ハリポタ日本語版をソニーが独占販売との噂~翻訳やDRMに注目


ハリー・ポッター日本語版電子書籍、ソニーから独占販売で静山社は蚊帳の外

ソニーが「ハリー・ポッター」の電子書籍日本語版を「Sony Reader」の目玉コンテンツとして独占販売するとの噂があるようです。海外版は「Pottermore」で独占販売されており、ソニーは同サイトと戦略的に提携中ですが、今回のことについては「ノーコメント」だそう。

紙の日本語版を翻訳・販売している静山社は「現在Pottermoreで販売されている各言語版は紙で出版されたものが使われている」そうですが、「静山社は一切絡んでいない。ソニー側が新たに翻訳を行った」と関係者。静山社の翻訳版は「表現が古い」「誤用がある」といった指摘もあるそうで、ソニーが新訳版を提供することでフレッシュ感を大々的にアピールするのではとの予測。

また、ハリポタ日本語電子版がEPUBで発売されると日本における電子書籍フォーマットの勢力図にも強いインパクトを与えるかもしれないとのこと。さらに、著作権保護の有無(海外版はフリー)が出版関係者の意識に影響をおよぼす可能性もあるとか。

楽天、電子書籍参入の余波

こちらは昨日楽天が正式発表したKobo導入の影響予測記事。注目したい内容は以下の通り。

・端末の販売で利益を上げるつもりのない楽天に対し、家電量販店幹部からは悲鳴に近い声が
・ソニーは現行機種の値下げ、もしくは低価格帯の新端末を投下せざるを得ない状況
・自前で端末まで販売し始めるとなれば、楽天とソニーが真っ向から競合するのは必至
・BookLiveが今秋にもNEC製端末で自らサービスとハードを統合した事業を始める(自前の端末を持たなければ存在感が薄れてしまうという危機感から)
・幅広く販売したい出版社と、独占的にコンテンツを手に入れたい電子書籍事業者のせめぎ合いが繰り広げられていく
・いまだ旗幟鮮明にしない出版社の行方が、勝負の帰趨を決めることになりそう

ハリポタの独占販売は一時的には効果があるかもしれないけど最終的にはどうだろう。日本語コンテンツは現状どんぐりの背比べだとしても、端末の価格差、マルチプラットフォームの弱さ、紙の本の流通を手がけていないことなども影響を与えそう。とにもかくにもAmazonの動向いかんですかね。ソニーが楽天とAmazonにどこまで大胆な対抗策を打ち出せるのかに注目です。って、東芝もNECもスルーかよ。

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