iPod/iPhone対応ドックスピーカーシステム「Olasonic TW-D7IP」を試す（2）

初回のレビューから一ヶ月以上も経過してしまいましたが、今回は「TW-D7IP」の音質についてなど。

「クリアでコクがある音」というのが第一印象。ボキャブラリーがないのでうまく表現できないんですが、奥行きを感じさせる解像度の高さに強さが加わった感じとでも言いましょうか。ジャズ・フュージョン系の楽器毎の定位がはっきりした楽曲などで、その実力を体感できます。神保彰氏のアルバムなどがサンプルとして最高。彼のドラミングのすごさが空気を通して伝わってきます。

とまあ、文章にしてしまうとこんなもんなんですが、前々からD7IPの高音質化の理由が知りたくて、色々調べてたんですが、ぶっちゃけよくわからなかったんですよね。そんなこともあって音質編のレビューが滞っていたんですが、そこに来て、先日エントリーした、DigiFi誌No.7付録の「USB・DAC付きデジタルアンプ」について、東和電子の山本社長ご自身よりご案内をいただきまして…。

これ幸いと、山本社長にD7IPの高音質化の理由について教えていただきたいとお願いしてみたところ、なんと快諾。開発者の皆様交えてお話ししてくださると言うことになり、昨日、東京オフィスにお邪魔してきちゃいました。

ミーティングには山本社長の他に、Olasonicの生みの親でもあるハード・ソフト設計部の森田勉氏を始め、Olasinic事業室の川崎博愛氏、同事業室の黒沢智明氏、商品企画担当の渡辺篤氏など、そうそうたる面々。うっかりして写真取り忘れてしまいましたが、現在発売中のDigiFi No.6の24ページで山本氏、川崎氏、森田氏のご尊顔を拝めます。

ちなみに、東和電子の皆さんはソニー出身者が多く、山本社長ご自身もオーディオ畑。実質的なOlasonicの生みの親である森田勉氏は、かつてソニーで「QUALIA 007」や「サウンティーナ」の開発を手がけたオーディオのエキスパート。そんな森田氏に「D7IP」の高音質化のヒミツを聞きました。

まずは「細かいモノやコトの積み重ね」。2010年発売のS7から地道に、基盤やパーツ、回路の見直し等、地道に改良を続けてきたのだと。実は森田氏的にはS7がひとつの完成形であったそうですが、こうすればもっと良くなる、ああすればさらに良くなるという思いがその後の商品展開並びに高音質化へと繋がったのでしょうね。

それと、電源アダプターの違いが大きいそうです。iPodやiPhone本体の充電にはパワーのあるACアダプターが必要で、結果的にそれがレギュレータ（5.2V）の安定化に繋がり、電圧効果（蛇口の口径みたいなたとえも出ました）が大きくなって、最終的に高音質化に繋がっている、みたいなお話だったような…（録音し忘れてうろ覚え。すいません）。

D7IPに限ってはiOSデバイスへの対応のため、若干多めに電力は消費するけど、その分音は良くなったということみたいです。ま、実際には3.5Wが4.2Wになるレベルで、それもあくまで電源アダプタ使用時の話。USBのバスパーのみの場合は前機種2.5Wで横並びになります。