4/19のつぶやき~「ソニー本社六階」読みました

sony6f.jpg昨日、leavileさんからご紹介いただいた「ソニー本社六階」が地元の書店にあったので購入、昨日のうちに読み終わりました。

著者の竹内さんは、冒頭、この書籍に関して、医者から「ガンの疑い」をかけられたことで自分のサラリーマン人生を総括しておくために書いた体験記を元に編集されたものあり、「元いた会社の内情を暴露したり、ことさらセンセーショナルに書き立てる意図を持ったものではない」と断りを入れていますが、ソニーファンの自分が読んでも充分センセーショナルな内容でした。

実際のところ、竹内さんがソニーに在籍していたのは1988年の新卒入社から2000年の秋であり、その時代に起こったことが中心に書かれていますが、先頃起こったソニーショックや経営者刷新人事に至る経緯が充分推測できるような事実に、ファンのひとりとして驚きととまどいを感じずにいられませんでした。


読み終わってふと感じたことは、ソニーという会社はあの大ヒット映画「マトリックス」の虚構の世界そのものなんだなということ。ソニーを離れ転職した竹内さんに元米ソニー幹部が送ったメッセージが、「Welcome to the real world」だったというのもそう感じさせた要因です。

そして、ここに書かれていることがすべて事実だとすれば、歴代経営者のO氏(って書かれてますが誰でもわかるってば…)の院政経営がすべてを台無しにしてしまったということになりそうです。きわめつけはコロンビア・ピクチャーズの買収にまつわる話。トカゲのしっぽ切りに使った金のせいで、無借金経営が大借金経営に逆転。その時の借金がいまだに尾を引いているということらしいです。

Oさんに対する印象が随分と変わってしまいました。書かれていることが事実なら、ある意味ソニーを今の状況に追い込んだ張本人でA級戦犯と言われてもおかしくないですから。そういえば、ストリンガー氏も盛田さんを引き合いに出すことはあってもOさんの名前を出すことはなかったような。スパイダーマンがここ数年のソニーを救っているということも因果な話ですけどね…。

社員がこの本を読んでこんな会社辞めてやるなんてことが起こらないことをファンとして祈るばかりです…。