ソニー・平井社長が見据える4K、TV、PlayStationの今後 CESラウンドテーブルで語った「変わるソニー」
CES会場で日本人記者向けに開催された、ソニー社長兼CEO・平井一夫氏を囲んでのラウンドテーブルレポ。個人的に注目したい内容を以下にピックアップ。
- エレクトロニクスビジネスで「BE MOVED」というキャッチフレーズをこれから様々なラインで使っていく
- テレビのマーケットシェアは下がったが想定の範囲内。「成長するために縮小する」という戦略。(テレビのネットサービスについて)スマートTV化を推し進めるのではなく、情報処理能力が高いPS3を併用していく
- PSビジネスは物事がクラウドに進んでいく中でどのようにプラットフォームビジネスを立ち上げていくかという転換期にある。Gaikaiの技術はソニー全体で利用する。今はゲームに「小粒感」みたいなものがでてきているかもしれない。そういった中で、どうやってビジネスをマネージするかを考えなくてはいけない
- (イメージングデバイスにおけるカニバリぜーションについて)ソニーグループの一員としてソニーモバイルを展開する戦略に出ており、他社に持って行かれないことこそが戦略のキモ。Xperiaを選んでもらえるかどうかは商品力にかかっている。キャリアとの関係も大切。日本はドコモと非常に良い関係でXperiaが出るとマーケットシェアNo.1にしていただいている
- (タブレットについて)プレミアムでどう評価してもらえる商品・サービスをつけるかが大事。タブレット向けOSにはVAIOで展開するWindowsと、Xperiaで展開するAndroidの2つがあるが、「第3のOS」としてPlayStation OSもある。3つのOSを色々な商品にあわせて投入していく。PlayStation OSはソニーグループの資産。他社とは違う、ゲーム以外に生かせる商品ができるなら、大いに活用すべき
- 徹底的にソニーの資産をすべて入れたらどのようなスマートフォンになるかを、私(平井氏)が旗を振って「やってくれ」といって、第一弾として出てきたのがXperia Zで、ある意味、新しいソニーを象徴する商品
- エレクトロニクスのショーなのに、なんで歌手が出ないといけないのか。歌手がスターなんじゃなく、「商品がスター」
- かなり奇抜なアイデアのものも含めて5~6つ直下でプロジェクトを走らせている。ハードは出てくるまでに時間がかかるが、ある意味で「私が面白いと思う商品」を作っていくのが大事と勝手に思っている
- 新製品もどんどん出せば良い。当たれば良いしダメなら次。リスクテイクを許すような環境を作る
ここにきて、タブレットデバイスへのVita OS搭載やテレビへのPS3 OS搭載などが真実味を帯びてきたカタチに。4K有機は相当な先行感があるけど、CLIE VZ90やXEL-1を使ってきた身としてはソニーにはやはり有機ELで一旗揚げて欲しい。以下、CESソニー絡みの関連トピック。
【麻倉怜士CES報告6】ソニーの世界初の4K×2K有機ELテレビを見た
麻倉氏曰く、「人類が未体験の映像力」。「ソニーには正しく、ちゃんと商品化してほしい。人目を惹く「ショーモデル」だけで終わってはならない(そういうことが多いのである。この会社は)」とか。
ソニー・Xperia Zの「強さ」とは――開発者インタビュー
Xperia Zは、「ソニーモバイルコミュニケーションズ」に変わってから、初めて一から開発した機種だそう。ウォークマンアプリから「Music Unlimited」の曲に直接アクセスして、端末内に保存してある曲と同じ手順で再生可能らしい。今後については、「多用途」というスマートフォンの特徴は保ちつつ、豪華な装飾や一見奇抜な形の端末にも注目が集まると思うとのこと。
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