PSSの利点は「PlayStation」というマシンを使えること


開発責任者に聞く「PlayStation Vita/Suite」の正体~SCE 松本吉生 SVP 兼 第2事業部長 インタビュー~

SCEでのポータブルゲーム機開発の総責任者で、TGSフォーラム基調講演でVitaの特徴について解説した、SVP 兼 第2事業部長の松本吉生氏に、西田さんがVitaについてインタビュー。SCEがVitaで狙うこと、数々のVitaの「仕様」の理由について確かめたとのことで、気になるトピックを毎度のごとく抽出。

  • Vitaはマルチタスク動作することを前提に開発。ゲームの動作の領域と、一般のアプリケーションの動作の領域とは分かれている。一般アプリ側は、容量がある限り、基本的には並行動作するはず。SNSクライアント、Webブラウザは一般アプリケーション側で動作。ゲームの動作に関しては、優先度を高く設定。
  • ポータブル機においてはWebブラウザが大切。ブラウザはWebkitベースで開発しており、かなりモダンなウェブブラウズ体験が可能。Flash対応は現段階ではノーコメント。
  • 3G版にしかGPSが搭載されていないのは、パーツの事情以上に、3GとGPSは非常に親和性が高い、ということ。
  • (ドコモの通信プランについて)色々試してみた中で、128kが落としどころとしてありそうだ、ということになったため採用。「高速」の部分は、ウェブを中心に利用していただくためのもの。今回の施策は、箱を開けてすぐつながるのがメリット。
  • (専用メモリーカード採用について)将来のことまで考えると、自分達のコントロールができるメディアにしておこう、という結論。
  • (PSSの開発環境について)C++ベースの開発者が多く可能性が高いと考えて選択。まずここから。将来状況が変われば、さらに違う形も考えていかないといけない。
  • PSSの利点は「PlayStation」というマシンを使えること。「ゲーム機は難しい」と考えていたデベロッパーにも参加してもらえる。将来、同じものがPS3でも、VitaでもAndroidでも動く。PSSを使ってAndroid用のコンテンツを作ればPS3やVitaでも連携できる。新しいデベロッパーはPlayStationに参入でき、しかもAndroidと連携させることができる。
  • ソフトウエアの販売モデルや、ライセンシングモデルも変化。議論が確定していないが、個人レベルのデベロッパーの方や、無料アプリを作りたい方も視野にいれている。
  • Vita上では、別途PS1のエミュレータが動く。PSSとPS Storeで現在販売されているPS1タイトルについては、現在は別もの。

うーん、PSSの可能性を感じさせるようなアプリを見せてくれたら印象も違うけど特に何にもないし…。メジャーなデベロッパーからすれば、任天堂やMS向けもやんなきゃならんし、ソーシャルベースのケータイアプリにiOS/Androidなどのスマホ向けもあって、PSSなんてやってる余裕なんて無いんじゃなかろうか。

とりあえず、1stパーティー自らが、Vita専用タイトルで新たなゲーム体験を提示し、ゲーム専用携帯機としての存在感をアピールしてほしい。料金体系の話はひとまず置いておくとして、通信対応でコミュニケーションの幅が広がれば、モンハンのようなゲームの面白さも自ずとアップするはず。

ということで、がんばってくれ、SCE。

オレは3DSでMH3Gをプレイしながら待ってる…。
だって、3DS本体とソフト買っても、PS Vita Wi-Fiモデルより安いだもん…。

(PSSのデベロッパーの話題からソニーが10年以上も前に始めたCLIEのデベロッパー対応を思い出した。10年前の時点でソニスタで個人デベロッパーのソフトも販売されていたんだよな。今更ながらにすごいことだったんだと思う)

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