Olasonic NANOCOMPOシリーズ第一弾 USB DAC内蔵プリメインアンプ「NANO-UA1」を試す(2)

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レビュー1回目は、PCと接続してiTunes経由で普通に音出ししてみただけですが、今回は「NANO-UA1」の真の実力を試すべく、高音質でPCオーディオを楽しむためのアプリ導入と設定、調整後の音の印象などレポートしてみたいと思います。

■iTunesの設定を変更して高音質再生

色々とネットを調べると出てくるのですが、Windows 7以降のPCの場合、WASAPI(Windows Audio Sessionの略)というWindows Vistaから導入された新しいオーディオAPIを使うことで高音質な音楽再生が可能になるとか。

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iTunesにWASAPIを適応するのに一昔前はQuickTimeを設定する必要があったようですが、iTunesの最新版では「設定」から簡単に設定変更が可能でした。設定>再生環境設定より、オーディオの再生方法を「Windows Audio Session」、再生ビットレートをNANO-UA1が対応している「96kHz」に、B/SMPLを「24bit」に設定して再起動すれば準備OK。

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角松敏生の「Citylights Dandy」はCDとBlu-ray版両方持っていて、いずれもかなりの高音質なのでこのアルバムをリファレンス音源にしてみます。個人的にNo.1の「Mrs. Moonlight」を再生。iTunesでリッピングした圧縮音源(MP3・192kbps)でも十分音質が向上したことが感じられます。CD(PCM・1411kbps)に変えてみます。ボーカルのみならず、ギター等のバッキングにコーラスやリバーブが多用されている曲なので、圧縮音源ではエフェクトの微妙な揺らぎや音響的な余韻が薄れてしまうように感じるのですが、CDではそれらが損なわれず、音場や全体の臨場感もよりアップして聞こえます。「浜辺Days」を再生。サウンド傾向はアルバム全体を通じて同じなんだけど、これまた圧縮音源とCDで差を感じます。MP3では音色が近いのかギターとシンセが混ざったように聞こえるところが、CDだとそれぞれをしっかり認識できます。

スピーカーをVAIO MX5用に差し替えて試してみても結果は良好。自作スピーカーと比べ、グッと低音の量感が増えるため、ギターの音が若干引っ込む感じはするが、解像感は失われていない感じ。DigiFi付録のOlasonic USB/DACアンプとの組み合わせやOlasonic TW-D7IPで同じ音源をCDで聞き直してみましたが、UA-1を通した方が音に厚みや奥行きがあって全体的にゴージャスな印象。音源によって印象も変わるし、スピーカーの特性が違うので比較は難しいのですが、手持ちのPCオーディオ対応機器の中ではダントツの音の良さであることは間違いないです。

■foober2000でさらなる高音質を目指す

ワンランク上のハイレゾオーディオが楽しめるとのことで、その界隈では定番となっているWindowsソフト「foober2000」を導入(一部日本語化しました)。さらに、標準ではWASAPIに対応していないとのことで、追加コンポーネントを別途DLする必要があります。

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そのWASAPIですが、なにやら「共有モード」と「排他モード」なるモードがあるらしく、前者はWindows OSのミキサーを経由するため複数アプリの音声が再生されるモードで、後者は設定した音楽再生ソフトの音声のみ出力するモードだそう。前者はマルチタスク状態で使える汎用、後者が音楽アプリ専用みたいなイメージだそう。

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で、foober2000はWASPIオプションを排他にして使うのがどうやら一般的らしいです。ちなみに、iTunesには排他モードにするオプションは無く、他のアプリの音声も出力されるため共有モードで動いているっぽいです。

Foober2000の「Preference」から「Output」を選択して、出力デバイスを「WASAPI(event):SPDIF インターフェイス(2-Olasonic USB DAC(96kHz)」に、出力形式のデータ形式を「24-bit」に設定すれば準備完了。

#WASAPIオプション導入の件含め、詳しいことは以下のサイトなどを参考にさせていただきました。
Foobar2000とUSBスピーカーで実現! 机上ハイレゾオーディオ
foobar2000 使い方(ガイド) of PURE SPEED/ピュアスピード(ハイレゾPCオーディオ)

でもって、iTunesライブラリやらCDやら、色々再生してみました。ソフトのインターフェイスはシンプルで味気ないですが、音は確かに良くなりますね。いやー、びっくり。今後、CD再生はfoober2000で決まりだな、こりゃ。

ちなみに音量調節は、foober2000問わず、ソフト側はボリュームを最大にして、NANO-UA1(アンプ)側で出音調節するのが一般的だそうです。

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そうそう、UA1のボリュームですがリモコンで操作すると「RM」のLEDが白く点灯するようになってます。その後、本体のボリュームを操作した時点でLEDは消え、以後は本体側でボリュームコントロール可能になります。また、MUTE(消音)やBASS(バスブースト)はリモコンでのみ操作が可能になってます。いずれもオンにするとLEDが赤で点灯するので遠目でも目立ちます。

そんなこんなで、PCの設定をちょっと変えたり、フリーのアプリを導入することでNANO-UA1の実力をいくらか引き出すことに成功。次はいよいよハイレゾ音源再生にチャレンジしたいと思います。