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ずばり言うわよ、ご意見番がソニー中期経営方針を斬る

昨日発表されたソニーの中期経営方針について、ソニー内部にも詳しい識者の方々が意見しています。
最初はソニースピリットはよみがえるかの著者である大河原克行さんのコラム。

ソニーの中期経営計画、すべては想定内に収まる

技術者を本気にさせることができない、そして収益のとれないクオリア事業からの撤退は当たり前なのである。クオリアは、その存在によって目指した技術者の意欲向上という本質的な目的を達成できずに終焉を迎える可能性が高い。

中鉢社長は、立ち寄った場所で、時間が許せば、ビルの上から下まで回り、ソニー社員の声を聞くということをやっていたようだ

MDR-EXQ1を買えた人はラッキーなのかアンラッキーなのか…。ちなみに、本当に音がよいのかいまだに自分には疑問です…<EXQ1。そういえば、新ウォークマンを逆さに持たなかったのは中鉢さんだけでしたね…(詳しくは下で)。

次は、ソニー関連の書籍を多数執筆している麻倉怜士さんのコラム。昨日のエントリーに関連リンクとしてとりあげましたが再度こちらでも。

新しい方向性欠く、ソニーの新経営戦略――by 麻倉怜士【コラム】

「モバイルエンタテインメントの追求」については、そもそも「モバイルのソニー」だったはずであり、なぜアップルに負けたのか真摯な姿勢を持って立ち向かわないとならないのに、その展望が見えない

金融事業を完全に手放し、ソニーが本格的にものづくり路線に戻るなどの決断が欲しかった。なぜ、ものづくりのソニーが金融をやらなければならないか。ものづくりに金融事業がどれほどプラスになるのか、具体的で明確な説明ができないのなら、それこそ撤退すべきだろう。その意味では、ソニーが否定したと聞いている9月16日付け日本経済新聞朝刊のスクープは、新しい方向を打ち出したと見るべきだ。そこまでやらないとソニーが本格的なメーカーとして新しい命を吹き込んだというインパクトは、ない。

新ウォークマンのインテリジェンス性は麻倉さんの心を全くとらえていないようです。また、飛ばしと揶揄された日経のニュースですが、こういう見方もあるんですね…。

また、下記の2つのニュースでは、経営陣が新ウォークマンを逆さに持っている画像が掲載されています。一つめはストリンガー氏と大根田氏。二つめは大根田氏のみ。また、後者のニュースでは、ソニーグループのiTMS参入に関する問いへの答えが載ってるところにも注目。

ソニー再生計画 – 1万人削減、不採算の15部門は撤退、縮小を検討へ
ソニー、10,000人の社員削減を含む中期経営方針を発表

昨日のつぶやきに追記しましたが、新ウォークマン逆さ事件は衝撃でした。安藤氏の一件で相当叩かれたのに今回もこれでは…。こういう時こそ、慎重にならなくてはいけないのに何を考えているのでしょうか。これじゃあ、開発陣も報われませんね。

「50年代の曲ばかり聴いている」場合ではないですよ、ストリンガー会長!

ソニー、中期経営方針を発表~カンパニー制は廃止

ソニーグループ 中期経営方針(2005年度~2007年度)(Sony Japanのプレスリリース)

ソニーは2005年度~2007年度の中期経営方針を正式に発表しました。エレクトロニクス、ゲーム、エンタテインメントの三つをコア事業と位置づけ、競争力向上と経営体質強化に向け以下の施策を実行。とりわけ、エレクトロニクス事業の復活を最優先課題として、機構改革を実施、構造改革と成長戦略を推進することにより、2007年度に連結営業利益率5%(エレクトロニクス4%)、連結売上高8兆円以上のグループ企業になることを目指すとしています。

・改革の重点項目はエレクトロニクス事業の組織の大幅改組で、重要分野の意思決定権限をエレクトロニクスCEOに集中。
・現行のカンパニー制は廃止し、各事業本部が相互に連携しながら、それぞれの事業領域に集中できる体制を確立。
・商品戦略、技術、資材調達、生産、販売・マーケティングの重要領域においては、横断的な連携の仕組みを強化し、製品分野を超えた意思決定の迅速化、全体最適化を図る。
・共通ソフトウェアの開発、設計や商品開発での重複の排除、研究開発投資の効率化を実現。
・構造改革により2007年度末までに2,000億円のコスト削減を実現。
・不採算事業・非戦略事業の収束、モデル数の削減、製造拠点の統廃合などを軸に推進し、全世界で1万人のグループ人員を削減。
・保有する不動産や株式、非戦略資産等を見直し、2007年度末までに1,200億円相当を売却。

また、成長戦略においては、エレクトロニクス事業のリソースをHD関連商品群、モバイル商品群、およびこれらの商品の差異化につながる先端半導体、デバイスの開発・製品化に集中的に投入し、競争力強化と収益性向上を目指すほか、Cellプロセッサを活かした新しい技術、商品、アプリケーション開発を行うための組織をCEO直轄組織として新設するとしていました。

個人的に目にとまったのは以下の内容。

エレクトロニクス事業の成長戦略
2.インテリジェントにつながる製品群への集中

デジタルAV機器が通信・ネットワーク環境下で活用される中、新しいアプリケーションの提案が可能となります。具体的には、個人のコンテンツを個人で楽しむだけでなく、ネットワークを介してコンテンツを共有し、感動を共有すること、自動的に個人の嗜好に基づきコンテンツをアレンジすることなど、様々な楽しみ方の用途が今後拡大していきます。これを新たな成長領域と捉え、ネットワークとの親和性を高め、「共感」=「感動を共有する」商品・アプリケーションを強化していきます。

グループ融合戦略
「モバイルエンタテインメント」の追求

携帯型オーディオ領域でのリーディングポジションを確立するとともに、今後音楽のみならず映像、ゲーム、書籍などのコンテンツがネットワーク上に展開していく中で、ウォークマン、携帯電話、プレイステーション・ポータブルなど操作性の高いモバイル機器とアプリケーションソフト、豊富なコンテンツを備えたサービスを開発し、ソニーグループの総合力を活かしたビジネスの立ち上げを目指していきます。

ソニーファンのひとりとして、有言実行を期待しております。なお、リリース内では「15の特定ビジネスカテゴリーを抽出し、収束、縮小、他社とのアライアンス、事業売却などを実行します」と書かれているだけで、具体的な事業名は出ていません。噂のロボット事業やQUALIAビジネスからの撤退についてはメディアの報道などで明らかになると思いますので、関連ニュースとして適宜追加していきたいと思います。

また、同時に発表された2005年度連結業績見通し修正で2005年度の営業利益が300億の黒字から一挙に200億円の赤字になることが明らかになりました。構造改革費用の増加原因の一つに、「日本を中心とした早期退職費用の追加」があげられていますが、ある意味、優秀な人材の流出が相当数行われたと見ることもできるわけで、今後の同社の業績回復が一筋縄ではないことも予想できますね…。

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ソニーディーラーコンベンション視察リポート(5)~まとめ編

ソニーディーラーコンベンションリポートも最終回。そろそろ記憶も薄れつつありますが、書き忘れていたことがあったので補足的な意味でバラバラとご紹介。

■当日の配付資料について
自分がSMOJさんからご招待いただいたのは16日(金)で、この日はいわゆる特約店を対象にした招待日でした。翌日土曜日は抽選によって選出されたソニーカスタマーの招待日だったのですが、来場対象の違いから展示内容や配付資料に違いがあったようです。16日は受付で特約店向けにファイリングされた新製品カタログが配布されており、実際は一般消費者である自分もこの資料をもらうことができました。なので、見落としてしまった製品に関する情報もこのカタログで把握することができました。また、このカタログは特約店向けなので商品開発意図や売りの機能、さらには製品戦略なども記載されており、資料性がとても高いのです。カタログはバインダー形式になっており、一番上にきていたのがパーソナルAVの製品カタログ、そして新ウォークマンのカタログは別立てでポケットに入っていました。やはり最初に目にとまる場所に持ってくるということは、一番力を入れているということなんでしょうね。
ちなみに、パーソナルAVのカタログでは、冒頭基本戦略について書かれており、第一にデジタルオーディオプレイヤー市場における商品力強化、二番目にMD/CDウォークマンを始めとする成熟マーケットでの商品力強化、そして三番目に市場創造としてPC無しで音楽を楽しめるNetJukeの新製品投入を掲げていました。以降は、ホームビデオ、ホームオーディオ、デジカメ、メモステ、と続いていますが、印象的なのが一番最後にきていたAVペリフェラル、つまりは周辺機器群のカタログです。ここに掲載されている製品群は他社製品との組み合わせでも使えるものが多いわけですが、昨今のデジタルオーディオプレイヤー市場の拡大に伴い、ヘッドホンとアクティブスピーカーのラインナップ拡充が目に付きます。カタログ化されているのは既発表の製品ばかりですが、このジャンルの製品に関してはiPod様々な部分も大きいのでしょうね。なお、BRAVIAやVAIOのカタログは同梱されておらず、一般的向けのカタログが展示場内で配布されているだけのようでした。

■目にとまった参考出品、見落とした製品
参考出品と表示のある製品でメディアの報道で取り上げられていないもので、あまり目立たない場所に展示されていた製品があります。あまり詳細は書けないのですが、デンスケのフラッシュメモリ版のような製品。基本的には業務用というかプロオーディオらしいのですが、デザインといい懐かしのアナログメーター採用といい、デンスケのテイストがそこかしこに。ミュージシャン向けということもあり、録音された音のクオリティも良かったです。価格は目の玉が飛び出るような金額でしたが、これぞソニー製品という風情が感じられる一品に仕上がってました。また、反対に見落とした製品も多数ありまして、メインの展示会場とは離れた場所にあったAVペリフェラルやオーディオ視聴室関連はまったくの素通り。バイオブランドではなく、ソニーブランドのモバイル用途のマウスがあったようなのですが、すっかり見落としてしまいました。
それと、新ウォークマンの展示の端にあったMoraのプロモブースのことを書くのを忘れていました。現行のSonicStageでもMoraの画面を呼び出すことは可能ですが、Connect Player対応のMoraも同様の手法(Webブラウザを呼び出す形)で表示させているとのこと。微妙に画面構成も違っていたので、新ウォークマン独自のインテリジェンス機能から、再生履歴からお薦めの曲やアーティストを紹介してくれるのかなあと思って、連携について聞いてみたところ、今の段階ではそこまでのことはできないみたいな話でした。

■うれしかった出来事
今回、一連の新製品を実際に目にすることができたこと以上にうれしかったのが、さる業界でとても著名な方にお会いでききたこと。以前からどこかでお見かけしたことがある人だなあと思って近づいてみたら・・・、なんとライターの小寺信良さんではありませんか。クリクラ時代から今まで、小寺さんのコラムやレビューはサイトで幾度となくネタとして取り上げさせていただいていますが、こうして直接ご本人と遭遇するのは初めてで、ものすごく緊張しました。勇気を振り絞って声をかけさせていただいたところ、当サイトはご存知いただけていたとのこと。いや~、マジでうれしかったです。その場では名刺交換だけさせていただきましたが、後ほどメールまで頂戴しまして、ウォークマンビーンズがどの辺に展示してあったかまで教えていただきました。自分は見落としてしまったのですが、店舗向けの什器展示コーナーのようなところにあったみたいです。ご丁寧に教えていただき本当にありがとうございました&これからもよろしくお願いします>小寺さん

■まとめにならないまとめ
やっぱり2時間だと見落としが多く、質問したいことがいっぱいあったのに失念してしてしまったりしてダメですね。また、サイト主宰者の興味の対象が偏っているため、比較的大型の製品をちゃんとご紹介できないのが大変申し訳なく思っています。とはいえ、当サイトのコンセプトがモバイル系ですのでその辺は大目に見てやってくださいませ。視察後すでに数日が経過してしまいましたが、やはり個人的に一番印象に残ったのはロケフリベースステーションパックとNetJukeですね。全体的な印象としては、ソニー製品同士の連携がはっきりと形になって現れてきたことでしょうか。ノンPC製品のジャンルも徐々に活性化してきて面白くなりそうな予感はありました。ただ、一番気がかりなのは新ウォークマン。「人と音楽を深く結ぶ」というコンセプトは素晴らしいとは思いますが、理想と現実がうまくかみ合っていない感じが強かったです。ソニーの空回りにならないことを祈りつつ、コンベンションリポートを終わりたいと思います。

(そういえば、クリエはどこにも展示されてなかったなあ。当たり前といえば当たり前なんでしょうけど、一抹の寂しさはぬぐえませんでした。)

ソニーディーラーコンベンション視察リポート(4)~その他編

いきなりその他ですいません。

■ディスプレイ・スゴ録・ハンディカム・ホームシアターシステム
今回のコンベンションは、入場登録後に特設シアターでプレゼンテーションを見せられた後に展示会場に入場できる仕組みだったのですが、そのプレゼンテーションの主役だったのがテレビの新ブランド「BRAVIA」。テレビの復権無くしてソニーの復活無しというだけあって、その力の入れようは半端ではありませんでした。メイン会場の最初のコーナーもディスプレイでその力の入れようが伝わってきます。画面も綺麗でした。お金に余裕があるなら買いたい。そう思わせるものはありました。ただ、テレビ画面がいくら綺麗でも、映すソースが対応していないと意味がないわけで。だからこそ、スゴ録やハンディカムがどんどんハイビジョンに対応しているのでしょう。結局、今ある手持ちの機器を全取っ替えしないとソニーの提案するハイビジョンクオリティのテレビライフは楽しめないってことになります。アナログ放送の停波まで5~6年あるので、薄型テレビの値段は今よりも下がるはず。一般ピープルな自分が手を出せるタイミングはまだまだ先だと思うと、製品をじっくり見ようという気持ちも薄れてしまうのです。テレビで復活をかけるソニーには悪いですが、ほとんど素通りに近い感じでした。唯一目にとまったのがSo-net提供のテレビ番組表などを閲覧できる専用Webブラウザ紹介コーナー。リモコン操作でもさくさく動作していたのはとても印象的でした。画面の解像度も高いのでPC向けサイトのページも難なく表示していました。ちょっと昔のテレビのブラウザって見た目も動作も貧弱な感じでしたけど、パネル解像度の向上やブロードバンドの普及が進み、やっとPCに追いついたなあって感じました。ちなみに、見た目がPSP搭載のWebブラウザに近かったので説明員の人にNetFrontですか?って聞いてみたのですが、「自社開発です」ときっぱり言い切られました。

■サイバーショット
動画撮影対応のムービー栽培ショット「DCS-M2」と1030万画素大判CMOS搭載のプレステージサイバーショット「DCS-R1」の2機種が中心の展示でそこそこにぎわいを見せていました。M2は思っていたよりも大ぶりで、手に持った感じもずっしりしてました。液晶部の回転ギミックはガチャッと音がして勢いよく回転します。実際の撮影はメインの大きめのスイッチだけでできるのでそれほど難しく無かったのですが、撮影以外の操作は自分には厳しかったです。手が小さくて指の短い自分にはヒンジ部のスイッチ系はグリップしたままだと届きにくかったっす。ターゲットが女性みたいですけど、あのサイズと重さ、ボタン配置だとつらいんじゃないかと思うんですが…。R1は手に取ることすらしませんでした。興味がない訳じゃなかったんですが、専門外なので触ったところで何もわからないと思ったもので。そうそう、HDDフォトストレージの新製品「HDPS-M10」も展示されてました。こちらも思っていたよりも大きく持った感じも相当ずっしりきました。

■VAIO
コンベンションの視察時間が午後2時~4時までのたった2時間だったこともあって、VAIOの新製品はあまりじっくりと見ることができませんでした。ネット上でもすでに数多くのレビューを目にすることができるし、すでに発売が開始されていることもあって、自分の中の優先順位が下がってしまったのです。ごめんなさい。でも、「type T」は少しだけど触ることができました。各所ですでに開発者インタビューが公開されていますが、自信作というだけだけあって、見た目も中身もバランス良く仕上がってますね。説明員の方も、「他社さんで今これだけのものを作れるところはないんじゃないでしょうか」とその自信のほどを語っておられました。実際、あの筐体にすべてを納めるために随所に工夫が凝らしてあり、液晶パネルの見えないところにまでパネルとは関係ない回路基板かなにかがプリントされているのだそうです。デザイン先行型といわれるのがソニー製品ですが、それをこうして実現してしまう技術陣がいてこそできる芸当なんですね。
(実はこのタイミングで白状しますが、自分、すでに「type T」プレミアムブルーを注文してます。それも触るどころか実物を見る前に…。今週末頃には届くみたいなので、レビューはまた別の機会にと思ってます。バイオ購入は実に2年ぶり。Do VAIOすら初体験なのでとんちんかんなレビューになると思いますが…。)
他のモデルはほとんど触らなかったのですが、色々聞いてみると、今回のバイオノートの新製品ではtype BXが良いという声が結構多かったです。

何かとはしょりすぎてますが、その他編は以上。ということで次回は書き忘れていたことなどを含めたまとめのようなエントリーでリポートを締めくくりたいと思います。

ソニーディーラーコンベンション視察リポート(3)~NetJuke編

今回のディーラーコンベンションでウォークマンと並んで興味の対象だったのがNetJukeの新製品「NAS-NEW」。ソニードライブからは正式発表はありませんでしたが、メディアの報道で取り上げられて初めてその存在が明るみに出ました。

従来のNetJukeは外部モニターが必須でしたが、新機種では4.3型の液晶ディスプレイが搭載されました。また、カタログに「MD搭載ハードディスクコンポ」と紹介されているとおり、MDデッキの搭載によりユーザーが持つMDライブラリー資産の有効活用ができるようになりました。録音(転送)機能も、従来のCD→HDDだけでなく、CD→MD(HDD経由らしいです)、MD→HDD(アナログ等速らしいです)、HDD→ウォークマン/メモステと活用のバリエーションが一気に広がりました。MDは、MDLP対応でHi-MDには非対応。HDDへの録音は従来のATRAC3オンリーから、ATRAC3plusとMP3の両対応になり汎用性が一気に高くなりました(対応ビットレートは未確認)。さらに、なんとネットワーク経由でパソコンからMP3ファイルを取り込んだりすることもできるようです。もちろん、AnyMusic対応でMoraで配信されている楽曲の購入もできます。これぞ真のオールインワンコンポなのではないでしょうか。(新ウォークマンとの連携については確認し忘れましたが、基本的には現行機と同様のマニュアル操作による転送のみに対応で、完全同期やConnect Playerのようなインテリジェンス機能は持ち合わせていないと思います。)なお、初代NetJukeに搭載されたS-Masterは現行機同様、今回の新製品でも見送られてしまったようです。で、気になる価格についてお伝えしたいのですけど、メディアの報道にも出ていないのでここでいってしまうと守秘義務契約に違反するおそれがあるので控えておきます。イメージ的には一般的なミニコンポ2台分はいってしまうようです。

以下、個人的な感想ですが、現行機で感じていた楽曲の検索性に関する不満は解消されておらず残念でした。新ウォークマンと同様のイニシャルサーチとジュークボックスならではの豊富な再生バリエーション(全曲一発シャッフルとか)が実現すればノンPCジャンルの製品としてより完成度が高くなるのではないかと思います。幸い、NetJukeは従来機からネットワークアップデートが可能な仕様なので、段階的な機能向上は期待できるんですよね。それと、液晶モニター内蔵はうれしいのですが、リスト表示など、情報量が多い画面だと離れた場所からでは確認しづらいかもしれません。なので液晶が見やすいかを考慮して置く場所を検討する必要がありそうです。今の段階で次世代機を語るのはなんですけど、ラジオのタイマー録音(エアチェック)機能の充実と、CD-Rへの書き出し対応ができるようになれば相当面白いことになるのではないかと思ってます。

そういえば、AnyMusic対応機器ってパイオニアやシャープといったメーカーからも出ていたんですけど、今ではソニーしか対応製品出していないんですよね。ONKYOのはソニーのOEMだし…。前にも書いたんですけど、オーディオメーカーが協力しあって新しい市場を作っていかないとPC中心のデジタルオーディオにみんな持って行かれちゃうんじゃないでしょうか。それでなくとも、DVD/HDDレコーダーやシアターシステムなどによって純粋なオーディオ製品がどんどんリビングから押し出されている感じがするし、DVD/HDDレコーダーなどが高度な音楽再生機能を取り込む可能性もないこともありません(PSXなどにそれを期待していたところもあります)。昔のようにオーディオシステムが飛ぶように売れる時代では無いので、商品訴求は大変でしょうけど、ソニーには頑張って欲しいと個人的には思っています。

(一番のネックはやっぱり価格でしょう。あの価格では爆発的ヒットは相当難しいだろうなあ…。)

【当サイトのNetJuke関連エントリー】
ネットジューク「NAS-A10」を試す(1)~導入までの我が家のオーディオ事情
ネットジューク「NAS-A10」を試す(2)~セットアップからCDを聞くまで
ネットジューク「NAS-A10」を試す(3)~HDDにCDを録音
ネットジュークでエアチェック
※レビューが中断したまま、新製品が発表されちゃいました。折を見て再開できればと思いますが、あまり期待しないでください。