エンターブレイン浜村氏、次世代のゲーム産業の展望を語る 市場推移予測を大幅上方修正、年末の大本命はWiiと予測
CESA DEVELOPERS CONFERENCE 2006、エンターブレインの浜村弘一氏による「ゲーム産業次世代への展望と、そこに求められる開発者の資質」という基調講演のレポート。はやくも任天堂ひとり勝ちの2006年といった感じですが、年末商戦からWiiのスタートダッシュが始まるとの予測です。以下、ポイントのみ箇条書きで。
【任天堂】
・下期偏重型なゲーム産業にあって上期にヒット作が生まれるのは異例で、その売り上げを支えたのがニンテンドーDS
・発売タイトル数シェアが20%弱の任天堂が売り上げの約80%も占めている(ある意味不安)
・DSが市場にもたらしたものは、ゲーム機の脇役としての位置づけからの脱却、ライトユーザーまで広がったゲームファン、低予算によるゲーム開発
・キーワードは「パーソナル」
・任天堂Wiが年末の大本命間違いなし。理由は、DSとの親和性と同機の設計哲学を受け継いでいること、20,000円以下と予想される価格的なアドバンテージ
【ソニー】
・PS3は、圧倒的なグラフィックス性能だが高価格
・初期50万台はすぐ捌けるものの、その後は伸び悩む
・売上見込みは5年で1,000万台(PS2の約半分)
・39,800円ぐらいがメインストリームのプラットフォームになるため必須条件
・PS2のDVDのような起爆剤にはならず、むしろPS3がBlu-rayを後押し
・PS3のゲーム機としての真価が発揮されるのは大型タイトルが登場してくる2007年末頃
【マイクロソフト】
・Xbox 360は、Windows Vistaとの連携により大敗はなくなった
・市場獲得のムラをどうするのかが課題
【その他】
・4つめの次世代プラットフォームは「オンライン」
・ハードウェアプラットフォームに縛られる時代は終わった
・今年の年末はゲーム業界にとっては大きな節目
・クリエイターの作ってみたいプラットフォームはWii、DS、PS3の順
ゲーム機として「39,800円、大作待ち」という見方はある意味妥当だが、PS3の能力はゲームだけにとどまらない。浜村氏自身が指摘したように、PC業界や家電業界も巻き込んだ次世代のネットワークコンソールであり、一ゲームメディアだけの視点では「予測不可能」というのが正直なところではないだろうか。
とはライターさんの弁。一番予測不可能なのは久多良木さんの頭の中。こういう評価をされて、焦っているのか、ほくそ笑んでいるのか…。
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