中身のないプレステビジネス、中身ありきの中国盛大の新ゲーム機

短期集中連載:E3を振り返る(1)SCE 中身欠くPSP・PS3、爛熟期のプレステ2

ソニー、任天堂、マイクロソフトが相次いで次世代ゲーム機の情報を公開した世界最大のゲーム見本市「E3」の現場で実際には何が注目され、来場者が何を感じていたのかを米国人フリーライターのクリス・コーラー氏が振り返るというコラム第1段としてSCEのプレステが取り上げられていました。展示はPS3中心の展開でPSPの存在感のなさが際だっていたであるとか、PS3のモックを見た来場者の多くがスパイダーマンの題字と同じフォントを使ったロゴやコントローラーの形状をみて失笑していたであるとか、次世代機のXbox 360が明らかに小さく見えるほどPS3のサイズがデカいであるとか、過去の国内メディアの報道では見られなかった内容に少々驚きました。また、ビッグタイトル目白押しの現行機(PS2)が絶好調であるが故に、困難な移行期の到来が予想されるであるとか、マイクロソフトと任天堂の追い上げによって現在の圧倒的な市場シェアを切り崩される可能性が高いなど、安穏としていられないぞとSCEに釘を刺す形で終わっているのも面白いと思いました。

新ハード発表、セガ初出展、DS初登場などサプライズ満載のチャイナ・ジョイ

こちらは、ファミ通による上海で開催されたゲーム関連のイベント「チャイナ・ジョイ」のイベントリポートなんですが、中国最大手のゲームメーカー「盛大」が、ゲームだけでなく、映像配信や音楽配信、ショッピングなどすべてが楽しめる家庭用ゲーム機を開発していることを発表して話題になっていたそうです。詳細な発表こそなかったものの、3つのカテゴリー(娯楽、生活、求知)あわせて国内外48社との提携が発表され、娯楽分野ではタイトーやコナミに交じってアップルの名前も挙がっていたとか。また、生活分野では旅行会社、天気予報、不動産屋が、求知分野では人材派遣会社や教育テレビ局が名を連ねているそうです。同社のゲーム機開発とゲームメーカー以外の提携の意図などについてファミ通の記者は、

家庭内の娯楽を新ハードで掌握することだと思えてならない。映像配信、音楽配信、ゲーム配信、そしてショッピングなどすべてが新ハードで楽しめる。プレイステーション3やXbox 360が目指す方向性と似ている気がするが……提携会社の職種を見ると、両ハード以上のコンテンツが期待できそう。何よりも、ハードより会社の提携をさきに発表したことが非常に興味深い。

とコメント。「コンテンツありきの姿勢」を高く評価していました。単なるハードスペックとゲーム以外のエンターテイメント機能については今ひとつ詳細が見えてこないPS3とは全く逆のアプローチってことなんですね。ハードもソフトも海賊版が横行している中国では、PS2もNDSもまさにこれからが勝負というところ。むしろ次世代機などまだまだ先の話となれば、国内企業でも同じ土俵にたてるって事で、ソニーや任天堂にだって充分対抗できるってことなのかもしれませんね。


パワードコムなど、STBでVODやカラオケが楽しめる「Powered Theater」

こちらは、光ファイバ回線とセットトップボックス(STB)を利用して映像配信やゲーム、カラオケなどが利用できるサービス「Powered Theater」に関するニュース。洋画、邦画、アニメ、テレビドラマに加えて、お笑いコンテンツも提供していくとか。この手の動きが活発化すれば、DVRにSTB機能を内蔵するという動きに繋がっていくのでしょうか…。

10年後のエンタメすら飲み込む能力があるとするPS3ですが、ゲーム機以外にも競合する製品が出てくることを念頭に置かないといけないのかもしれませんね。いずれにしても、広げた広敷に包むものが無いという事態にだけはならないで欲しいです。

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