コピー9thでは誰も幸せになれナインス

情報通信審議会が開催する「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」で発表されたコピーワンス見直しについて、業界著名人が次々に意見を発表。上から順に小寺さん、本田さん、ケースイさん、江口さん。

「1世代コピー9th」では誰も幸せになれない
コピー回数の変更だけでコピーワンス問題は解決できない
コピー9回……果たして多いのか少ないのか? ケースイが「コピー9」を斬る!
「コピーワンス」による本当の機会損失とは

スゴ録の新製品がなかなか発表されない理由もここにあるのでしょうかね。権利者と消費者の間で板挟みになっているメーカーが一番苦労しているのでしょうが、だからこそ今が頑張りどころなのではという気もします。頑張ってくださいよ、ソニーさん。

最近のSPA家(というか自分)は、スゴ録で録画したデジタル放送の番組をDVDにムーブすることはほとんど無く、ごくごく一部だけPSP用におでかけしたファイルをPS3にため込むだけとなっています。BDレコーダーならいざしらず、最終的にSD画像になっちゃうなら、保存したい番組はアナログレコーダー中心の運用でいいじゃんというわけです。ワイドで保存できないという制約こそありますが、ウォークマンやiPodといったモバイル機器用の動画を作成するのにはSD画質で十分ですし…。

とはいえ、数年後にはそのアナログも見られなくなってしまうんですよね。「孫コピー不可、直接コピーしかできないという意味(中略)はiPodや携帯電話を、レコーダーに直接つないでコピーせよ、ということである」とは小寺さんの弁ですが、そんなレコーダー作れるメーカーが果たしてあるんでしょうか。ソニーですら、数多ある自社(グループ)製品との連携すらままならないというのに…。

そういう意味では「テレビを見ない」という選択肢も残されているのですが、それだと誰も幸せにならない気がしますし、音楽を含め、誰も聞かない見ないでは権利者には対価は支払われませんものね。

ロケーションフリーやSlingboxのような機材を使って、逆に米国のテレビ番組を日本に持ってくるようなビジネスが成立するかもしれない。この場合拠点は米国にあるので、日本の法律では手を出せない。

これも小寺さんの言葉ですが、こうなったら日本のテレビ産業は完全にアウトになってしまうのではないでしょうか。ソニーのロケフリもこんなカタチでヒットしても嬉しくないでしょうし。皆がハッピーになれる方法ってナインスかね…。


(余談ですが、最近特に感じるのは、音楽にしてもテレビにしても無駄に金かけすぎているんじゃないかということ。予算がナイナイいっても、他と比べたら桁が違いますよね、この業界は。なのに、ドラマもバラエティも出てくるのは見慣れたタレントばかり。数字優先の人選なのかもしれませんが、視聴率などもはや幻想でしかないのに…。となると、テレビを見ない人はテレビを何に使うのか。もしかしたら、ゲーム機がリビングを制するなんて事態につながったりして…)

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