昨日、ソニーの新NETJUKEの発表がありました。ドタバタしていたこともあって、出先でプレスリリースを元にエントリーを書きましたが、今日は少し落ち着いたこともあってメディアのニュースやらプレスリリースに改めてじっくりと目を通しました。昨日はさっと目を通しただけだったこともあって、パソコンだけでなくシステムコンポが携帯オーディオプレイヤーの母艦になる時代の到来だ、などと喜んでいたんですが、仕様をよく見てみるとソニーが自ら敗北を認めたはずの悪しき習慣が多く継承されているではありませんか。
Connectカンパニー設立前から開発が始まっていたのでしょうが、MP3の対応も再生のみのようですし、メモステにいたってはPRO未対応なので、使えるメモステが新ノーマルメモステの128MBまでに限られてしまいます。ATRAC3もplusじゃなくて、ATRAC3(132/105/66kbps)に対応というちぐはぐさ。HDD/MDウォークマンで256kbpsのATRAC3plusを使っている人も結構いるはずなのに…。テレビモニターで管理画面表示ができるようになったとかで、楽曲管理やエニーミュージックが利用しやすくなったみたいですが、その他の新機能も取り立てて目新しくもなく、どうせテレビと繋がるならスゴ録やらPSXといったハイブリッドレコーダーにNETJUKEの機能をそのまんま入れ込んでしまった方が使いやすいのではないかと思いました。リリースをみる限り、iTunes的な多彩な再生機能もないようだし、新たな音楽体験を提案するようなことも特にないみたいだし…。機能の割に価格も高めに感じてしまいました。
で、高いと言えば、NETJUKEと同じく昨日発表されたBOSEの新製品「LS-48」。
ボーズ、HDDを内蔵した50万円のシアターシステム
これはAV Watchの記事ですが、自分は昨日が発売日だったAV REVIEW 2005年3月号で知りました。この製品が表紙を飾り特集記事も組まれていたんです(本当はDTSのデモディスクが付録に付くということで購入しただけなんですが…)。で、この製品、HDD搭載のトータル・オーディオ&ビジュアルシステムで価格も499,800円と桁外れですが、世界初というインテリジェントミュージックシステム「uMusic」という機能を搭載しているらしいのです。HDDに取りためた音楽の中からユーザーの嗜好に合わせた選局をシステム側で行ってくれるんだそうです。価格も飛び抜けていますが、その分ちゃんと新しい音楽体験を提案しているところが興味深く、これで携帯オーディオプレイヤーの母艦機能があったら言うことないと思っていたら、アップルとのパートナーシップについても検討されていて、iTunesとuMusicがリンクするようになるらしいのです。LS-48はDVDプレイヤー機能も備えているので、それらの機能を省いたローコストのオーディオ専用機などが登場するとこれまた面白いことになるかもしれません。
今回、同じ日に発表されたNETJUKEとLS-48。比較すること自体間違っているかもしれませんが、混迷を深める昨今のソニーのオーディオ製品群に対して、BOSEが提案する新次元の音楽体験がものすごく新鮮に見えたんですよね。ソニーは、まあ、映像に関してはHD推進とかで頑張っているようですけど、オーディオに関しては後手なイメージがつきまとっていて、まだしばらくはそれをぬぐい去れそうにありません。コネクトカンパニー設立効果も早くても今年の秋以降みたいな話ですが、ソニーもやればここまでできるというような革新的な製品を作ってくれるであろう、という希望的観測を持ちつつもLS-48を購入するためにどうすべきかを検討し始めたりする自分がいたりいなかったり…。
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