SONY vs ソニー = ストリンガー氏 vs 中鉢氏?

ストリンガー改革、出足から「ソニーvs.SONY」の様相
ソニー会長、英紙に不満表明・「事業整理の熱意ない」

先週発表された中期経営方針の策定段階で、ストリンガー氏と一部の日本人幹部が対立していたことが英フィナンシャル・タイムズによるストリンガー氏へのインタビューでわかったそうです。ストリンガー氏はインタビューで、「(ソニーには)不採算事業を整理する熱意がない」などと不満を述べたほか、追加的な事業見直しの可能性も示唆したとか。また同氏の「もっと人員削減を」との主張に対し、中鉢氏が「これ以上減らすと優秀な技術者までいなくなる」と難色を示したなど、トップ同士の緊迫したやりとりが行われたとする記述もあります。これらの出来事を「SONY対ソニー」の構図と表現。株式市場関係者の間では、これらのことが原因となって一連の改革が鈍るのではとの懸念も浮上しているとか。関連して以下のようなコラムも。

ソニーの説明責任とは

ソニーの中期経営方針ははっきりした新ビジョンを示すまでには至らず、株式市場への説明責任をとりあえず果たそうとしたように映る。ソニーファンに向けての説明責任が十分にまっとうされたとは言いにくい。(中略)ブランドを生み出し、ファンを引き寄せてきたソニーには、そのブランドを信じさせ、ついてこさせた責任がある。「It was a SONY」と言わせないでほしい。

ソニーのヒット商品史

だが、94年発売の「プレイステーション」を最後に、辞書に1項目を立ててもらえるような画期的な新商品を送り出せずにいる。

結局のところ、ソニーは過去の遺産だけで食いつないできたってことなんでしょう。実際、大ヒットした製品もそれほど多いわけではないんですよね。やはり、CD等の規格のライセンス収入が相当大きな力になっていたはず。自ら革新的な技術を開発、それをもってして市場を作り、先行して製品を投入。競合他社が競争力を持ち得る頃には投資を回収し、次の製品・技術開発へとコマを進めているみたいな流れがあったのでしょう。独自規格が業界標準になりビッグビジネスへ繋がる。だからこそPS3というかCellコンピューティングへ積極的に投資しなければならないし、ソニーグループとしてもコミットしていくということなんでしょうね。

カンパニー制が導入されてから相当年月が経っているし、内部的にはまだまだ様々な対立構造が残っているのも当たり前といえば当たり前だと思います。ただ、それをトップの人間が公の場で軽々しく口にすべきでは無いとも思います。その手の調整は一般消費者の見えないところでやっていだだければ良いのです。何を書いているのか訳わからなくなってしまいましたが、やっぱりソニーには製品そのもので勝負して欲しい。一連のニュースやコラムを読んで自分はそんな気持ちになりました。


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