「いーレコ2」は素性のいーレコーダーなのか(その1)

遅くなりましたがハギワラシスコムさんの「いーレコ2」のプチレビューです。いや、その後ですね、色々と検証してみたんですけど、結論を先に言うと、癖のあるというか、悪く言うと結構いい加減なキカイだなあというのが正直な感想でした。自分が購入したロットだけがそうなら良いのですが、そうでないならチト問題というか…。MP4でライブラリー作りを真剣に考えていらっしゃるような方にはあまりお薦めできないかなあ…。

その辺のことは後で説明しますので、まずは外観やら使い方を簡単に紹介しておきますね。ちなみに、購入したのは札幌市内のベスト電器で価格は税込9,980円。5/1頃の新聞の折り込みチラシに5/3発売と書いてあったのを見て午前中に駆け込みました(<法要が終わって速攻物欲発散かよ!というツッコミは無しで…)。そういえばAmazonではまだ取り扱っていないんですかね。前の機種の情報はあるんですが、新製品がいくら検索しても見つからないのですが…。それはさておき、

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上左の画像がパッケージ外観です。中身はいーレコ2本体、電源アダプタ、RCAケーブル×1、USBケーブル×1。真ん中の画像がいーレコ2本体。大きさは表面積でクリエTH55ぐらいで、厚みがNX80Vぐらいです(ってどんなたとえやねん)。画像は載せませんが本体のコンパクトさとはうらはらに電源アダプタは大きめです。右の画像は本体にRCAケーブルと電源アダプタを接続して、メモリースティックDuoをスロットに挿入した状態です。なお、電源ボタンが赤の点灯で電源オフ状態です。ご覧いただければおわかりの通り、メモリースティックは約半分ほどスロットから飛び出します。ソニー製品のようにメモステが飛び出すバネ機構や防塵カバーなどは一切ありません。なので、メモステは普通に引っぱって取り外します。

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本体の操作ボタンは4つ。左下から電源、録画/停止、シンクロ、画質設定となっています。蛇足ですが、ボタンの形とLEDの色がどことなくコルグのM1っぽく感じました(わかる人にはわかるはず…)。さておき、右下のLEDは上の3つが画質設定を示すもので、左からH(高画質:768kbps/30fps)、M(通常:384lbps/15pfs)、L(ロング:192kbps/15fps)。下の3つがメモリースティックの残量を示すもので、全部点灯で残量60分以上とか、全部点滅で残量3分未満とか、3つのLEDの点灯点滅の組み合わせで残量を把握できるというものです。ちなみに、1GBのメモステDuoで高画質モードなら約2時間録画可能だそうです。

実際の録画ですが、ステップは単純明快。テレビやビデオのAVアウトといーレコ2をRCAケーブルで接続して、メモリースティックDuoがスロットに挿入された状態であれば、

1.電源ボタンを押す(LEDは緑点灯)
2.画質設定ボタンで画質を決める(H、M、LのいずれかのLEDが点灯)
3.録音ボタンを押す(LEDは赤点灯)

これだけで録画が始まります。なんともアナログで、昔のエアチェック体験さながらです。テレビをリアルタイムで録画するも良し、ビデオと繋いで録画してある番組を録画するも良しです。当然のことながら録画は実時間必要ですので、録画を終了したい場合は電源/停止ボタンを押して録画を終了します。

なお、少しでも楽をしたいという人向けにシンクロ録画機能があります。本体の電源が入った状態でシンクロボタンを押すと、録音ボタンが点滅して待機状態になります。この状態でRCAケーブルの信号を検知すれば自動的に録画が開始されます(録画開始後、LEDは赤点灯に。シンクロ録画終了後再び点滅になります)。

がしかし、この機能は接続するハードに依存する機能なので必ずしもうまく使えるとは限りません。ちなみに、我が家の東芝RD-X5の場合は、予約録画を設定すると指定時間の10分前に本体が起動して慣らし運転を始めるので30分番組を録画しようと思うと10分多い40分番組として録画されてしまいます。しかもアナログWチューナー搭載なので、裏番組が30分長い場合などは本体の電源が切れないため延々と録画が続いてしまいます。

また、液晶ベガの場合ですが、iLinkで繋いだIOデータのHDDレコーダーにベガ本体から録画予約した状態で、なおかつベガの電源がオフの場合はシンクロ録画が可能でした。ベガの場合は録画までの待機時間が少ないのでほぼオンタイムで録画できて、メモリも無駄に消費することはないです。反対にリアルタイム録画したい場合は、少々面倒なことになります。リアルタイムで視聴している番組を録画したいなら、そのまま録画ボタンを押せばいいのですが、iLinkのHDDレコーダーで裏番組を録画している場合はAVアウトは裏番組を優先するのです。これもWチューナー搭載であるが故の症状です。

ちなみに、液晶ベガ経由では、地デジ、BS、CSのハイビジョン放送も問題なく録画できました。といっても、所詮はアナログ信号の録画なんですが…。しかしながら、録画ファイルがPCなどを経由してコピーできちゃう事など含め、できることとしてはいけないことの境界が非常にグレーなのではなかろうかと感じましたです。録画データに癖があることを含め、その辺については後述します。

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まあ、そんなこんなで苦労はあるのですが、メモステに録画できてしまえばあとは楽しむだけ。画像は前後してますが、PSPにメモステを入れて普通に再生できますし、新機能のUSB対応でPCに接続してカードからデータをコピーしてiPodに転送することもできます。なお、PCにいーレコ2本体をUSB接続した状態では録画機能は働きません。単純にリーダーライターとして機能するようです。ちなみに、電源アダプター無しでも動作しましたが、USBハブへの接続は推奨されていません。自分もMac miniのUSBハブ経由で試したところ、給電不足で電源が落ちまくりました。

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録画ファイルは、「M4V00001.MP4」からスタートして、複数番組録画をする場合は下一桁が加算されていきます。メモステを初期化した場合は再度「M4V00001.MP4」になるようです。また、サムネイルも作成されず、ファイル作成日が2006/4/1 0:00に固定されています。PSPだと「-(ハイフン)」が表示されるのみですが再生には何ら影響はありません。大容量のメモステの場合ですとどれがどれだかということになりますが、仕様なのでしようがないですね(<おっ)。

ちなみに、クリエVZ90でも何の問題もなく認識して再生できました。もちろんメモステアダプターは必須ですが、メモステDuo対応のCFカードアダプタがあれば2枚のメモステを同時に運用できて良いかもしれません。


とまあ、ここまでお読みいただければ、使いこなしに工夫は必要だけど、値段の割には結構使えそうじゃないかと思われる方もいらっしゃることでしょう。いかんせん、録画データにチト問題ありなんですよ。しかも、アナログ放送もデジタル放送も関係なく…。まあ、気にならない人は全然気にならないのかもしれませんが、自分はちょっと許せないかなあって感じです。その辺のことについては、長くなったので次回に…。