「ソニー全体」カテゴリーアーカイブ

訴えられるづけるのがソニーの宿命~500ドルのBlu-rayプレイヤーに影響は?

訴訟続くソニー、今度はデジタルセキュリティ特許で訴えられる

カナダCerticom社が、同社の楕円曲線暗号の特許を侵害したとして、ソニーとその子会社を相手に訴訟を起こしたそうです。楕円曲線暗号は電子デバイス間の通信を保護する手段として利用するもので、ソニーのAdvanced Access Content SystemとDigital Transmission Content Protectionの仕様の利用が特許侵害にあたり、PS3やBlu-ray Disc製品、一部のHDTV、i.Linkを備えたバイオなどが含まれているとか。なお、同社はソニーにこの技術をライセンス供与したかったようですが、対話が進まないことから法的手段をとることにしたそうです。

少し前に話題になったのがBlu-ray技術絡みの提訴。Blu-ray DiscがTargetの保有する光ディスク内の反射層素材に関する特許を侵害しているというもの。ソニー自らが特許料で得る収益も莫大なようですが、反対に特許侵害で提訴され、その提訴費用や損害賠償にかかる費用も莫大なんですよね。大変だけど、これも宿命なんでしょうね…>ソニー、「Blu-ray Disc」技術をめぐり訴えられる

Blu-rayといえば、500ドルのプレイヤーが米国に投入されるようです。発表時、600ドルだったものが499ドルに修正されたとかで、PS3の60GBモデルよりは安価に提供できるようになったみたいです。「BRAVIA Theater Sync」搭載で、「x.v.Color」で記録したAVCHDディスクの再生にも対応しているとか…>米Sony、BDプレーヤー「BDP-S300」を499ドルで近日発売

Blu-rayを含む次世代DVDに対する消費者の意識調査の結果がニュースになってます。、「興味がある」人は約40%で、具体的な購入検討にはいたらないが興味があるという層が多いとのこと。また、最重要ポイントは画質とか>次世代DVDレコーダー、4割が“興味あり”

Blu-ray Dicsといえば、007カジノロワイヤルとパイレーツ・オブ・カリビアン(POC)の1&2が市場を牽引中ですね。画質についてはPOCは相当良いみたいですね。画質チェック時のリファレンスディスクにも使えるクオリティとか。ちなみに007の方は「新作にしてはざらつきや色抜けの悪さが気になり、驚くほど高画質というわけではない」とのこと。ダ・ヴィンチ・コードでは頑張って欲しいです>スパイらしくなった新生ボンドソニー製品も活躍「007 カジノ・ロワイヤル」画質も機能も破格の超ヒットシリーズ BOXセットは待てない? 「パイレーツ・オブ・カリビアン 1/2」

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eyeVioが目指すのはパーソナルなコミュニケーションのためのサービス

YouTubeでもなく、「ソニー専用」でもなく ソニーの動画共有サイト「eyeVio」の狙い

西田宗千佳さんのRandomTrackingにソニーの「eyeVio」が取り上げられていました。eyeVioが目指すのは、家族同士・友人同士でプライベートなビデオを回覧するといった、個人のパーソナルなコミュニケーションのためのサービスであり、YouTubeのような見に行くところでは無いとのこと。

・撮影と視聴の間にあるサービスを提供することで、『こうやってシェアすると楽しいね』という体験の価値を認めてもらえれば良い
・ソニーは、撮影するものから見るものまで全てのハードを提供しているのでトータルでの楽しさを体感してもらえる
・ソニーのハードを生かすサービスは作っても、ソニーのハードにしかつながらないサービスを作っても意味がない

など注目したいコメントが目白押しですが、パーソナルなコミュニケーション重視のサービスゆえに、その良さが表だって伝わってこないことも事実。とはいえ、メモステ録画可能なハンディカム「HDR-CX7icon」や三洋の「Xacti」のようなeyeVioと非常に相性の良い商品も出てきたので、使いようによっては面白くなっていくのかもしれません。

ちなみに、eyeVio自体はは地道に緊急メンテをはさみつつ、5/31には機能拡張や不具合の修正を実施した模様。個人的には機能拡張よりも全体的にもう少しサクサク動くようにして欲しいです。もちろん、PCのCPUパワーやメモリの問題もあるんでしょうけど、ちょっと重すぎじゃありませんか…。

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ソニーの最新人事事情~ソニーOB会が盛況の話題も

“ソニーユニバーシティー”で経営トップとビジョンを共有グループの幹部候補を育てる

NBonline、経営リーダーの育て方。ソニーの最新人事事情や、社内の教育機関「ソニーユニバーシティー」について語られています。「差異化の要素がハードからソフトやサービスに移ったという事業環境の変化」が人事にも大きな影響を与えているみたいです。「3年後には、ノン・ジャパニーズを含めた人材のグローバルな適材適所」が実現されるとの記述も。また、幹部候補のグローバルリーダーとしての育成の中心となるのがハワード氏も顔を出すという「ソニーユニバーシティー」だそうです。これに参加できる人は相当のエリートさんなんでしょうね…。

sony_ob.jpg人材といえば、一昨日の朝日新聞に「ソニーOB会盛況」という記事が掲載されていましたね。有名な「ソバの会」と若手中心の「ソーメンの会」の活動を紹介しているものでした。ソニーの若手社員をOBのベンチャー企業で知らない分野の実務経験を積ませてからソニーに戻す(その逆もアリ)、みたいな人材循環システムを提唱する人もいるそうです。また、彼らがソニーを辞めた理由も興味深いです。「今のソニーは、技術者が夢を追いづらくなっている面もある」とか。OB会がそういった声に現経営陣が耳を傾ける絶好の機会になるはずとのこと。

ソニーを叱咤するか、激励するか

こちらは日経ベンチャーの経営者倶楽部。

「エンターテインメントという原点を忘れたのはソニーという企業DNAのせい。それを克服して出直せ」と叱咤するのではなく、「そう発想するのはDNAなのだから受け入れよう。失敗したからと言って諦めず、その道を貫け」と激励したい気分なのである。

この視点は面白いですね。にしても、自分を含め、当事者でもないのにその企業のDNAだの何だのと、いろんな事を語る人の多いこと。そういう意味で希有な企業ですよね、ソニーって。

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世界初、曲げられる(=曲がっても平気な)フルカラー有機ELディスプレイをソニーが開発

プラスチックフィルム上の有機TFT駆動有機ELディスプレイで世界初のフルカラー表示を実現(Sony Japan)

ソニーは、プラスチックフィルム上に有機薄膜トランジスタ(有機TFT)と有機EL素子を集積化する技術を開発し、世界で初めて有機TFTによるフルカラー有機ELディスプレイの駆動に成功したと発表。これにより、薄く、軽く、曲げられるディスプレイを実現。これまでの有機TFT駆動有機ELディスプレイの試作例の中では、世界初のフルカラー表示、世界最高精細(160×120画素、80 ppi、画素サイズ318μm角)の解像度を達成、曲げた状態でのフルカラー動画表示も可能とか。また、本研究成果はソニーが鋭意商品化を進めている有機ELディスプレイの将来技術として、薄く、軽く、やわらかいなどの特長を持ったエレクトロニクス製品の実現につながるものと期待しているそうです。

始めから曲げることを想定した商品も、万が一曲がってしまっても大丈夫な商品の両方の展開ができるってことですね。同パネル搭載の薄くて小さいモバイル製品、期待してます!(次世代PSPとかどうですか?…って歩留まり次第か)

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ソニーの株価が逆行高~相場はソニーショックからソニー頼みへ?

業績回復期待でソニーの株価が逆行高

5/16にソニーが発表した2007年3月期の決算と2008年3月期の業績見通しを受け、株価が逆行高して年初来高値圏での推移となっているとか。ソニーに相場全般のリード役を期待する声も強まっているそうです。ソニー自体の今後についての記述もあり、「PS3の販売価格引き下げのタイミングと値引き幅が焦点」となるほか、映画部門や金融子会社のソニーフィナンシャルホールディングスの上場にも期待が集まっているようです。

これでPS3のつまずきさえなければどうなっていたんだろう…。株にはほとんど興味がないのでよくわかりませんけど、風向きが変わってきたのは確かみたいですね。のろしは上がった。さあ、これからです!

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ソニーの2006年度通期決算、エレキ増収で売上も過去最高ながらPS3が足引っぱる

2006年度 連結業績のお知らせ(Sony Japan)

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ソニーが2006年度(2007年3月期)の連結決算を発表。詳細はPDFで公開されていますが、コピペできないので日経のニュースで大枠をざっくりと。

ソニーの前期、純利益は2%増の1263億円――今期は3200億円予想

純利益が1263億円(前期比2%増)。前期連結売上高が8兆2956億円(同11%増)で過去最高を更新。営業利益は717億円(同68%減)。前期末配当は一株あたり12.5円、年間では25円。08年3月期の見通しは、連結売上高が8兆7800億円(前期比6%増)、営業利益が4400億円(同6倍)、純利益が3200億円(同2.5倍)。

細かい内容については以下のメディアのニュースに詳しいです。何が好調で何がダメだったかは見出しを見れば明らか。その見出しのタイトルも三者三様で面白いですね~。

ソニー、2006年度通期決算を発表。売上高は過去最高-PS3生産出荷は550万台。エレクトロニクスは大幅増収
ソニー、過去最高の売上高にデジカメが貢献~デジカメ出荷台数は26%増の1,700万台
ソニー、2006年度連結業績を発表。ゲーム部門の売上高は6.1%増。PS3の生産出荷台数は全地域で550万台
「PS3の逆ザヤ、07年度も解消せず」・ソニー決算会見
「PS3の黒字化は、2007年度中は難しい」ソニー大根田氏<ことば>
ソニー、ゲーム事業は今期も赤字に PS3出荷は倍増へ
PS3の累計出荷台数は550万台、ただし実売は360万台–ソニーが明らかに
ソニー、2006年度決算を発表 -エレキ増収増益もPS3がブレーキに
【決算】ソニー,増収もゲーム部門の赤字や金融部門の不振で約68%の減益
“エレキのソニー”復活へ――「BRAVIA」や「サイバーショット」が好調

PS3絡みの見出しが目立ちますが、あの数字を見たらそう書きたくなりますわね~。

ソニー、PC用ディスプレイと標準型デスクトップPCからの撤退完了を発表

それはそうと、PC用ディスプレイとデスクトップバイオが終息するそうです。これまで公表された不採算事業カテゴリに加える形で発表されたとか。ただし、「type R master」、「type X living」、「type L」といった、付加価値が出せ、差別化が図れる製品は継続するとか。

BRAVIAは2007年度通期で黒字化、2007年夏には一眼レフ新機種を投入する

また、今後の展望というか戦略についてはASCII.jpの記事がわかりやすいです。デジタル一眼レフ(α)については「夏以降順次ニューモデルを導入していけると思う」とか。また、ポータブルオーディオ(ウォークマン)については、「中心になるマーケットは日本」というコメントが泣かせます。米国では戦いになっていない状況が続いているものの、AVのトータルのビジョンを提供したいと考えており、時間をかけてこの市場にも戻ってきたいと考えているとか。

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