ACCESS+Palm Source=新デジタル家電プラットフォーム誕生?

ACCESSに聞く「なぜ、Palmを買ったのか」

昨日発表されたACCESS社によるPalm Source買収について、ITmediaがACCESS社マーケティング本部長の大石氏に突撃インタビューを敢行したようです。

衝撃的な発表から今回の当事者インタビューの内容を読み解く上で、Project Palmの機長さんによるロングコラム(久しぶりに読めてうれしい)「寝耳にACCESS」がとても参考になります。

個人的には、ACCESS社が携帯電話市場だけでなく、デジタル家電の組み込み分野でも圧倒的な存在感を持っていることに注目しています。何より、同社の立ち位置が、特定の業界や企業の政治力などに左右されないという意味で、オープンであることが大きい。お望みならばドコモさんにもauさんにもボーダフォンさんにも、ソニーさんにも、アップルさんにも同社の技術をご利用いただけますってことですもんね。

国内のケータイキャリアも、国内市場が伸び悩んでおり、海外に市場を求めていくみたいなニュースもあったりするわけです。海外に打って出るならやっぱりPalm OSは無視できないでしょう。

そんなこんなで、すわPalmOS搭載スマートフォンの登場か、みたいな話になっちゃいますけど、一方でPSPやロケフリTVのように組み込みのWebブラウザとしてすでにACCESSのNetFrontを採用している製品もあるわけです。NetFrontのベースにあるネットワークテクノロジーとPalm OSの融合で、とてつもないデジタル家電向けプラットフォームが誕生するかもしれないわけですよね。ACCESS社からライセンスを受けたメーカーが全く新ジャンルのデジタル家電を開発する可能性も無いこともないですよね。

ソニーという会社で考えれば、クリエビジネスは終わってしまったけど、全く違う分野の製品に今までとは別な形で再びPalm(呼び名は全く変わるかもしれませんが…)が採用される可能性が出てくるわけですよね。ポータブルオーディオにしても、多機能化のベクトルにネットワークやカスタマイズ性という方向はあるだろうし。極論すれば、Palm搭載ウォークマンだって、Palm搭載テレビだって、Palm搭載サイバーショットだって可能性としてあるわけですよね。NetFront採用済のPSPなんて、一挙に飛躍する可能性が出てきたではないですか。想像しただけでなぜかわくわくしてくるんですけど、そんなの自分だけですかね。

でも一番問題なのは、そういう全く新しいプラットフォームをソニー自身が作れなくなっていることかもしれませんね…。

関連して、本日公開された大阪PalmIIIの100万アクセス&7周年記念特別企画「現在の日本のPalmOSユーザーを取り巻く状況についてあなたが思うこと」前編」も必読。NAS芹沢氏の

私の知り合いのCLIEユーザー数人は、CLIEがもう出なくなるというのを聞いてからというもの、なぜか他のSONY製品すら買わなくなっています

というコメントはインパクト大きいです。


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