スポーツ仕様のBluetoothステレオヘッドホン「DR-BT160AS」を試す

大変遅くなりましたが、Bluetooth2.0+EDRに対応した防滴仕様のネックバンドタイプのステレオヘッドセット「DR-BT160ASicon」のプチレビューをお届けします。ちなみに、コードの露出が一切無い一体型はBT50に続いて2機種目で、防滴仕様のBluetoothヘッドホンはソニー初でございます。

■パッケージと本体デザイン

海外のS2シリーズの流れなんですかね。パッケージがそれっぽいです(画像で男性が腕につけているDAPはもしかしてiPod?)。中身はヘッドホン、イヤーピース(S/L)、ACアダプター、取説。アダプターのプラグはBT50やBT15、CDウォークマン付属のものと同じ。

ハンガー部で両耳の後ろに来る黒いパーツがこのヘッドホンの大きなデザイン要素。このパーツにBlueotooth関連の回路やアンテナ、バッテリが入ってるわけですね。

左耳側にACアダプター用のプラグがあるので、おそらくこっちにバッテリーが入っているんでしょう。また、主な操作は右耳側のジョグスイッチから行なえます。

イヤーレシーバーはカナル型でイヤーチップには最新のハイブリッドシリコンイヤーピースを使用。ただし、イヤーレシーバー部に限っては防滴仕様では無いそうです。汗水が付着したら乾いた布で拭き取って乾燥させろと取説に書いてありました。

ちなみに、内蔵バッテリーの充電は左耳側のパーツ下部にあるゴムを外してACアダプターのプラグを差し込んで行います。スポーツでの利用の際はこのゴムがしっかりと止まっていることを確認したほうが良いです。なお、バッテリー残量は他のシリーズ同様、電源が入っている状態でPOWERボタンを押すことで点滅する赤色のLEDで確認できます(多い:3回>2回>1回:少ない)。

■ペアリング

この手の機器につきものなのがペアリング。組み合わせて使用する機器を接続相手として登録してあげる必要があるわけですが、これまでのソニー製は一体型(BT50など)やレシーバータイプ(BT15)いずれも、ペアリングモードに入るには電源ボタンを長押しする必要がありました。

ところが、BT160ASは電源ボタンとは別にペアリングボタンがもうけられているんです(上中央画像参照)。これが大変重要というか大きな特徴。電源を落とさずに、すぐにペアリングモードに移行できるからです。ペアリングは一般的には初回の一度だけですむものですが、自分のように複数のBlueooth機器を、その時々で様々な組み合わせで使う場合に、ペアリングし直さないと動かないケースが出てくるんですよね。そうした時にこのペアリングボタンが威力を発揮するというわけです。

あと起動時やペアリングモード時に出る音が変わりました。「ピポッ」みたいな味気ない音じゃなくて、「ポロン」みたいなジングルになってます。これは良いです。使えた組み合わせは、ウォークマンA829単体、ウォークマンA800+NWB1、iPod/iPhone+各種BTドングル、BT搭載携帯電話(W54T)の他、オーディオ(A2DP)をオーディオ機器、ハンズフリー(HSP/HFP)をW54SやiPhoneとペアリングして使うことももちろん可能でした。

荷物にはなりますが、ジョギングやウォーキングでも携帯電話を持ち歩くという人には便利だと思います。一番便利なのはauのSportioとかでしょうね。iPhoneもドングル使えばA2DP/HFP両方いけて便利です。

■音質

密閉ダイナミック型の口径9mmドライバーユニット(CCAWボイスコイル採用)搭載てことで、スペック的にはDR-BT20NX、形状的な部分と新イヤーピース採用という意味で出てくる音はEX76あたりと近い音なのでしょうか?持ってないのでよくわからないのですが、高音から低音までまんべんなく再生している印象はあります。耳障りになる帯域も感じられず、むしろモニターヘッドホンっぽいという意味でスポーツに向いているのかも。

ボリュームはおよそ15段階。難聴防止からかMAXでもそれほど大音量ではないです。音割れもありません。ただ、音漏れはすごいです。MAXはもちろん、10程度でもかなり音漏れします。5程度で聞こえない感じですが、これだと音量がなさすぎてもの足りません。後述する装着時の問題を含め、通勤や通学で使うにはいろんな意味でつらいと思います。

また、感度やノイズの量などは、組み合わせて使う送信機器(ドングル)側の場所(胸ポケットとか尻ポケットとか鞄の中とか)や送信機側そのものの性能でも左右されるようです。ちなみに、水分を多く含む人体が間に入ると電波がとぎれることが良くあるそうです。Bluetoothの大敵は水分らしいので。ちなみに、色々使ってきましたけど、ドングルはソニー製が一番優秀だなあと感じますです、ハイ。

■装着感&操作感

ソフトなかけ心地で耳への負担を軽減するエラストマーハンガーとネックバンドの併用がポイント。確かにハンガーとバンドのバランスが絶妙。安定した装着感の実現はここにあるみたいです。

ただ、首を後方に動かすとフード付きの衣服など、着る衣服によってはハンガーが干渉します。また、満員電車などで使う場合は後頭部に注意。座席後部の壁にハンガーが干渉するおそれもありです。

ジョグレバーは、上下左右は操作しやすいが、プッシュ(再生・停止)はハッキリ言って操作しにくいです。なお、ボリューム最大&最小時にアラートが鳴るようになってました。

スポーツでの利用については、ジョギングやウォーキングに最適と思われますが、実際に試してみると風切音が気になりました。イヤーピースのシャフト部がもろに風を受けるからでしょうね。室内のバイクトレーニングには最適でした。

ちなみに、見た目が奇抜なので目立ちそうに感じるが、意外にそうでもないですね。でもって、長時間の装着でも疲れないです。いずれにしても、装着感については体格差からくる個人差が大きいと思われますので、購入を検討中の人は店頭などで実際のかけ心地を試してみるのをオススメします。

■その他気がついたこと、雑感

外した時の扱いに困るかも。ジョギングなど、自宅を出てつけっぱなしのまま帰宅できるなら良いが、出先で使うような場合の収納というか、持ち運び方法が難しいです。(人にもよるが)使わない時は首にかけておける、装着したままイヤーピース部だけを外せるのが多少救いかも…。

心配していた、黒いパーツのひんやり感もプラ製のためほとんど無いので冬場のアウトドアユースでも使えそう。ただし、左右の黒いパーツ内側にある6カ所のビスへの汗の付着が気になる。汗が一番付着しやすい場所にビスがあるのが今ひとつ解せないが、長持ちさせるためにまめに拭き取るべしてな感じ。

ここまで軽量で一体型のワイヤレスヘッドホンはなかなか無いし、便利は便利なんですが、良くも悪くも、使えるシーンが限られるヘッドホンであることにはかわりなさそう。スポーツ以外のシーンでは、周りの人に迷惑のかからないマナーある使い方が必要だと思います。

iconiconスポーツジムに通っている人で長時間バイクやランニングマシンを使う人や、主に交通量の少ない場所でのウォーキング(散歩)やランニングが日課になっているような人にはとりあえずオススメできそうなんですが、万人にお勧めとは言い難いです。これで価格が数千円なら試しに買ってみたらどう、ぐらいの話ができそうなんですが、軽く1万オーバーですからねー。

また、ウォーキングやジョギングで使う場合は送信機側の持ち運び方についても考えないといけません。自分のカラダが最も障害物になる可能性があるので、送信機器をどう持ち歩くかがこのヘッドホンを快適に利用する鍵になると思います。(距離的に一番近くなるアームバンドを使うのが一番ベストっぽいのですが、その距離感ならわざわざワイヤレスにしなくても、という話も出てきますしね…)

結論としては、かなり微妙になってしまいましたが、個人的にはちゃんと目的があって買ったのでそれなりに満足しています。実際、サーキットトレーニングジムではバイクのお供に使ってますし、今後はウォーキングやジョギングのお供にも使うつもりです。

(ちなみに、08/11いっぱいでサーキットトレーニングジムが経営難で閉鎖。一年がんばって通ったのにー!不景気の影響はこんなところにも…)