ASCII.jpの新連載、「時事ニュースを読み解く “津田大介に聞け!!”」で、ソニーが欧州向けに発表した新型ウォークマンがATRACを捨てた理由について津田さ大介さんが考察。
・(iTS以外の音楽配信サービスでは)音楽ファイルのフォーマットはWMAがスタンダード。「音楽配信サービスにATRACを食い込ませるのが難しい」「それならわざわざ音楽プレーヤーでも使うこともないよね」という話だと思う。
・(ATRACフォーマットを利用した音楽配信サービスは)ほとんど知られていない。それ以前に欧米では、(ATRAC採用の)MDも定着しなかった。MDがもう少し広まっていたら、話は違っていたかもしれない。
・もはやフォーマットでユーザーを囲い込む時代は終わった。アップルがAACの採用でそんな囲い込みを解放した。ソニーはそれに負けたというのが結論。
・(ソニーのWMA採用について)ソニーとしては、どちらかといえばアップルの対抗勢力に付いたほうがいいと考えているのではないだろうか。
といったところが津田さんの見解。また、携帯音楽プレイヤーの今後については、「バッテリーや音質、ガジェットとしての魅力で競争していくことになるだろう」とか。ウォークマンの日本市場戦略については、ATRACをすぐにやめられないため、「将来的にはATRAC、AAC、WMA、MP3などに対応した”全部入り”」プレーヤーが出てくるのではないだろうか」と予測なさってます。
まあ、アップルは採用するフォーマットがオープンでも別なカタチ(ソフト&サービス)でちゃんとユーザーを囲い込んでますもんね。One of themになったソニーはハードの魅力だけでどこまで勝負できるのか。欧米市場でのウォークマンはこれからが正念場なんでしょうね。
にしても気になるのが今後の日本向けの製品戦略。SonicStage絡みではバイオにも影響するし、ATRAC絡みではネットジュークへの影響もありますもんね。ATRAC/SonicStageを残しつつ、WMAのDRMにも対応なんてことになると、逆に面白いことになりそうです。これぞ真の全部入りですもんね。ウォークマンとNapster、意外に相性良かったりして~。
【追記】ウォークマンの戦略転換はもしかしたらDLNA絡みのことも影響しているのかもしれませんね・・・>ついにやってきたDLNA時代
【関連ニュース】
・DRMどころかEPNも嫌いだ
・ロックもポップスも「ちゃんとした音」で ”マニアお断り”オーディオイベント