ソニーの現経営陣はエレキゾンビ

滝天さんから以下のようなお便りを頂戴しました。

お久しぶりです、SPAさん。WEGAはお元気でしょうか。
今回メールしたのは、週刊ダイヤモンド9/30号に「ソニー激震」なる記事が載っていることをお知らせしたかったからです。憶測による記事もあるのでしょうが、ソニーの抱える不透明感を露にした感があり、業界事情に暗い私には、なかなか読みでがありました。メリルリンチ日本証券が予測したPS3 事業収益シミュレーションでは結構ショッキングな数字が出ています。未読でしたらお勧めです。ネガティブキャンペーンも入ってるかな?
最近の私の中のソニー株は、NAS-A10と最近購入したNW-E003との相性がかなり悪く、さらに降下しました。サポートの対応も不透明感バリバリで、も、ソニーしばらくいいや、って感じです。

お便り感謝&WEGAは今日も元気です>滝天さん。さて、教えていただいた週刊ダイヤモンド最新号ですが、昨晩外出先で夜遅くに滑り込みで購入しました。

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「オレを殺す気か」と、“下請け会社”ソニーに憤りを隠さない久多良木氏の刺激的なコメントから始まる特集記事。事細かには書きませんが、部外者の自分が呼んでもグサグサ来る内容です。

PSP/PS3やウォークマン事業の混乱と迷走、高らかに宣言された「モノづくり回帰」後に起きた電池リコール問題など、それらを引き起こしたそもそもの要因がソニーの人本主義にあるのではないかとしているのがビジネス書らしかったっす。リコール対象の電池の製造時には中鉢氏自らが生産戦略本部長として製造部門を束ね、中川執行役も当時はバッテリービジネスを統括するカンパニーのプレジデントでソニーエナジーデバイスの社長も務めていたそうです。

特集の最後では、現経営陣の最大の過失を「デジタル化、モジュール化の次にやってきたインターネットというパラダイムシフトへの感度が鈍く、いまだに目を背けていること」として、現経営陣を“エレキゾンビ”という抵抗勢力なのかもしれないと締めくくっていました。

ダイヤモンドにこんな記事を書かれたからかどうかわかりませんが、昨日、ソニーはこんな発表を行いました。

エレクトロニクス成長戦略とさらなる商品開発力強化に向けた役員担当区分の再編について

エレクトロニクス事業におけるマネジメントの責任領域を一部再編し、中長期の成長戦略策定および現行コアビジネスのさらなる強化をはかるとともに、新規商品開発力や品質管理体制の強化に一層注力するというもので、中鉢氏のもと、コンスーマープロダクツ全般は副社長の井原氏が、半導体・コンポーネント領域は現執行役EVPの中川氏(10/1に副社長に昇任)がそれぞれ担当。また、研究開発と新規事業開発機能を、中鉢氏の直接の指揮のもと、本社に集中するとか。

我々一般消費者に身近なコンシューマ製品に関しては井原氏が全権を握ることになるようです。中鉢、中川両氏は少し奥に引っ込んだ感じなんでしょうか。にしても、井原氏は大変ですね~。テレビ、ビデオ事業、オーディオ事業、コネクト事業、バイオ事業、デジタルイメージーング事業全てをコントロールしていかないといけないわけで…。ただ、コンシューマー製品全般担当ということで、今以上にメディアへの露出度も高まるし注目も集まりますね。井原氏がこの重要な局面を乗り切れれば、次期社長への昇格もありえそうですね。

社長といえば、ヒジカタさん(=ふふふさん)がソニー絡みでこんなコラムを書かれていらっしゃいます。(お知らせ感謝です!)

いま、ソニーに足りないもの

今のソニーに足りないものは「カリスマ経営者の不在」とのこと。井原氏にカリスマ性があるのか、自分は正直よくわかりませんが、今回の役員担当区分の再編により、ソニー側が意図的に井原氏にカリスマ性を持たせようとしているという見方もできるのかもしれませんね。全社的なベクトルを集中させ求心力を高めていかないといけないぐらい、まだまだソニーの内部はバラバラなんでしょうかね…。


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