野口氏が語るソニーの電子書籍事業~端末とコンテンツは切り離せない

ソニーが語る電子書籍事業(上) 成功を収めた米国での事業を振り返る
ソニーが語る電子書籍事業(下) 成功を収めた米国での事業を振り返る

米ソニーの野口氏が米国での電子書籍ビジネスを振り返るコラム。日経エレクトロニクスが2010年6月に発行した別冊「電子書籍のすべて」に掲載した内容の一部抜粋とか。以下、気になるコメントをさらに抜粋。

  • 1社だけではなかなか市場が立ち上がらない。複数の企業が出てくるとユーザーにとっても安心感が生まれる。出版社にとっても同じで、ソニーとAmazonが競い合うことで協力的な姿勢になった。
  • 書籍データは音楽データに比べて容量が非常に小さくかつ単価が高い。容量が10分の1で価格が10倍だとビット当たりの通信料で100倍の差。実は電子書籍コンテンツは3G無線通信との相性が良い。
  • 端末の売り切りではなくコンテンツを含めたビジネスモデルが不可欠。通信料無料というビジネスモデルを維持するには継続してコンテンツを買い続けてもらいその利益で補っていく必要がある。端末とコンテンツを切り離して考えるわけにはいかない。

なるほど。電子書籍コンテンツが3Gとの相性が良いってのもうなずけます。Kindleとの激しい競争の中で実現、模索してきたソニーの米国におけるビジネスモデルは大変興味深いけど、それをそのまま日本で展開するのはやはり難しいのかな。そもそもKindleが日本に上陸してないし。シャープのガラパゴスと一緒に共倒れするようなことが無ければ良いのだけど…。

iconicon iconicon

【関連ニュース】
iPad や kindle、電子書籍を読む端末で苦しい結果に – japan.internet.com
書店はレコード店に次ぐ絶滅危惧種なのか?
コンテンツ供給者の都合で、消費者の意識は変わらない
電子書籍に読者は何を求めているか?