「ソニー全体」カテゴリーアーカイブ

ソニーがバイオCTOをグローバル展開~米国で家電が日本でPS事業好調の話も

ソニー、パソコンを世界で受注生産 今年度、販売台数3割増

ソニーが、日米向けだけだった、オーナーメード方式(CTO)のPC販売をグローバル展開するというニュース。中国と南米でスタートしたほか、今秋には欧州でも開始するとか。先日発表された、PC事業で年間売上高1兆円という中期目標の達成に向け、2008年度の世界総販売台数を680万台(前年度比3割増)に引き上げるそうです。

一兆円って翌々考えたらスゴイ数字ですよね。1,000,000,000,000円ですよ。20万円のPCが500台で1億だから、その1万倍は5,000,000台。こりゃ、大変だ…って、計算あってます?(万いらなかったっすね。ツッコミ感謝>ツー三さん)

iconicon

ソニーの家電、景気減速でも米国で好調

サブプライム問題、原油高、ドル安など、景気後退が叫ばれる米国で、ソニー製品の売れ行きが好調だというニュース。「日本よりも安価な部品を使って、メキシコでMシリーズを開発」、「ハイエンド製品を買わないかもしれない消費者向けに、節約できそうな手段を提供している」などのコメントに代表されるように、ロー~ミドル製品が好調という事なんでしょうね。

昔は“中の上”ぐらいのイメージがありましたが、今のソニーはヘタすると“下の上”なんじゃなかろうか…。ま、手前のようなパンピー庶民の見栄っ張りに最適なのがソニー製品ってなこったー。

PS3、国内販売でWiiを追い上げ
PSPの上期国内販売は196万台、ハード販売首位に

PS3もPSPが国内で絶好調だそうですが、どちらも3rdパーティーソフトに助けられた形なのは誰しもが認めるところ。これからが本当の勝負っすね。

ちなみに、コナミの小島チームは元々が神戸、カプコンは大阪ですよね。ソニーのプレステビジネスはある意味、関西パワーに救われているとも言えそうな気もしないでもないっす。昨晩深夜に東京ローカルで見た「探偵ナイトスクープ」に出てくる人たちのパワーを見てそんなことを感じました。って、翌々考えてみたら任天堂も京都ですね。

ソニーが全ての製品に一貫性があるネットワークサービスを展開する意味とは

アップルを意識するソニー:中期経営計画からビジネスモデルの相似を読む

先週の記事なんですが、ソニーの中間経営方針について、ソニー本の著書でお馴染みの大河原克行氏が分析してます。後ろ向きの「選択と集中」にスポットが当たっていた2005年当時の戦略に比べ、「今回の中期経営計画は成長戦略へと大きく舵を切っていることがわかる」とか。ただ、薄型テレビ事業とゲーム事業については財務面に不透明な点があり、いずれも早急な黒字化がテーマとのこと。

また、今回の中期計画において注目しておきたいもう一方のポイントに「2010年度までに製品カテゴリーの90%をネットワーク機能内蔵およびワイヤレス対応」をあげています。中鉢社長が語った「一貫性があるネットワークサービスを、ソニーのすべての製品に展開する」というビジネスモデルはアップルがiPodで実現したそれに酷似していると語る大河原氏。

魅力的なソフト(コンテンツ配信)でハードの売り上げ増加につなげるというスタンスは同じでも、ソニーの場合は製品カテゴリーの幅が違うと。さらに、90%の製品がネットワーク対応になればその影響力はさらに拡大すると。しかも、ソニーはグループ内に、音楽、映画、ゲームなどのコンテンツを持っていると。そして、今回のネットワーク戦略は、ソニー製品同士をつなげることになり、それがソニー製品による囲い込みにもつながるとか。

ハードのプロモに使うのはともかく、グループ所有のコンテンツだけで配信ビジネスが成立するとは思えません。アップルは自身でコンテンツを持たない第三者だからこそ、レーベルの垣根を越えた楽曲提供が可能とも言えるのではないでしょうか。あらゆるハードでワンソースマルチユース可能なコンテンツの総合デパート(ゲームソフトはちょっとニュアンス変わりますが…)。そんなものをソニーが作ってくれるなら話は別なんですけど。

最近はオープン化やマッシュアップというキーワードを目にすることも多くなりました。ネットワーク対応と自社製品による囲い込みもそれらがベースにあって機能するように思います。任天堂のWiiも「売り切るビジネスからつながるビジネスへの転換」を果たしたことが重要なポイントみたいです…>脱インダストリーのマーケティング:任天堂のWiiは袋小路から脱け出した商品――イノベーションの方法論

【追記】本日付で人事が発表されましたね。偉い人たちのことはともかく、フォトニックデバイス&モジュール事業本部、モバイルディスプレイ事業本部、メモリースティック事業センターが統合され、電子デバイス事業本部が新設されるそうですよ。真っ先に頭に浮かぶのはフォトスタンドですが、モバイルでメモステと来れば、MID的なものも期待してしまいます…>人事 機構改革(Sony Japan)

続きを読む ソニーが全ての製品に一貫性があるネットワークサービスを展開する意味とは

HD画質での映像投稿・視聴・共有が可能な“eyeVio”HD Proが6/30にスタート

動画共有サービス“eyeVio:アイビオ”HD画質での映像投稿・視聴・共有が可能な“eyeVio” HD Proを6月30日に開始(Sony Japan)

ソニーが、動画共有サービス「eyeVio」で、HD画質での投稿・視聴・共有ができる“eyeVio” HD Proを6/30より開始すると発表。これにより、ユーザーは、投稿動画を一定水準以上の処理速度と通信環境のもと、PC上でHD画質の視聴が可能。ブラビアユニット「BRX-NT1」や、PS3を使用することで、テレビでの視聴も可能。HDファイル投稿には『HD Proお申し込みページ』で、アカウントの申し込み(1ファイルにつき500MBまで)が必要で、申し込み後は最大5人まで“eyeVio” HD Proへの招待が可能とか。ちなみに、配信形式はMPEG-4 AVC/H.264、解像度は1,280×720ドット、ビットレートは6Mbpsだそうです。

2008年度~2010年度のソニーグループの中期経営方針で、ネットワークサービスはPS3から始まるとされていましたが、eyeVioが先鋒を担いだような形に…。高スペックが要求されるPCより、PS3とテレビの組合せのほうがストレス無く、かつ大画面で視聴できますね。結果的に、“eyeVio” HD Proのサービスインはネットワークにも強いユニバーサルプレイヤーとしてPS3を訴求できることに繋がるわけか…。

続きを読む HD画質での映像投稿・視聴・共有が可能な“eyeVio”HD Proが6/30にスタート

2010年までにソニー製品の90%がネットワーク内蔵とワイヤレス対応に

ソニーグループ 中期経営方針 (2008年度~2010年度)~ ネットワーク対応のコンスーマーエレクトロニクスとエンタテインメントを提供するグローバルなリーディングカンパニーを目指して ~(Sony Japan)

ソニーグループが2008年度~2010年度の中期経営方針を発表。ネットワーク対応のコンスーマーエレクトロニクスとエンタテインメントを提供するグローバルなリーディングカンパニーを目指し新経営施策を実行。コアビジネスの更なる強化、ネットワーク関連施策の推進、ならびに急成長する国際市場でのビジネス拡大を重要施策と位置づけ、更なる成長と利益創出の実現を目指すとか。中期目標は以下の通り。

  • 既に売上高1兆円を越える4事業(液晶テレビ、デジタルイメージング、ゲーム、携帯電話)に加え、PC、ブルーレイディスク関連商品、コンポーネント・半導体の各事業を1兆円規模のビジネスに拡大し、グループ内に7つの1兆円事業を創出
  • 2010年度までに製品カテゴリーの90%をネットワーク機能内蔵およびワイヤレス対応へ
  • 2008年夏のPS Network上でのビデオ配信サービス開始を皮切りに、2010年度までに主要製品に展開
  • BRICSs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)での年間売上高を2010年度末までに倍増の2兆円に拡大

各施策の概要についてはリリースにも書かれていますが、AV Watchの発表会レポートが一番わかりやすいですね。

「ソニーは変化し続ける」。映像配信強化など新経営計画-PS3で今夏ビデオ配信。BD、VAIOなど「1兆円ビジネス」

05年に掲げた3年の中期経営方針の成果が出たとして、「エレキ復活」と「部門間の連携(Sony United)」を強調してます。今後については、ネットワーク強化に注目でしょうか。「2010年までにソニーの製品カテゴリの90%をネットワーク/ワイヤレス対応に」、「2010年度までに主要製品にビデオ配信サービスを展開」との目標が設定されてます。ソニーは、「PSPやPS3、BRAVIA、ビデオウォークマン、VAIO、携帯電話と、あらゆる製品を用意しており、新しいエンターテインメントを実現できるユニークなポジションにいる」と強調。今後はダイレクトにコンテンツを届ける取り組みを加速させるとか。

中鉢社長が「PS3からネットワークサービスが始まるが、将来はテレビやBD、モバイルでも楽しめるように商品開発を進める」と、SCE平井社長がPS3のビデオ配信について「今後はダウンロードコンテンツのPSPへの転送/視聴などにも対応予定」と語るなど、Blu-rayを中心としたリッチなHDコンテンツと平行して、モバイルへもしっかりコミットしていくという意気込みが語られたことが個人的にはうれしいです。(いよいよウォークマンもワイヤレス対応かーっ!)

中鉢社長が語る新しい「ソニーらしさ」の定義にも注目。

ソニーらしさについては、社内でもいろいろな議論がある。私は基本的に、技術が埋め込まれていないといけないと考える。研ぎ澄まされた技術の上のクールな外装、サービスが必要。それだけでなく、開発した社員が生き生きしている、輝いていることが重要。つまり誇りがある、社会に認められていないと、“ソニーらしい”とはいわれない。これまでは単体で感動を生むような製品を世に出し、賞賛を浴びた。しかし、これからは、それぞれがつながって、感動を与えていくということになるのではないか

ソニー製品同士がつながるのは当たり前。むしろなんでそれが今まで出来なかったんだという話ですが、サイロ崩壊でようやくその下地が整ったということなんでしょう。ネットワーク時代は、製品やサービスだけでなく、ソニー関係者一人一人の心のつながり、そして、ユーザーとのつながりも重要になってくるのでしょうね。あとは有言実行あるのみです。

続きを読む 2010年までにソニー製品の90%がネットワーク内蔵とワイヤレス対応に

ソニーCSLが音楽リミックス/共有サービスサイト「Music Mashroom」を公開

Music Mashroom (ソニーCSL)

ソニーCSLが、リミックスエンジン~ MusicMosaic Generator(MMG) ~を利用した音楽リミックス/マッシュアップの実験的サイト「Music Mashroom」を6/25に公開したと発表。MMGは、市販の楽曲や録音済みの音源を利用し、音楽知識がなくても楽曲を簡単にアレンジしてリ ミックスを製作することができるエンジンのこと。完成したリミックスは”レシピ”と呼ばれるリミックス情報として保存され、レシピ と原曲の双方が揃った段階で再生成されるため、ネット上には原曲や再録音されたデータを一切アップロードせずにリミックスの交換を可能にしています。以下は、MMGを開発した宮島さんのメッセージ。

Music Mashroom はユーザのみなさんに参加していただけるCGM 実験サービスです 。写真や動画は一般の人々が作ってアップロードすることが簡単にできましたが、音楽に関してはこれまで一般の人々には障壁が高く CGM(Consumer Generated Media)文化が育ちませんでした。今回、音楽 CGM 文化の可能性や問題点を探るべく実験サービスを立ち上げました。コンセプトをご理解いただき、ぜひ一度お試しいただければ幸いです。

同サービスは、楽曲のタイムラインメタデータを付けるためのアプリケーション「MetaPong!」のダウンロードも可能なメタデータ共有サイト「Timeline Metadata Room」と、リミックスレシピ作成アプリケーション「Hash’n Mash」のダウンロードも可能なリミックスデータ共有サイト「Recipe Room」の二つで構成されており、データ共有にはいずれもOpenID登録が必要とのこと。

サービスの全体像並びに詳細についてはAV Watchのニュースがわかりやすいと思います>ソニーCSL、リミックス楽曲共有サイト「Music Mashroom」-「MusicMosaic Generator」搭載ソフトを無償配布

また、ソニーCSLには宮島さんご本人がMMGについて解説しているインタビューも掲載されています。こちらも一緒に読むとサービス内容が理解しやすいと思います>Music Mosaic Generator

このMMGは、昨年開催された「ソニーCSL オープンハウス2007」で初めて一般公開されたんですが、自分は音楽好きなので大変興味を持った次第です。そもそも、オープンハウスにお招きいただけたのも、宮島さんから直接ご連絡をいただいたことから始まっています。公開から1年。大変なご苦労があったと思いますが、こうしてサービスとして形にできるのは本当にすごいことだと思います。また、この実験の成果がPlace Engineや12音解析のようにソニー製品に採用されていくのでしょうね。ちょっと意味合いは違うけど、ACIDと合体したらさらに面白くなりそう。

市販の音楽アプリっていかにも敷居が高そうなのですが、MMGで大変なのはタイムラインメタデータの作成だけなんじゃないでしょうか。それさえ用意できればリミックス作業のみ。そこからはセンスがモノを言う世界か…。

【追記】当エントリーをご覧になったソニーCSLの宮島さんからMMGの開発日記を執筆中ですとのご連絡いただきました(感謝です&ご苦労様です!)。公開に至る経緯やそれにまつわる裏話が読めるほか、今後はメタデータ作成のテクニックや使いこなしも披露されることでしょう。MMGに興味のある方は日々チェックです!>MMG 開発日記

続きを読む ソニーCSLが音楽リミックス/共有サービスサイト「Music Mashroom」を公開

この世で一番リッチな人は、好きなものがいっぱいある人

2008年6月19日号 | My Sonyメールマガジン オフィシャルサイト

My Sonyメルマガ最新号でましたね。今回は、茂木健一郎さんへのインタビュー「脳が喜ぶ音楽 脳が感動する映像」がメインですが、「ソニーのDNAを受け継ぐ職人たち」の第2弾としてPFR-V1icon開発担当でスピーカー職人のニックネームを持つ山岸亮氏へのインタビュー記事もアップされるなど、またも読みどころ満載。

この世で一番リッチな人は、お金を持っている人ではなく、好きなものがいっぱいある人だと僕は思います。好きな音楽、好きなドラマ、好きな映画。少しずつ違うやり方で、脳を活性化できる。たくさん好きなものを持つような人生を目指すのが、脳にとって一番幸せなことだと思います(by 茂木さん)

・(MDR-E252の)ターボ回路は理論的に考えたものではなく、設計している段階でたまたまできたもの、偶然の産物なんです。偶然ほど恐ろしいものはないですね(笑)。(PRF-V1は)構想十数年。低音を出すためのアイデアは30分で完成した製品なんですよ。また偶然、大当たりしたみたいなものです(笑)。(by 山岸さん)

音楽や映画がこの世から無くなったら、世界は、自分は、そしてソニーは一体どうなってしまうんだろう…。そんなことをふと考えてしまいました。茂木さんの「モーツァルト効果」の解説も面白かったです。茂木さんが山岸さんの語る偶然を脳科学研究の観点から解説してくれたらもっと楽しそうですね。

蛇足ですが、PRF-V1はアマゾンでは27,824円で買えるんですね(08/6/20現在)。ソニスタの34,800円に15%オフクーポン+elio決済使ってもまだ安いんですよね。といいつつ自分もいまだに未購入。欲しいんですけど先立つものが…。

音楽と言えば、同メルマガでSony Japanのスペシャルコンテンツ「廃CDがデジタルカメラになるって本当ですか?」も紹介されていますね。廃CDリサイクルの今をあの白井貴子さんがレポートなさっているわけですが、こうした現実を見せつけられると今後のパッケージメディアのあり方を考えさせられますね。原油高の影響も深刻になってきていますし、エコ的な観点からみても、AVコンテンツはデジタル配信を主流にしていくべきなのかもしれません。