ウォークマン対応ドックスピーカーシステム「Olasonic TW-D7WM(T)」を試す

みんぽす経由で東和電子のウォークマン用のドックスピーカーシステム「Olasonic TW-D7WM(T)」をお借りできました。「TW-S7」のモノフェローズイベントリポートで「音楽好きなソニーファンなら期待して良い」と書いたブツがまさにコレ。PC専用アクティブスピーカー「TW-S7」との音質比較を交えながらゆるくレポートしたいと思います。

■「TW-D7WM(T)」とは


USB接続の卵型アクティブスピーカー「TW-S7」と、アンプやDACを内蔵しWM-PORTを備えたウォークマン用ドックを組み合わせたモデル。ドックにはUSB入力とステレオミニのアナログ入力も装備。PCと接続してUSBスピーカーとして利用できるほか、ステレオミニで他のプレーヤーなども接続可能。ステレオミニのヘッドフォン出力も装備しており、USB接続のヘッドフォンアンプとして使うこともできます。PCとの接続時にはウォークマンとの同期も可能なほか、USBスピーカー「TW-S7」同様USBバスパワーのみでも動作。

「TW-D7WM(T)」ではドック部分にアンプなどを内蔵したため、スピーカーにグレードの高いパーツを採用。特に中低域の量感のアップに繋がるなどの音質向上やACアダプタの小型化などに寄与。ドック部にラダー型の電子ボリュームも装備するほか、ウォークマンの基本操作も可能なリモコンも付属しています。

なお、Olasonicスピーカーの特徴や基本原理などについては以前アップしたイベントレポートやレビューに書いたので軽く割愛します。

【関連リンク】
東和電子「Olasonic TW-S7」モノフェローズイベントリポート
卵形アクティブスピーカーの革命児「Olasonic TW-S7」を試す

■パッケージ・外観・セットアップ

パッケージは白ベースにグレー単色のシンプル印刷。TW-S7よりチープだけど、試作機用だからなのかな。もしかしたら製品版とは違うのかもしれません。


中身はアンプ内蔵ドック、スピーカー(×2)、スピーカー用インシュレータ(×2)、電源アダプタ(TW-AC1)、リモコン(TW-RM7)、リモコン用リチウムボタン電池(CR2025)、ウォークマン用アタッチメント(2種)、取説。


パッと見、ドック本体が一昔前のZOOMのエフェクターに似てると思ったけど、知ってる人の方が少ないか…。(ZOOM9000のこと。動くかわからんけどいまだに持ってます)


セットアップは、PC専用の「TW-S7」ほどシンプルではありませんが、複雑ではありません。まずは電源の確保。背面のスピーカー端子に左右のスピーカーを接続。付属の電源アダプタもしくはPCやUSB対応の給電機を接続(STANDBY ボタンが赤く点灯すれば使える状態に)。あとはリモコン(TW-RM7)にリチウムボタン電池(CR2025)を入れれば準備OK。

ちなみに、リモコンで操作できるのは、電源のオン・オフ、ファンクション切り替え、ボリューム調整(上下)、再生・(一時)停止・曲送り・曲戻し、ミュート、ベースブーストで、最後の2つはリモコンでのみ操作可能な機能になってます。

蛇足ですが、ドックの電源はDC5Vの1.6Aで、コネクタの形状はPSPやRollyの電源アダプターのそれと同じってことで、ソニー製品好きなら何かと流用できて便利かもです。

■ファンクションボタンでソース切り替え


今度のTWシリーズはファンクションボタンを押すだけでウォークマンだけでなく、色々な音源を切り替えて楽しめるのが大きな特徴でしょうね。

【ウォークマン】 LEDは“WM”
ウォークマンの音を楽しみたい場合は、ドックにウォークマンを載せ電源(POWERボタン)をオン。ファンクション(FUNCTION)ボタンを押し、WMのLEDが点灯していればウォークマンの音声が出力可能。とりあえず、手持ちのウォークマンでは、X1060、A829いずれも付属のアタッチメントで問題無く自立し、メモリー内のコンテンツ再生も充電もできるのは確認しました。また、ウォークマンを装着した状態でドックをPCとUSBするとSonicStageなどの音楽アプリを使ってPCから音楽ファイルなどを転送可能です。その場合はファンクションボタンを押してCHARGEランプのみが点灯した状態にします。さらに、ウォークマン装着時は電源アダプターの使用時に下記のUSB以外のファンクションで本体の充電可能。PC経由のUSB給電時はCHARGEファンクション選択時のみ充電可能となっています。

【外部オーディオ】 LEDは“AUDIO”
外部のオーディオ機器の音声を楽しみたい場合は、ドック側面にあるステレオミニ端子に外部機器の音声出力ケーブルを接続。ファンクション(FUNCTION)ボタンを押し、AUDIOのLEDが点灯すれば再生可能。対応ウォークマンとPC、そしてiPad以外の機器はこの端子にお世話になります。ステレオミニ出力を持つデジタル・アナログのAV再生機、iPhoneやAndroidなどのスマートフォン、PSPやNDSなどのゲーム機、はたまたテレビなど、最も汎用性のある端子になります。

【USB】 LEDも“USB”
PCやMacなどの音声を出力する場合に使います。付属のUSBケーブルをPCに繋ぎ、背面のUSBミニ端子に繋げばOK。これにより「TW-S7」と同じ機能を提供します。ちなみに「TW-S7」同様、USBバスパワー対応なので電源アダプタ無しでも動作します。


完全にサポート外だと思いますが、純正のカメラアダプター経由でiPadの音声出力が可能でした。パソコン同様、デジタル出力になり、音楽やYoutebe、音声付きのゲームなどを良い音で楽しめるがうれしいです。なお、ドックで電源アダプターで給電している必要があるのと、一部のアプリでは出力ができないものもありましたのでその点にはご注意を。iPodやiTunes、インターネットラジオ系のアプリは問題無いのですが、楽器系のアプリではAmpritubeなどがNGでした。

【ヘッドホンアンプ】
「TW-D7WM(T)」はヘッドホンアンプの機能も内蔵しています。ヘッドホンのプラグ(ステレオミニ)を側面のPHONE端子に接続すれば、上記4種類の音源をヘッドホンで楽しめます。ウォークマンの場合ははドックから外してヘッドホンで楽しめば良いですが、USB接続したパソコン側のフルデジタルな音楽ファイルをヘッドホンアンプ経由で聞けるので高音質派にはうれしい機能かも。

ファンクションボタン絡みで気になることがあったのでメモ。ボタンを何度か押していると電源が勝手に切れることがありました。電源ボタンとファンクションボタンが近いので干渉しているのかも。ただ、再現性は低いし、そもそもが使ってるドックが試作機に近いので、製品版では問題無いのかも。

■音質について

モノフェローズイベントに参加した日に注文。以降、毎日のようにお世話になっている兄貴分「TW-S7」と並べて聞き比べてみました。これが実に驚きの連続。同じ音だろうと思ったら、出てくる音はかなり違いました。

音の抜けが良くなり、音像がよりはっきりするようになったように感じました。センターで鳴ってる音が特にくっきりします。唄モノのボーカルやドラムのスネアにしまりが出て聞きやすいんですよね。TW-S7では聞こえにくいパーカッション系のサウンドも実にクリアに再生してます。

大好きなジェフ・ポーカロのドラムワークを聞き比べたら驚きの発見がありました。「JOJO」のスネアと一緒に鳴ってる木系のパーカッション(ウッドブロック?)がはっきり聞き取れるし、「ロザーナ」のハイハットワークのシャッフル加減もこれが実によくわかる。アンプを分離し、採用部品を変えるだけで、ここまで音質が変わるとは…。


参考までに、音質比較はMac miniへのUSB接続で行いました。サウンドコンパネ経由にはなりますが、マウスのワンクリックで切り替えながら検証できるので楽なんですよね。

「TW-S7」と「TW-D7WM(T)」では果たしてどちらが音が良いのか?音の善し悪しについては個人差があるし、好みの問題もあるので一概には言えないのですが、どちらが好きかと聞かれれば自分は「TW-D7WM(T)」ですかね。低音は「TW-S7」の方が若干出ているような気もするのですが、センターの音の聞きやすさとそれに伴った音像のクリアさは代え難い。

ものは試しにと、リビングの液晶テレビ(VEGA)に繋いでテレビの音を再生してみたら、ドラマや映画の台詞がとにかく聞きやすい。我が家のWEGAはソニーが結構音に力を入れていた機種ですが、構造的なこともあるのが、箱鳴り気味で低音が強調されてしまいがちなんですが、「TW-D7WM(T)」で聞くと中域から高域よりのほうが前に出てくるのか、しゃべりがホントに聞きやすいんです。


当然のことながら音楽番組でも威力を発揮してくれました。ただ、我が家のリビングの場合は、自分の机の上のニアフィールドよりは広い空間なので、若干低音が不足する感じがしました。そんな時に低音を強調する「BASS BOOST」を使うと便利。

元々は小音量時の低音不足を補う目的で付けられたようですが、音源の種類によってイコライザー代わりにオンオフしても良いかもしれません。ちなみにオンにすると音の表情が一変します。個人的には原音忠実再生が好みなので、音楽再生時は使わないかも…。

■雑感・要望

「TW-S7」の音を初めて聞いた時も感じたんですが、Olasonicシリーズは「良い音楽を良い音で楽しめる幸せ」を手軽に提供してくれる素晴らしいスピーカーだと思います。「TW-D7WM(T)」は金額的には「TW-S7」の2倍ですが、それに見合うだけの機能とメリットを持っているなと確信しました。

みんぽす経由でお借りしている製品だけど、正直返したくない、そんな気持ちがわいています。TW-S7と不足分の金額をお支払いしするのでこのまま譲ってください!>東和電子さん。ま、冗談ですけど。

最後にごく私的な要望を。ワイヤレス(Bluetooth)対応を是非。スピーカーコード、USBケーブル、電源アダプター、ステレオミニを全部繋ぐと相当見苦しいんですよね。ドックがBluetooth対応になれば、ウォークマンだけじゃなくて、iPhoneやiPod touch、Androidケータイなど、他のBluetooth対応機器のお音声も再生できて便利。ドックの体積からして詰めないことはないと思うのですが…。

iPhoneのRadikoなどは元々音質が良くないけど、Olasonicのスピーカー経由だと低音質ながらも定位がはっきりして聞きやすいんですよ。Bluetooth経由の音声なんて全然許容範囲。おそらくは次の新製品はiPod/iPhone専用ドック付きシステム「TW-D7IP(?)」だと思うのですが、その先があるなら是非とも採用をご検討いただきたいです。

最後になりますが、短期間ながらもこのような素晴らしい製品を触らせてもらえる機会を作ってくださった東和電子とWillVii関係者の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

【関連ニュース】
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