ソニーの復活は果たしてホンモノか

ソニー、業績回復基調はどこまで本物か
業績好調のソニー 真の復活はなったのか

7/26にソニーが発表した2007年4~6月期の連結決算を考察。前者はCNETでお馴染みの超眼さんのコラムで、後者は日経BPで動画による解説となっています。いずれも、円安による為替益260億円を過去最高益の大きな要因としてあげており、トータルで見た場合にには“完全復活”とは言い難いとの見方のようです。

【米国・SIGGRAPH 2007】高速演算性能 “Cell Computing Board”を技術出展 – 高速処理化・小型化・低消費電力化を実現 –(Sony Japan)

ゲームビジネス、とりわけPS3については厳しい見方が多いですが、その心臓部たるCellを使ったマルチメディア・コンピューティングへの新たなソリューションの提案をソニーとして行うようです。「小型化・低消費電力化」という部分に期待です!

GoogleやApple、2007年ブランドランキングで急進

こちらは、BusinessWeek誌とブランドコンサルティング会社のInterbrandが発表した世界ブランドランキングに関するニュース。ソニーはブランド価値が12,907(単位:100万ドル)、対前年比ブランド価値伸び率が10%で25位にランクイン。ちなみに、Googleが20位、Samsungが21位で、何かと比較されるAppleは33位、任天堂は44位だそうです。Googleの伸び率44%は驚異的ですね…。一方でSamsungの伸び率が4%ですから、ソニーの10%という数字はかなり健闘しているのではないでしょうか。

運と機会を味方に「1人でも企業を変えられる」–出井氏が贈る起業家へのメッセージ

こちらは米企業が主催するイベントに出演した元ソニーCEOでクオンタムリープ代表取締役である出井氏へのインタビュー記事。上に出てくるGoogle、Apple、Samsung、任天堂について、時にソニーと比較しつつ独自の視点で言及なさってます。「ソニー創業者の盛田氏をそばで見ることもできたあなたは、1人の人間が企業を変えられると思うか?」という質問に、「可能と思うがタイミングが重要」とこたえる出井氏。また、最後の最後に出てきた「結局は運がモノをいう」というコメントもインパクト高し。起業家に向けたメッセージとしてはあやふやすぎると判断したのか、進行役の人が、「強運の持ち主になるように努力しながらも、ちゃんと明日のことも考えなさいということですよね」とフォローを入れているのが印象的です。

実際のところ、ソニーの長い歴史の中でも運がモノをいってきたところもあったんでしょうね。もちろんその逆も。アナログからデジタルへの変革の舵取りを任され、激動の時代を乗りきってきた出井さんが言うからこそなおのこと説得力があるように思います。ちなみに、日経BPの経営者倶楽部でソニー創業者の盛田氏絡みの特集が組まれていました。ご参考まで~>「ソニー創業者」盛田昭夫が考えたこと 第1回

「結局は運」かあ。Blow in the wind、風任せ、け・せら・せら。いろんな言葉がありますが、かくいう自分もここ数年はそんな感じで生きてきたような。ソニーとの出会いもひとつの運命だったんでしょうね…。


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