昨日(3/8)、お台場ソニスタで先行展示された「ウォークマンA800シリーズ」を見てきました。ショールームになかなか足を運べないという方々のために、サイバーショットH1持参で色々と撮影してきましたので、まずはWebアルバムにて実機の画像をご堪能ください。相変わらず撮影がヘタで、ホワイトバランスがおかしかったりピンぼけしていたりするものもありますが、その辺はご愛敬ということで…。なお、サムネイル画像をクリックすると1280×960のオリジナル画像が表示されます。また、画像の著作権は一切主張しません。煮るなり焼くなりご自由にお使いくださいませ。
ウォークマンA800シリーズ(Webアルバム)
ファーストインプレとしては、とにかく動作が速い。恐ろしいぐらいのクイックレスポンスです。これはもう実機を触って確かめてもらうしかないのですが、本当に速いです。ボタン類の配置やデザインなど、基本的には旧A1000/3000シリーズと同じなのですが、液晶面が限りなくフラットになったことと小型・薄型化によってボタンやキーが格段に押しやすくなっています。初代iPod nanoと比較すると、薄さこそ負けていますが、縦横は良い勝負。手に持った感じもほとんど同じです。
ビデオ再生と静止画再生に対応したことでメニュー項目は恐ろしいぐらいに増えているのですが、快適な動作がその煩雑さを解消してくれているようにも思えました。細かい操作体系についての解説はしませんが、旧A1000/3000シリーズからかなり進化していると感じました。
QVGAカラー液晶の搭載で表示できる情報量も増えましたし、フォントも読みやすいゴシック系に変更されました。サイズが小さいことが逆に幸いしているのか、動きの多い動画のアラが気になりません。30フレームのAVCの動画もサクサク再生できました。
ビデオと静止画の画面表示方向は縦以外に右手用、左手用に好きな方向を選べます。また、ビデオと静止画で個別に設定も可能です。ただ、ビデオを横向きにした場合、右手用はボリュームキーの+-と画面表示方向が逆になるので少々違和感があるかもしれません。慣れれば気にならないかもしれませんが、できることならそういうところもこだわって欲しかったところ。
ショールームという環境下だったこともあって自信を持ってというわけにはいきませんが、音質は素直に良かったです。聞くところによると、かなりのノイズ対策が施されているようなので、音の良さは折り紙付きらしいです。付属のヘッドホン(EX85)はコードが少々安っぽいのですが、正直こんな良い音がするとは思いませんでした。外で聞く分にはEX90とさほど変わらないかもしれません。
カラバリについては、思っていた以上にホワイトとピンクの塗装の感じが良かったです。Web上の画像ではよくわからなかったのですが、ホワイトは表面がざらっとしたマット仕上げが渋く、ピンクは照明の加減で表面のつぶつぶががラメっぽく光るのが美しいです。ちなみにホワイトも照明の加減でラメラメ感が出てきます。個人的には8GBのホワイトモデルがあったら注文内容を変更するところでした。バイオレット、シルバー、ブラックの塗装は大変きめ細かなもので、A1000/3000シリーズと同等というイメージでした。
周辺グッズでは、クリアケースや専用クリップよりもレザーケースの出来に注目。蓋付のケースなので薄型が少々損なわれてしまうのですが、革越しのボタン操作が想像以上に快適だったのが印象的でした。シリコンケースは液晶面の開口から本体を入れるそうです。クリアケースは仰々しいので個人的にはパス。専用クレードルはちょっと大きすぎるかも。
今回のA800のハードは、まさにA1000/3000のリベンジモデルと言っても良いかもしれません。評判が悪かった内容を研究し、徹底的に改善したのでしょうね。とにかく、クイックレスポンスの力が大きい。ちょっとやそっとの使いにくさも吹き飛ぶ速さです。ということで、ハードとしての完成度はぴかいち。動画、静止画、音楽が詰め込まれた状態からの使い勝手は申し分ないと言えそうです。ファンからしてみると、なんでコレを今まで出せなかったのソニーさん、と突っ込みたくなりました。
しかしながら、ソフトとサービスの連携については正直なところ、大きな進化はしていないですよね。PCとの組み合わせは試せなかったのですが、SonicStageとイメコン3をランチャーでひとまとめにするという安直なやり方はかなり残念。対応フォーマットの問題で、スゴ録のPSP向けお出かけ転送に対応できない点も非常に残念です。音楽や動画もフォーマットを意識することなく、あらゆるソニープロダクツ間でスムーズにやりとりできるようになって欲しいものです。
ということで、今回のA800は個人的には評価も高いのですが、A800で実現した動画再生など、クオリティの差こそあれ、すでに携帯電話でも実現されていることであり、他社のポータブルオーディオ製品でも実現されているんですよね。実際のところ、A800のどこにソニーらしさを見いだせばよいのかよくわからないというのが正直な感想でもあります。
JEITAが日本では2009年をピークにポータブルオーディオ市場が縮小すると予測していました。残りあと2~3年です。そんな時代になっても「ウォークマン」というブランド、コンセプトは生き続けていられるのか。そういったことを考えさせられたA800シリーズの登場であります。