西田宗千佳さんのRandomTracking。nasne開発・商品企画のキーパースンへのインタビュー。
こちらのnasne開発者インタビューよりもわかりやすく、裏話や新たな情報も多い。てことで、以下は個人的に注目したい内容。
- ビジネス的には、規模の問題も含め、「ネットワーク専用にするとパイは狭くなる」という議論はあったが、そこを気にするよりは「チャレンジだ、新しい、変わったことをやろうよ」という気持ちが大きい。ちょっと変わった商品について、社内的にも飢えていたところがある。
- プレステ・プラットフォーム上で動くもので真価を発揮するように考えられたものだが、プロトコルさえ合わせれば他の機器でも大丈夫。そこに対して否定的な意見はあまりなかった。nasneの商品性に否定的な話が出るまえに「いや、こういう広がりがあるから」と言ってしまうことで進められた。
- リアルタイム再生の場合、PS3へは受信した時のまま、トランスコードせずに送る。モバイル機器(タブレットやスマホなど)の場合はトランスコードした映像を送る。EPGの取得はリアルタイム。追いかけ再生も可能。3倍録画用とモバイル用、2つのトランスコーダが同時に動いている。録画時に同時に両方を作る。モバイル機器へ映像をストリームする時などには後者が使われる。
- 同じネットワーク内に複数のnasneがあったり、USB接続のtorneがあったりした場合にも、「録画先」は選ぶ必要がない。自動で最適なところを選択する。
- 標準のDLNA+DTCP-IPに完全対応する。満足できない部分はDLNAの外にAPIを規定して実現。だから、他社製品でも動作する。ただ、すべてを動作検証することはできない。「フルに使っていただく場合」がPS3やVita版のtorne、VAIO TVを使ってください、というメッセージ。
- (DTCP-IPでのムーブについて)ソニーのレコーダー非対応。VAIOはVAIO側のHDDに映像を書き出して利用。PS3にUSBで繋がっているPSPへの書き出しは可能。今後、Wi-Fi経由でVitaへの書き出しやタブレットやXperiaへの書き出しには対応していく予定。他社のものでどう動作するかは保証外。iOSへの対応もやるという話はあるし、否定する話は出ていない。
- プレステはどのテレビにもつながる。nasneにもプレステのロゴをつけた。意識としては同じ。ソニー商品だけに閉じるつもりは無い。
次はVita版のtorneとVAIO TVの詳細かな。発売は2ヶ月先とまだまだだけど、何かと楽しみ。ロンドンオリンピックの番組視聴にも活躍してくれそう。いかんせん、ソニーストアでも予約上限数に達したらしく予約受付は停止中。ゲームハードやVAIOの訴求も出来て良い機会なのに肝心のnasneが無いんじゃなあ。増産体制とれないのか。もったいない…。
【追記】その後、ACSIIにもnasne関係者インタビュー記事を発見>NAS型レコ「nasne」のありえないサクサク感を体験!
【関連リンク・ニュース】
・nasne (CECH-ZNR1J)[Amazon]
・「ナスネ(nasne)」に見るソニーとSCEの一体化-“つながり”が新たな価値を生み出す
・「torneのようなヒット作になるか」、新レコーダー「nasne」の詳細をSCE担当者に聞く【前編】、【後編】