「テレビ・ビデオレコーダー」カテゴリーアーカイブ

ストリンガーCEOはハードエンジニアとソフトウェアエンジニアの仲人

ソニー、ストリンガー会長が会見。「BDこそが最高」-「クリエイティブ分野に投資する時期に」

ソニーのストリンガー会長兼CEOが12/11に品川本社で開催した記者会見の模様がレポートされています。2007年の業績について、エレクトロニクス事業は特に第2四半期の飛躍的な成長を遂げ、上半期の営業利益率が7%に近づいているなど、好調さをアピール。Blu-ray Disc、DMP、有機ELテレビ、Rollyといった、“ワクワクする”新製品を投入できたことを強調。年末商戦もこれまでのところは好調で大幅な販売増を予想しているそうです。以下、個人的に注目したコメントを箇条書きで引用させていただきました。

・ソニーの全体を包むムードもより明るく、より強くなっている。イノベーションを引き出す大変いい雰囲気が出ている。これこそが待っていたもの。ただし、改革を急ぎすぎてはならない
・競争力を維持するためには、タフであることが重要。創業の段階から、井深氏も、盛田氏がタフにやり続けてきたが、その事実を忘れてしまいがち。タフであることは正直さ、率直さの現れ。果敢に取り組んでいく
・ソニーにとって、有機ELは象徴的な製品。驚異的なイノベーションを体現したものであり、初めて見ると、とにかく感嘆の声が出る。ソニーが誇れる技術
・Blu-ray Discこそが最高の画質を提供するものであり、著作権保護でも最も確実。容量も大きく、映画も一番面白く、最高のタイトルがある。Blu-ray Discこそが消費者に選ばれるフォーマットであると確信している
・ソフトウェアエンジニアが全体プロセスの初期段階から参画する体制が整った。すべての製品グループのなかで、ソフトウェアアーテキクトが確固たる地位を持つようになった。多くの製品が、シームレスにつながるような提案ができるようになったのもソフトウェアエンジニアの努力によるところが大きい
・私の重要な仕事は、若いソフトエンジニアを、勇気づけること。既存のハードエンジニアと新たなソフトウェアエンジニアの双方の才能を融合することで、Sony Unitedを実現し有効に作用した。いまは、両者は熱心に付き合っている男女のようで、好意と情熱を持っているが、まだ結婚はしていない。近く結婚することになる

改革は確実に進行しており、結果となって現れ始めたと。また、懸念だったソフト力もついてきて徐々にだけど花開きつつあると、そういうことのようです。ハードとソフトの連携で最もやり玉に挙がるのがウォークマンとiPod。先日のこちらのエントリーに反応してくださったponioさんからこんなお便りをいただいています。

ipod touchがここまで売れることを示してくれたAppleの功績は大きいですね。昨日2chで面白いスレがあったので読んでみてください。やっぱりすごいとおもったレスがハードウェア(iPod)、ソフトウエア(iTunes)、オンラインサービス(iTMS)の三位一体の緊密な連携そのものを商品として提供というところですかね。あとはGUIもすばらしいですし。散々議論されていることなんですけど面白いですよね。自分は財布硬いほうなんで5Gipodと初代PSPで音楽と動画を楽しんでいるんですが、やはりPSP2には相当妄想して期待していたので理想のPSPを考えれば考えるほどUMDイラネってなっちゃいます。もうそろそろ独自規格には懲りてすばらしいソニー製品がどんどん生まれてきそうな気がするんですけどねぇ。ただ自分の理想を求めるとどうしてもウォークマンとPSPが重なってしまうのでそれを叶えてくれるのがipod touchなのが悲しいやらうれしいやらです。ハードウェアだけの時代は終わったことをアップルがこれでもかと示してくれているのでまずはソニーから続いて他の日本の企業もがんばってほしいです。この結果を見れば携帯電話もどんなものがヒットするのか分かると思うのですが日本の携帯電話の革命もアップルに期待するしかないのですかね。でもソニーにももちろん期待していますよ。最近のソニーは何かやってくれるような気がしてなりません。
いつも楽しい記事をありがとうございます。応援してまーす!

ご意見感謝です!touchもハード的には細かいところでツッコミどころはあるんですが、それすらソフトとサービス抜きに語れないほど、どれもがシームレスに連動しているのがすごいですよね。おそらく、ソニーファンの思いはponioさんと同じだと思います。やっぱり、ソニーは切り込み隊長じゃなくちゃですよね。ストリンガー氏がおっしゃってますが、この数年でソニーは色々な意味で相当タフになったはず。どこかだダメでもどこかがちゃんと結果を出していますしね。ホント、これからだと思います。今はテレビやBDなどにフォーカスが当たってますが、来年以降、個人的に好きな小さいモバイル系の商品が盛り上がってくれると嬉しいなと思っておりまーす。

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オール印刷の有機TFT基板でフレキシブル電子ペーパーを駆動・・って何?

【IDW】凸版印刷とソニー,“オール印刷”有機TFT基板で10.5型VGAのフレキシブル電子ペーパーを駆動

凸版印刷とソニーのグループがオール印刷プロセスによる有機TFT基板で10.5型VGAのフレキシブル電子ペーパーを駆動することに成功したそうです。駆動したのは10.5型VGAのマイクロカプセル型電気泳動ディスプレイで、導電層や有機半導体層を形成するため、新たな印刷法を開発しているとか。

ん、電子ペーパーが印刷で作れちゃうってこと?で、そのペーパーを使ってリブリエのような電子書籍リーダー作るみたいな事?ああ、わけわからん・・・。5月のリリースでは「プラスチックフィルム上の有機TFT駆動有機ELディスプレイで世界初のフルカラー表示を実現」したとのことですが、そういう装置の制作がこれからは全て印刷で可能になると、そういうことなんですかね。なんだかよくわからないですけど、とにかくすごいことなんでしょう・・・と、あやふやなコメントで終わります。

無理矢理の有機つながりですが、ソニスタで12月中旬とアナウンスされていた有機ELテレビ「XEL-1icon」の受注が昨日の午後から再開したようです。一日経った本日(12/8)の午後現在でも在庫はあるようです。年内にゲットしたいという人はお早めに~っ!

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デザイナーを本気にさせた有機ELテレビ「XEL-1」

Feature Design : Organic Light Emitting Diode TV:XEL-1 (Sony Japan|Sony Design)

Sony JapanのSony Designサイトで有機ELテレビ「XEL-1icon」が取り上げられました(お知らせ感謝です!>ken_miyoshiさん)。本体のデザインを担当したクリエイティブセンターの横田さんとGUI担当の佐々木さん、パッケージをデザインしたソニークリエイティブワークスの原さんが登場し、それぞれが担当したデザインへのこだわりを熱く語っておられます。

iconiconこれほどパッケージに凝ったのは、ソニーのテレビでも初めてだそうです。それもこれも「オーガニックパネル」の力とか。有機ELパネルにはデザイナーを本気にさせるパワーが秘められていたんですねー。しかしながら、限定パッケージは日本国内の初回出荷分のみ。今月中旬に予定されているソニスタでの販売はもう初回じゃないんですかね・・・。

それはそうと、XEL-1絡みでちろるさんからこんなお便りをいただきました。(感謝です!)

こんにちは。毎日楽しみに拝見させてもらっております。私は現在バンコク駐在で本サイトを見ながら日本に帰ったらあれも買おう、これも買おうと想像ばかりしています。その中で今一番欲しいのが有機ELテレビXEL-1です。一度画面を見てみたいと、先般日本出張の際、家電量販店で探してみましたがありません。あきらめて帰国の途についたところ、なんと成田空港のJALファーストラウンジのファミリーマッサージチェアの横のテーブルにソニーの有機ELテレビXEL-1が置いてあるではないですか。チェアが5,6台あり、全てのチェアの横テーブルに置いてあります。一度にこんなにお目にかかれて感動ものでした。世界遺産DVDの紹介ビデオらしきものを流していました。静かでリラックスする空間に最適のテレビです。マッサージチェアとセットで欲しくなりました。

あらら、量販店で無かったですか?自分は一昨日、池袋の量販店に少しだけ立ち寄ったんですが、そこには2台展示されてましたけどね・・・。と、それはさておき、量販店の店頭展示だけじゃなくてJALのファーストラウンジのような場所でも使われているんですねー。これもプロモーションの一環なんでしょうか。

ちなみに、ちろるさんがおっしゃっているように、XEL-1ではBlu-rayはともかく、DVDビデオが意外にキレイなんですよね。PS3のアップスケールで見ているのもあるのでしょうが、ブラウン管並にコントラストが高いからなのでしょうね。ヤザワさんがおっしゃるように液晶テレビではSD画質はつらいけど、XEL-1でのDVD鑑賞は意外にキレイだし、過去の資産をいかせるという意味でオススメです。

ヤザワさんといえば、泉麻人さんがこんなコラム書いてます。ヤザワさん自体が“もったいない”使われ方をしているということなんでしょうかね・・・>【CM】ヤザワをもっと大切に

【追記】ponioさんから「スタパさんがXEL-1の分かりやすーいレビューをしていました」とお知らせいただきました。ありがとうございます。一応、こちらで追記扱いで取り上げているのですが、わかりにくかったですかね。すいませんですー。

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小寺さんとMさんのロケフリ Home HD 体験レポート

どこでもハイビジョン、ソニー新ロケフリ「LF-W1HD」~ 新展開を見せる「ロケフリ Home HD」コンセプト ~

小寺さんの週刊「Electric Zooma!」にロケフリ Home HD「LF-W1HDicon」が登場。ハイビジョンのワイヤレス伝送で、テレビライフがどう変わるのかを的確にレポートしてくださってます。STBやHDCP対応PCモニタとの組合せについて言及していることにも注目です。

PCモニタとの組合せについては先日の対談で話をしましたです。実際に自分もトライしましたので、詳細は後日レポートしますね。

iconiconそれと、ご紹介が遅れましたが、ロケフリのオフィシャルサイトに「家中どこでもハイビジョン」の実例として、ロケフリHome HD『LF-W1HD』の体験レポートが掲載されています。2階リビングがある一戸建てにお住まいのMさんは1階の寝室のテレビに「LF-W1HD」を接続。その設置や設定の容易さが評価されています。

XEL-1搭載の有機ELパネルの剛性は想像以上に高い

日経BPのTech-On!の有機ELテレビ「XEL-1icon」バラシ記事がどんどん増えてます。

【有機ELテレビ分解その6】表示部をさらに分解,有機ELパネルを詳細に見てみた
【有機ELテレビ分解その7】台座部を分解,Cuの塊を発見
【有機ELテレビ分解その8】メイン基板は「黒い石」が隙間なく実装されていた
【有機ELテレビ分解その9】Ethernetコネクタに注目してみた

iconicon有機ELパネルの剛性は想像以上に高いとか。台座部のメイン基板全体を覆うCuの塊が放熱ユニットだそうで、ここまで入念な放熱対策を施したテレビは珍しいようです。また、メイン基板表側には二つの大きなLSI、NECエレの「D61162AF1」とソニーの「CXD9903GG」、が実装されているそうです。

ウォークマンA800シリーズもそうですが、NECエレがソニー製品の心臓部を担うパターンが多くなっているんですねー。あと、これだけ色々詰まってるとロケフリ用の回路を組み込むのはさすがに難しいのかな。ま、そういう製品を作るなら当然筐体デザインも変わるのでしょうけどね・・・。

ロケフリ Home HD 体験レポート~有機ELテレビ「XEL-1」との組合せ編

iconiconロケフリ Home HD (LF-W1HDicon)の体験レポートも3回目。今回は有機ELテレビ「XEL-1icon」との組合せについてレポートしたいと思います。寝室のBRAVIAに繋いでいた受信機を自分の部屋に移動。前回同様の手順でHome HDの受信機をHDMIケーブルでXEL-1に接続後、電源を入れるだけで使い始められました。送・受信機間はおそらく直線距離で6~7m程だと思います。

準備編の間取り図をご覧いただければおわかりの通り、送信機が置いてあるリビングと自分の部屋の間には、寝室と違って障害物となる壁やドアが多いのですが、それでも非常に安定した伝送が行われているようです。右下の画像はロケフリの使用時に、リモコンの「リモコンガイド」や「レート変更」ボタンを押すと表示される受信感度アイコンです。ケータイで言うところのバリ3です。また、廊下のドアと自分の部屋の開き戸を閉めた状態で試してみたところ、感度は一段階下がったものの、画面が乱れる、つまりは伝送がとぎれるようなことは一切ありませんでした。

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ところが、これがロケフリ旧製品である「LF-X1」だと結構厳しいんですよね。かなりの頻度で画面がブラックアウト、つまり伝送がとぎれることがあります。ところが、Home HDの場合は、自分の部屋で使い始めてから何日も経つのに、今の今まで一度も伝送がとぎれたことはないんです。それほど、Home HD搭載のセクターアンテナが優秀ってことなんでしょうね。

lfhhd_10.jpgXEL-1で見るロケフリHome HDの絵は、BRAVIAの時と同様、個人的には十分すぎるクオリティ。有機ELパネルの優秀さもあるでしょうが、画面か小さいこともあって、詰まった感じに見えるのも関係しているのかもしれません。ちなみに、HDMIケーブルで接続した場合のHome HDの映像信号は1125i(1080i)でした。また、ソニー製品同士の組合せということもあり、BRAVIA同様、Home HD付属リモコンの設定を変えることなく、電源のオン・オフやボリューム操作ができるのも良いです。

ところで、自分は今回のレポートの前置きエントリーで、ロケフリ Home HDは有機ELテレビと非常に相性がよいと書きました。実際、上に書いたようなロケフリそのもの使い勝手はBRAVIAでもXEL-1でもそう変わりありません。言い換えれば全く同じ使い勝手だとも言えます。が、しかし、しかしです。XEL-1ぐらい小型になると、テレビとそれを使う人の関係みたいなものが変わってきます。

こちらの記事で紹介しましたけどXEL-1開発者の酒井さんは、「人がテレビを中心に動かされているという生活スタイルを有機ELを使うことで変えたい」と語っていらっしゃいました。そんな思いから生まれたXEL-1の思想はまさにロケフリの考え方そのもの。さらに、酒井さんは有機ELパネルを使えば人間の生活にあわせられる動的なテレビを作れるとして、一例としてロケフリという選択肢もあるかもしれないと語っておられます。

iconiconXEL-1は画面サイズが11インチの軽量でコンパクトなテレビで、地デジアンテナも内蔵されています。場所に縛られずにハイビジョン放送を楽しいんでもらいたい、という思いがなければアンテナが内蔵されることも無いですよね。ただ、地デジの電波を、それも家の中で安定して受信できるような環境はなかなか手に入るモノではありませんし、実際に構築するのも大変です。

そんな時にこそ、ロケフリ Home HD。

って、どこかのクスリのCMみたいですね。XEL-1でテレビを楽しむには有線のテレビアンテナもしくは内蔵アンテナを使う必要がありますが、ロケフリ Home HDの受信機と組み合わせれば、外部機器がチューナー代わりに使えるのでアンテナ線が一切必要ありません。ロケフリの電波が届く範囲なら、どこでも手軽にハイビジョン放送が楽しめるということになります。

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実際は、テレビと受信機以外にそれぞれのACアダプターとHDMIケーブル、そしてリモコンも必要なのでそう単純な話ではないのですが、これをBRAVIAの20インチでやろうと思うと結構大変なことになります。ということで、XEL-1の中にロケフリの受信機機能が内蔵された時に真の動的なテレビが生まれるんじゃなかろうかと思うわけです。

と、ここまで書いて気がつきました。それってロケフリ「LF-X1」のハイビジョン版じゃんかと。ベースステーションと専用モニターがあらかじめヒモ付けされ、ひとつのシステムとしてエアボードブランド時代の最後を飾ったのがLF-X1でした。受信機としての機能がモニター自体に内蔵され、しかもバッテリーで動いて、バーチャルリモコンまで使えるんです。これほどの動的なテレビが他にあるでしょうか。

XEL-1のあの筐体サイズにデジタル放送のチューナーが詰め込まれているのなら、ロケフリのシステムとバッテリーを入れるのもそんなに大変じゃないですよね…(<簡単に言いすぎ?)。大型化が望まれるソニーの有機ELテレビですが、スタパ齋藤さんがおっしゃるような小型で高画質のテレビへの取り組みもさることながら、ロケフリの受信機機能を内包した新ジャンルの商品にも果敢にチャレンジして欲しいなと、XEL-1とHomeHDの組合せを使ってみて思いました。