といった、刺激的な見出しが目に飛び込んできたのはこの土曜日に朝日新聞に掲載された「変転経済~証言でたどる同時代史」の第10回目。
昨年2006年に出荷された携帯音楽プレイヤー8400万台のうち56%がいう驚異的なシェアを誇るアップルに対して、その十分の一にも満たない5%なのがソニー。ウォークマンを世に送り出したソニーがその他大勢に入っているということを図で示したといったところでしょうか。
記事ではウォークマンがiPodに取って代わられる複線が99年にあったとして、ソニーのネットワークウォークマン誕生の背景からMDが駆逐されるまでの経緯を紹介。ソニー関係者にとっては耳の痛い、ファンにしてみれば耳タコな内容ですが、悲しいかなこれが現実。
また、記事では99年にネットワークウォークマンを世に送り出した出井氏が描いた市場の未来図をアップルという異形のライバルが現実のものとしたとして締めくくっていますが、出井氏ご本人の証言をじっくり読んでみると、この問題の本質は必ずしもソニーだけに当てはまることでないことがわかります。
「小型化から臨機応変へ」とは記者の見方ですが、小ささそのものが付加価値になる時代はもう終わったのだと。デジタル時代にふさわしいモノづくりには、社内外の能力を臨機応変に結集させるシステム作りが必要なのだとか。
ソニーも、昨年の暮れあたりから、ノイキャン、高音質を売りに新機軸を打ち出し、売れ行き好調なビデオ再生対応のウォークマンA800ではNECのチップを採用、自社の技術だけに頼らない臨機応変さをすでに実証済みではありますので、できることならその辺についても言及して欲しかったところではありますね。
とはいうものの、個人的にはA800のヒットぐらいであぐらをかいてもらっては困るのです。音楽好きな自分がiPodを支持する最大の理由はまさにコレ(↓)なんです。
実際は&シャッフルですが…。iPodのHDDタイプは今となっては持ち歩くのにも勇気がいるのですが、iPodのiPodたるゆえんはココにあるし、音楽ファン・アーティストの支持を受けたのもこのコンセプトがあったからこそ。アップルがHDDタイプのiPodをラインナップし続ける理由もうなずけます。
ウォークマンにも、我が家ににある音楽を全部入れて持ち運びたいんです。8GBでは全然足りないんです。ソニー的には今後HDDウォークマンの開発は無いそうですが、フラッシュメモリの大容量化により、ゆくゆくは何百ギガの容量を持つメモリタイプのプレイヤーも出てくるのでしょう。
アップルと同じことをしてもつまらないという気持ちもあるかもしれないですが、自分としては検討して欲しいのですよね…。幸い、ソニーにはネットジュークというノンPC製品を持っています。音楽を全部ネットジュークにいれ、さらにその全部をいつでもどこへでもウォークマンで持ち出して聞く。そんな単純な音楽の楽しみ方を提供してくれないものでしょうか…。
【関連ニュース】
・オンライン音楽で最も影響力があるのは、スティーブ・ジョブズ
・アップルのフラッシュメモリ消費、総出荷量の25%に–DRAMeXchange調査
・Windows MediaのDRMを解除するソフトの最新版が登場
・「iPodは1つのフォーマット」――ソニー、iPod周辺機器に本格参入