACルーム」とはうまく言ったもんですね。アダルトコンテンポラリー=ACなんですけど、演歌も立派な大人の音楽ですからね。