「第5回 ロジテック モノフェローズ セミナー レポート」で取り上げたロジテックの究極のBTイヤホン「LBT-HP04」シリーズですが、実機を試用してみたので感想をば。先日レポートしたように、フィット感重視の極小デザインと高音質を両立したとのことですが、実際それが実現できているかをズバッと評価したいと思います。
■パッケージと中身
パッケージはブリスター製でデザインもシンプルで良いのですが、中央部の商品名や特徴の記載でケーブルの短さが隠れてしまってます。全体が見えるようにしておけば、よりコンパクトさが訴求できると思うんですが…。
中身はイヤホン本体、専用クレードル、USBケーブル、USB ACアダプタ、イヤーピース(XS/S/M/Lの4種)、取説、ワイヤレス機器接続ガイド。なお、モデルによってはUSB ACアダプタが付属しないものもあります(その分安くなってます)。
■基本仕様
本体サイズは片耳で12×15×20(突起部分除く)、コントローラ部とケーブル含め、重さが全部でたった約13gと大変コンパクト。国内で販売されているBluetooth内蔵の一体型ヘッドホンは色々ありますが、イヤホンタイプでここまで小さく軽いものは、国内未発売のソニエリ「HBH-IS800」や今月発売のプラネックス製「BT-07AHS」、バッファローコクヨサプライの「BSHSBE07ABK」ぐらいかと。
Bluetoothは2.1+EDRのClass 2。対応プロファイルはA2DP、AVRCP、HSP/HFPと一般的で通話と音楽別々に台の機器とを同時接続可能となっています。リチウムイオン充電池内蔵で連続待ち受け時間は最大90時間。音楽再生/通話時間は約4時間/約4.5時間となっています。
右耳用の本体に充電コネクタがあり、付属の専用ケーブルまたはクレードル経由で充電します。充電中はコントローラ部のLEDが赤色に点灯。完了後は消灯。コントローラ部のボタンは、電源ON/OFFやペアリング、音楽再生・停止や通話に使うマルチファンクションボタン、音量調節(短押し)兼早送り・戻りボタン(3秒長押し)の3つだけ。これ以外に、状態把握のためのLEDランプ、通話用マイクが内蔵されています。ケーブル長は約50cm。個人差はあるかもしれませんが、一応ケーブルは前にも後ろにもまわせます。
■ペアリングと基本的な操作
Blueotooth製品に必要なのがペアリング。コントローラ部のLEDが青点灯に変わるまでマルチファンクションボタンを8秒以上長押し。ペアリングしたい機器側から検索して、LBT-HP04を選択後登録。パスキー入力が促される場合は「0000」を入力。ペアリング完了後はLEDランプがゆるやかな青点滅になります。
なお、付属のワイヤレス機器接続ガイドで、iOS、Android、Windows Mobileならびに、ドコモ、au、ソフトバンクのBluetooth内蔵ケータイとの接続手順を丁寧に解説してくれてますので、これを読めば初心者が設定につまずくことはないでしょう。エコ的な観点はともかくとして、素直に親切だと思いました。
電源のオンオフはマルチファンクションボタンの4秒以上長押し。ピロピロ~って音が再生されますのでイヤホンを耳に装着した状態でもオンオフが耳でも確認できます。ペアリング済みの機器がある場合は、同ボタンの短押しで再生・一時停止(ミュート)が可能。
参考までに、バッテリーが残り少なくなるとイヤホンから警告音が再生されるようになります。ポンポンポーンみたいな音が定期的に十数回再生されたのち、自動的に電源がオフになりました。ちなみに、アラートが再生されてから5分と保たないのでバッテリー残量には要注意。
■個人的な感想
まずは本体について。何はなくとも小型軽量なこと。持ち運びのしやすさは手持ちの数あるBluetooth製品の中でナンバーワンです。デザインは個人的には好みですし、作りも大変しっかりしてり質感も高いです。
装着感についてはちょっと微妙。密着感はそこそこあるんですけど、ベストなリスニングポジションが想像していた以上にピンポイントなんですよね。自分の内耳のカタチも影響するでしょうし、もちろんイヤーピースとの相性もありますが、音がはっきりと聞こえるポジションを探す必要がありました。
逆にベスポジが見つかると、その密閉構造のおかげで音漏れしにくいというメリットも。同居人に確認してもらったんですが、感覚的に音漏れしてるだろうなあと思える音でも大丈夫でした。
ケーブルはマットな質感でからみにくく取り回しもしやすいんですが、外出先で服とのこすれが原因でイヤホンがはずれてしまうことがままありました。これも個人差が出るところでしょう。4種類付属するイヤーピースがうまくフィットしたらある意味ラッキーかも。
でもって、肝心の音質なんですが、これが微妙…。10mmのドライバー搭載ってことで、サイズの割に低音はでてるんですが、全体的にもやがかかったようなこもった音なんですよね。でもって、この低音が影響してか、高音が弱く全体的に解像感にかけるんです。唄モノなどは低音が前に出すぎてボーカルが引っ込んでしまいます。
手持ちのBluetoothヘッドホンで唯一の一体型となる防滴仕様のネックバンドタイプのステレオヘッドセット「DR-BT160AS」と聞き比べると解像感の差に驚きます。BT160ASのドライバーユニットは9mmで、低音こそHP04ほど出てませんが、全体的にバランス良く鳴ってくれます。言い悪いの判断は難しいのですが、好きか嫌いかで言えば、正直あまり好きな音ではなかったです。
音についての感じ方は十人十色だし、エージングによる自分自身の聴力変化や低下などもあります。音質については感じ方も人それぞれですし、ソニーのチューニングに慣れきった自分の耳がダメになってることも考えられます。ということで、気になる人は是非店頭などで実際の音を確認させてもらうことをお勧めします。一番信用できるのは自分自身の耳ですから…。
あと細かい話しですが、未装着時のマルチファンクションボタン操作時に自分の指でLEDが隠れてしまい、状態が確認しにくいと感じました。LEDの位置は、指が干渉しない位置にしてほしかったところです。
バッテリー残量がほとんどわからないのもつらいです。フル充電で通勤・通学が片道2時間なんとか保つ計算。不意のバッテリー切れを回避する意味でも、未使用時にはこまめに充電したいところ。会社が充電可能な環境であれば仕事中に継ぎ足し充電しておく方が安心でしょうね。
それと、クレードルはアイデアとしては素晴らしいのですが、端子がきつすぎるのか、取り外しがしにくいです。無理に外そうとして破損なんてことになったら悲しいので設計的に微調整して欲しいところです。
【12/22追記】送信側の機器をポケットに入れている時など、通信が途切れることがままありました。サイズがサイズなので受信が弱いのかも。Bluetoothが一番苦手なのは人体と良く聞きます。このイヤホンの場合は送信機器の持ち歩き方にも多少の工夫が必要かも。
なんだか褒めたのは最初だけでそこから後はほとんどダメだしみたいになってしまいましたが、サイズ感&ポータビリティはとにかく秀逸。究極のイヤホンを目指してがんばったロジテックさんのチャレンジには拍手を送りたいです。ロジテックさんはこれからもBluetooth商品に力を入れていくそうなので、色々な意味で今後に期待してます。
最後になりますが、このような機会を設けてくださったロジテック並びにみんぽす関係者の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。
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