apt-X対応の高音質Bluetoothヘッドホン「Creative WP-350」を試す(2)


クリエイティブメディアのPure Wirelessシリーズのマイク内蔵Bluetoothワイヤレスヘッドホン「WP-350」のモニターレビュー第2段(1回目はこちら)。今回はペアリングと音質の感想など。

■こんなにあるぞBluetooth対応機器


一昔前と比べて、Bluetooth対応機器も爆発的に増えたので、WP-350と接続出できる機器も実に様々です。

・iOS端末(iPhone、iPad、iPod touch等):内蔵、専用ドングル
・iPod:専用ドングル
・Creative ZiiO:内蔵(apt-X対応)
・ウォークマン:内蔵モデル(A820シリーズ)、専用ドングル(NWB1)
・VAIO(WindowsノートPC):内蔵、USBドングル
・携帯電話:内蔵
・Android搭載端末(スマートフォン、タブレット):内蔵
・PSP go:内蔵
・Bluetoothトランスミッター(ステレオミニプラグで音声出力可能な機器であれば何でも)


一昔前はポータブルオーディオは専用のドングルを使うのが一般的でしたが、今時は大半の機器がBluetooth機能を内蔵しています。携帯電話への採用が進んだことに加え、Bluetooth内蔵が標準のスマートフォン人気により、対応機器が加速度的に増えていると言えそうです。

■一般的なBluetooth製品とのペアリング

組み合わせて使用するBluetooth対応機器と初めて接続する場合のペアリング方法は一般的なBluetooth製品とほとんど同じです。おおよそ、以下のような流れ。

1)右ハウジングのマルチファンクションボタン(電話アイコン)をLEDが青く点滅するまで長押し
2)接続するBluetooth機器側から機器検索
3)「Creative WP-350 Headset」を選択し、パスコード(PINコード)が要求されたら「0000」を入力


ちなみに、ペアリング成功後は右ハウジングのLEDが青くゆっくり点滅します。でもって、一度ペアリングがすめば、2回目以降はそれぞれの機器で電源オン(=Blueoothを有効に)すれば、だいたいが自動的に繋がるようになります。

■apt-X対応オプション製品でのペアリング

apt-X対応の別売オプション、iPod用Bluetoothアダプター「BT-D5」とPC用Bluetoothアダプター「BT-D1」を使う場合は一般の製品と異なります。

WP-350を上の1)同様にペアリングモードにしてから、アダプター側のペアリングスイッチをLEDが青く点滅するまで長押しすると自動的にペアリングが完了します。

ペアリング後は、機器の電源を入れる(ドングルの場合はiOSデバイスやPCにドングルを装着する)だけで自動的に接続されるのは一般的な製品と同じです。

なお、「Creative ZiiSound D5」のような「BT-D5・BT-D1」対応製品との同時使用はできません。ドングルと再生機器はあくまで1対1の関係。再度ペアリングする必要はありませんが、先に接続した再生機が優先されるようです。

■音質についての個人的な感想

WP-350の音質ですが、個人的には聞きやすく好みの音です。低域にインパクトある一方で、高域も良く出ていて、これが解像感を感じさせる要因になっているように感じました。とりわけ、apt-X対応ドングルを使った時の、高解像でパワーのある広い音場感は一般的なSBC採用のBluetoothヘッドホンではなかなか味わえないです。ただ、中域はちょっと弱いかなあ。どちらかと言えばドンシャリ系…なんですが全体のバランスは決して悪くないと思います。

蛇足ですが、WP-350の左右のハウジング側面にある穴の効果についてクリエイティブメディアさんに問い合わせていたのですが、「低音量/低域のアコースティック再生をより改善する働き」があるとの回答をもらっていたのでした。スピーカーのバスレフポートみたいな感じなんでしょうかね。

さておき、比較対象のソニーBT50(SBC)ですが、WP-350で音楽を楽しんだ後に聞いてみると、低音がかなり強調されており、出てくる音が全体的にくぐもっているように感じます。高音域が弱く、解像感にも乏しく、音場も狭い印象。ドンシャリならぬドドーン系とでも言いましょうか。というかBT50ってこんな音だったっけ?昔はもっと良い音だと思ってたのに。いかに自分の耳があてにならないかを証明してしまったかも…。

そんなこんなで、BT50との音質比較では個人的にはWP350に軍配をあげます。apt-Xの威力も大きいですね。apt-Xの音に慣れるとSBCに戻れない…。

■最も高音質な組合せは

ということで、現状ではiOSデバイス+BT-D5またはPC+BT-D1が、WP-350で最も高音質で音楽コンテンツを楽しめる組合せと言えそうです。

iOSデバイス向けには音楽系のアプリも多数リリースされており、そちらを使ってみると低遅延が売りのapt-Xの強みを実感できます。楽器アプリのリアルタイム演奏はさすがに厳しいですが、シーケンスの打ち込みや楽曲再生レベルであれば何の問題も無し。

ただ、高音質が楽しめるとはいえ、常時ドングル装着ってのも運用的に厳しかったりします。iPhone 4などは大半のケースがドングルと干渉してしまうんですよね。本体に余計な物は付けたくないし、ドングルを持ち歩くのもある意味面倒。ということで、今後はあらゆるBluetooth製品が素の状態でapt-Xに対応してくれるとうれしいです。

この後、携帯電話での通話品質やマルチ接続のコツ、雑感・要望などについても取り上げようと思ったのですが長くなりそうなので続きは次回に。

【参考リンク】
Creative WP-350発売のお知らせ(プレスリリース)
Creative WP-350 マイク搭載 Bluetoothワイヤレスヘッドホン(Amazon)