ソニー、サードポイントのエンタメ事業分離提案を拒否


ソニーからサードポイントへの返信書簡について

ソニーは、日本時間2013年8月6日、取締役会の全会一致の決議に基づき、サードポイントに返信書簡を発信。書簡では、ソニーの取締役会及びマネジメントチームが、エンタメ事業を100%所有し続けることが今後の成功に向けて大変重要であり、ライツオファリングや同事業の株式公開は、持続的な収益力の強化及び株主価値の向上を達成するためのソニーの戦略と相容れないと確信していることが述べられています。以下、その他の言及。

コンテンツの需要そしてその価値は、新たな配信プラットフォームの出現、高性能なモバイル端末及びブロードバンドへのアクセスの普及、といった業界・事業構造のダイナミックな変化の中、さらに増大している。ソニーは、エンタテインメント事業がこのトレンドから今後ますます利益を享受できると考えている。そして、この価値ある資産を一部にとどまらず全て所有することこそが当社の株主の共同の利益にもなると考えている。

エンタメ事業を完全所有することでグループ内の協業の加速、シナジーの促進、より迅速な事業活動が可能になる。グループ内の協業の機会は多数存在し、今後一層増加すると考えている。一方、ライツオファリングや公募による株式公開は、グループ会社間取引においても少数株主への配慮により生じる独立当事者間と同様の関係を保つ必要性等、従来は必要でなかった負担を経営に課すこととなり、結果として、ソニーのコントロール及び戦略の柔軟性を制限することになると考えている。

上記に加え、取締役会及びマネジメントチームは、既存の事業計画に基づいてビジネスを行っていくために適切な資金調達手段を有していると考えている。追加の資金を必要とする場合、あるいは不測の事態が生じた場合にも、その成長戦略の根本を成す事業・資産の一部を売却したり、エンタメ及びエレクトロニクスの事業戦略の実施に対して不必要な負担を強いたりすることのない調達手段を優先して実行していく。

市場参加者がソニーのエンタメ事業の業績を分析し、またその成果をモニターしやすくなるよう、今年度の第2四半期の決算より、エンタテイメント事業についての情報開示をより充実させていく予定とか。

映画や音楽は当たり外れが大きいですからね…。今年は音楽では世界規模でダフトパンクの新作がヒットしているのでかなりの利益貢献があるのではないでしょうか。国内ではアニメ関連のコンテンツビジネスがすごそう。なにはともあれ、あの人に感謝でしょうね…。

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