つぶやきの「60年代ロック・アルバム・ベスト100の1位は…」と「70年代ロック・アルバム・ベスト100の1位は…」で取り上げた、レコード・コレクターズですが、創刊25周年の第3弾でこれが最後となる特集「80年代ロック・アルバム・ベスト100」が掲載されている2007/7号をゲットしました。
お約束になってますが、手持ちのCDでベスト100に入っているものをピックアップ。ちなみに、トップ5はTalking Headsの「Remain In Light」、U2の「Joshua Tree」、Scritti Polittiの「Cupid & Psyche 85」、Donald Fagenの「The Nightfly」、Policeの「Synchronicity」の順でした。この辺はまだかわいいもので、100位までの顔ぶれは実にバラエティ豊かで、ほとんど耳にすることがなかったアルバムも多いっす。産業ロックの類が少ないのも実にレココレらしいです。
話は変わりますが、上の一番右の写真はいわずもがなのDonald Fagenの「The Nightfly」ですが、下のディスクがなんだかわかりますか?これ、CD Videoなんですよ。パイオニアのLDプレイヤーなどで再生できたんですよね。当時の自分のプレイヤーは忘れもしないソニーのマルチディスクプレイヤー(MDP)。懐かしいなあ…。あ、でもソニークロニクルには載ってないモデルでした。
80年代は音楽・映像メディアがレコード(アナログ)からCD/LD(デジタル)へと急速にシフトした時代でありますね。個人的にも学生から社会人へとコマを進め、オトナへの道を歩き始めた時代でもあります。学生時代は貧乏でレコードを買うお金もなかったのですが、社会人になってからは欲しいと思うアルバムはガシガシ買うようになりました。
にしても、CDって出始めの頃はマジで高かったすよね。先のCD Videoなんてビデオパートが1曲、音楽パートが2曲しか収録されていないのに2,400円ですよ。ちなみにディスクが金色でした(下画像の一番左)。思えば、CDも邦楽洋楽問わず、みな3,200円ぐらいでしたね。そんな中、U2のCDなんて3,500円ですぜ、旦那。そういえば、当時は消費税も無かったんですよね…(遠い目)。
レコード盤ってどこか丁寧に扱わなくちゃいけないイメージがあったし、なにより埃のプチプチ音が気になって気になって仕方がありませんでしたが、CDは扱いも簡単だったしなによりあのプチプチノイズが一切無いということで当時の自分はそれだけですげー!って感じでしたから。
レコードからCDへの音楽メディアの移行は、業界にも実に様々な影響を及ぼしましたよね。音楽評論家じゃないので何がどう変わったとかうまく書けないのですが、その後のMTV登場を含め、80年代はまさに音楽の大量消費が加速した時代だったように思います。それは90年代のどのへんかまで続くのですが、今では考えられないほどアルバムが売れた時代でもありますよね。まあ、それが今ブックオフあたりで100円で売られているわけですが…。
自分にとっての80年代は、学生から社会人、ちょうど10代後半から20代後半までの期間が該当するわけですが、人間としても大きな変化というか、色々な経験を積み重ねつつオトナへの道を歩き始めた時代にもなるわけです。そんな時代に流れていた音楽って、良かれ悪しかれ、自分の思い出と一緒に真空パックされてしまうのでしょうね。人にはどんなに時間が経っても忘れられない音楽があるのはそういうことなんだろうなって思いますです。
80年代の自分の音楽的な好みというか嗜好も時と共にかなり変化したように思います。ハードロック一辺倒だった高校時代が一転、クリスタルな学生時代はまさにAOR全盛。これが、社会人になるとパンクやテクノ、ニューウェーブへの拒否反応もあってが、いきなりの先祖返りというか、ブルース方面に趣味が変わってしまいました。
極めつけはルーツ探しの旅。26歳ぐらいだから、まさに80年代の終わりですね。メンフィスとニューオリンズに一人旅です。前者はブルース発祥の、後者はジャズの発祥地として有名ですが、この2つの都市のライブハウスを毎日何軒もはしごして過ごしました。メンフィスではSun Studioに行ったり、プレスリーのグレースランドにまで行って墓参りまでしてきました。ちょうどU2が「魂の叫び」というドキュメンタリーを作った頃と同時期で、そのドキュメンタリーで彼らがグレースランドを訪れるシーンがあるのですが、それをみて、U2もオレと同じでルーツ探しの旅に出たんだなあ…なんてことを思ったりもしたのですが、まったくおこがましいヤツだな当時のオレ。
その後の自分は仕事が忙しくなって、どんどん音楽に無関心になっていくのですが、80年代後半から制作現場にもデジタルの波が押し寄せ、シンセや打ち込みが多用されるようになってきたことも無関係では無かったかもしれません。自宅にあるCDも90年代にリリースされた新作は圧倒的に少ないです。
それが再び音楽に目が行くようになったのは、やはりiPodの登場、これにとどめを刺します。iPodの何がすごいのかをここで語るつもりはないですが、自分と同世代の人たちならわかりますよね、きっと。ソニー(&フィリップス)がCDを生み出してくれたおかげで音楽がより身近でカジュアルなものになり。アップルがiPodを生み出してくれたおかげで新しい音楽の楽しみ方が出てきたんだろうなあ…。ということで、順番的には今度は…(たのんますね、ソニーさん)。
と、相変わらず後先考えずに書いているので、何が言いたいのかさっぱりわからなくなってますが、まあ、所詮はつぶやきなので…。
#ちなみに、今回のつぶやきはランクインしたCDを聞きながら書きました。久々に聞いたけど、良いわあ、John Hiatt。39位にRy Cooderファミリーが参加した「Bring The Family」がランクインしているんですが、これレコードでしか持ってないんです、自分。とういうことで、速攻でCDを注文しちゃいました。
#で、John Hiattを聞いたら無性にRy Cooderの「バップ・ドロップ・デラックス」が聞きたくなってCDラックを探したのですが見つからず…。どうやら人に貸したままになっているらしく、たぶんもう帰ってこないと思ったので買うことにしました。ちなみに、8月に限定版でリイシューされるみたいなのでそれ待ちにします。ということで、ファンの人は要チェックかと。
#John HiattにRy Cooderときたら、忘れちゃいけないのがスライドギターの名手Sonny Landrethというわけで、デビューCDを引っ張り出してきて聞いてます。そういえば、自分のエイプリルフールネタでSonyをSonnyって書いたことがあったけど、この人はそのまんま名前がSonnyですよ、もう。発音的にはたぶんサニーなんでしょうけど。だから何ってわけじゃないんですけどなんか書いておきたくなったので…。
#あと、オレ的に80年代の最高傑作アルバムは、Willson Borothersの「Another Night」(はるかに上にある画像の一番右)です!って宣言するつもりだったけど、CDをまじまじと眺めてみたら1979年だったのでやめます。レンタルレコードでテープにダビングしたものをそれこそ、テープが伸びきるまで聞いた記憶が、99年にCD化されたときは泣いて喜んだんですよね…。で、何の気なしにアマゾンでこのCDの在庫を調べてみたらなんと2006年に再プレスされていたんですね。もう大好きなアルバムなので保存版として注文しちゃいましたよ!って、完全な病気だな、オレ。
#70年ベスト100のつぶやきで、Nirvanaの”Smells Like Teen Spirit”が80年代のトップ10に入るかもしれないと書きましたが、このアルバムは90年代の作品でした。でも、90年の100があったら間違いなく入ると思いまーす。
【関連ニュース】
・【インタビュー】角松敏生が語る、音楽を聴くすべての人に届けたいメッセージとは
・ヤフーとiTunesの連携で浮かび上がる構図
・サザンオールスターズがヒットすると、4分の3の確率で夏相場は上昇