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ハイビジョンクオリティ推進で快進撃が続くソニー

ビジュアルグランプリ2008:金賞インタビュー ソニーマーケティング

ソニー製品を売る仕事を担うSMOJ代表取締役社長の宮下次衛氏へのインタビュー。ハイビジョンクオリティ推進が功を奏し、快進撃が続いている(ホントか?)その理由に迫ってます。ちなみに、ビジュアルグランプリ2008ではBRAVIAが金賞、BDレコーダー新製品が銀賞に輝いた他、技術賞として有機ELの商品化が高く評価されたようです。

今後のテレビの方向性で、アクトビラをあげていらっしゃるのが個人的には残念というかなんというか。そこはロケフリなんじゃないんですかね・・・。

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ロケフリ Home HD 体験レポート~有機ELテレビ「XEL-1」との組合せ編

iconiconロケフリ Home HD (LF-W1HDicon)の体験レポートも3回目。今回は有機ELテレビ「XEL-1icon」との組合せについてレポートしたいと思います。寝室のBRAVIAに繋いでいた受信機を自分の部屋に移動。前回同様の手順でHome HDの受信機をHDMIケーブルでXEL-1に接続後、電源を入れるだけで使い始められました。送・受信機間はおそらく直線距離で6~7m程だと思います。

準備編の間取り図をご覧いただければおわかりの通り、送信機が置いてあるリビングと自分の部屋の間には、寝室と違って障害物となる壁やドアが多いのですが、それでも非常に安定した伝送が行われているようです。右下の画像はロケフリの使用時に、リモコンの「リモコンガイド」や「レート変更」ボタンを押すと表示される受信感度アイコンです。ケータイで言うところのバリ3です。また、廊下のドアと自分の部屋の開き戸を閉めた状態で試してみたところ、感度は一段階下がったものの、画面が乱れる、つまりは伝送がとぎれるようなことは一切ありませんでした。

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ところが、これがロケフリ旧製品である「LF-X1」だと結構厳しいんですよね。かなりの頻度で画面がブラックアウト、つまり伝送がとぎれることがあります。ところが、Home HDの場合は、自分の部屋で使い始めてから何日も経つのに、今の今まで一度も伝送がとぎれたことはないんです。それほど、Home HD搭載のセクターアンテナが優秀ってことなんでしょうね。

lfhhd_10.jpgXEL-1で見るロケフリHome HDの絵は、BRAVIAの時と同様、個人的には十分すぎるクオリティ。有機ELパネルの優秀さもあるでしょうが、画面か小さいこともあって、詰まった感じに見えるのも関係しているのかもしれません。ちなみに、HDMIケーブルで接続した場合のHome HDの映像信号は1125i(1080i)でした。また、ソニー製品同士の組合せということもあり、BRAVIA同様、Home HD付属リモコンの設定を変えることなく、電源のオン・オフやボリューム操作ができるのも良いです。

ところで、自分は今回のレポートの前置きエントリーで、ロケフリ Home HDは有機ELテレビと非常に相性がよいと書きました。実際、上に書いたようなロケフリそのもの使い勝手はBRAVIAでもXEL-1でもそう変わりありません。言い換えれば全く同じ使い勝手だとも言えます。が、しかし、しかしです。XEL-1ぐらい小型になると、テレビとそれを使う人の関係みたいなものが変わってきます。

こちらの記事で紹介しましたけどXEL-1開発者の酒井さんは、「人がテレビを中心に動かされているという生活スタイルを有機ELを使うことで変えたい」と語っていらっしゃいました。そんな思いから生まれたXEL-1の思想はまさにロケフリの考え方そのもの。さらに、酒井さんは有機ELパネルを使えば人間の生活にあわせられる動的なテレビを作れるとして、一例としてロケフリという選択肢もあるかもしれないと語っておられます。

iconiconXEL-1は画面サイズが11インチの軽量でコンパクトなテレビで、地デジアンテナも内蔵されています。場所に縛られずにハイビジョン放送を楽しいんでもらいたい、という思いがなければアンテナが内蔵されることも無いですよね。ただ、地デジの電波を、それも家の中で安定して受信できるような環境はなかなか手に入るモノではありませんし、実際に構築するのも大変です。

そんな時にこそ、ロケフリ Home HD。

って、どこかのクスリのCMみたいですね。XEL-1でテレビを楽しむには有線のテレビアンテナもしくは内蔵アンテナを使う必要がありますが、ロケフリ Home HDの受信機と組み合わせれば、外部機器がチューナー代わりに使えるのでアンテナ線が一切必要ありません。ロケフリの電波が届く範囲なら、どこでも手軽にハイビジョン放送が楽しめるということになります。

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実際は、テレビと受信機以外にそれぞれのACアダプターとHDMIケーブル、そしてリモコンも必要なのでそう単純な話ではないのですが、これをBRAVIAの20インチでやろうと思うと結構大変なことになります。ということで、XEL-1の中にロケフリの受信機機能が内蔵された時に真の動的なテレビが生まれるんじゃなかろうかと思うわけです。

と、ここまで書いて気がつきました。それってロケフリ「LF-X1」のハイビジョン版じゃんかと。ベースステーションと専用モニターがあらかじめヒモ付けされ、ひとつのシステムとしてエアボードブランド時代の最後を飾ったのがLF-X1でした。受信機としての機能がモニター自体に内蔵され、しかもバッテリーで動いて、バーチャルリモコンまで使えるんです。これほどの動的なテレビが他にあるでしょうか。

XEL-1のあの筐体サイズにデジタル放送のチューナーが詰め込まれているのなら、ロケフリのシステムとバッテリーを入れるのもそんなに大変じゃないですよね…(<簡単に言いすぎ?)。大型化が望まれるソニーの有機ELテレビですが、スタパ齋藤さんがおっしゃるような小型で高画質のテレビへの取り組みもさることながら、ロケフリの受信機機能を内包した新ジャンルの商品にも果敢にチャレンジして欲しいなと、XEL-1とHomeHDの組合せを使ってみて思いました。

ロケフリ Home HD 体験レポート~設置&カンタン設定編

前回のレポートは準備編と言いつつ、ロケフリ Home HD「LF-W1HDicon」の送信機をリビングのスゴ録に、受信機を寝室のBRAVIAに接続したところまでをはしょってお伝えしてしまいましたが、ここで改めて設置の手順を整理しておきます。

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【送信機】
・スゴ録(送信元となる機器)に送信機をD端子ケーブルで接続(スルー出力は液晶テレビへ)
・スゴ録のリモコン受光部に信号が届く範囲にAVマウスを設置
・ACアダプターをコンセントに挿す

【受信機】
・付属の専用リモコンに乾電池を入れておく
・BRAVIA(受信元となる機器)に受信機をHDMIケーブルで接続
・ACアダプターをコンセントに挿す

以上の非常に少ないステップで設置完了。送信機も受信機もACアダプターをコンセントに挿した段階で自動的に電源が入り、接続を開始します。接続されているかどうかは両機の全面にある「LINK」インジケーターで確認できるのですが、それだけではよくわからないのでスゴ録とBRAVIAの電源を入れます。BRAVIAを受信機を接続した入力に切りかえ、スゴ録の映像が映っていれば成功。

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設置さえできてしまえば電源オンから1分もかからずに使えるようになってしまいます。もちろん、この後スゴ録(外部機器)をコントロールするためにリモコンの設定をする必要はあるのですが、ネットワークタイプのロケフリのようにクライアントの登録やら何やらをする必要はありません。基本的には電源を入れるだけ。なんの苦労もなく、すぐに使えるようになるのがロケフリ Home HDの素晴らしさです。オフィシャルサイトにあるイラストはそれを実に良く表現しています。

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なお、取説に書いてあったのですが、受信機とテレビをD映像ケーブルまたはコンポジットケーブルで接続している場合にのみ、接続するテレビの画面タイプを設定してあげる必要があるようです。とはいっても、リモコンの「設定」ボタンを押して16:9か4:3のどちらかを選択するだけなのでカンタンです。

最後に、受信機側からスゴ録(外部機器)を操作できるようにするための設定を行います。これがまた親切丁寧設計なんです。外部機器のリモコンを用意してから、ロケフリ付属のリモコンの「設定」ボタンを押し、「リモコン設定」>「外部機器の選択」>「かんたん選択」に進みます。以後は案内に従うだけ。、PK20同様、外部機器のリモコン信号を読み取り、自動的にどのメーカーの機器かを割り出してくれるのです。ちなみに、こちらもPK20から実現された機能ですが、外部機器のリモコンをそのまま使えるようにするリモコンスルー機能も用意されています。

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付属のリモコンもしくは、外部機器のリモコンで操作可能になったら、あとは使い倒すのみ。今回の場合は全てがソニー製品なのでロケフリ付属のリモコンで、BRAVIAの電源オンオフ、ボリュームの上げ下げから、スゴ録の基本操作までできました。ロケフリ機器に特有の遅延こそあって、操作に若干のコツを要する場面もありますが、それ以外はほぼ完璧。寝室のテレビにスゴ録が繋がっているかのような錯覚を起こしてしまいます。

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画質については、標準レート(3:最大レートは4段階の4)で個人的には全く申し分ありません。我が家はリビングのWEGAも寝室のBRAVIAも720pまでのハイビジョンテレビなので、MPEG-4 AVCエンコードのクオリティでも十分キレイ。それより何より、リビングにしか配線していないBS放送が寝室でも見られるというのが大きいです。テレビアンテナが無い、もしくは制約や諸事情でアンテナが引き込めないような部屋でもテレビ放送を、それもハイビジョン放送をそれなりのクオリティを保ったまま楽しめるのが今回のロケフリ Home HDの最大の魅力だと思います。

iconiconちなみに、リビングの送信機と寝室の受信機間の直線距離は約5~6m。リモコンのレート設定でレートを最大の4にしても、感度はバリ3、というか最大を示しています。しかも、サンプル機をお借りして、初めて電源を入れてから、Home HDの電源を入れた状態で伝送がとぎれたことは今の今まで一度もありません。しかも、我が家は他のロケフリベースステーションやら無線LANのアクセスポイントがゴロゴロしています。そんな状態で、一度も伝送が不安定にならないということは、それだけセクターアンテナが優秀ということなんでしょうね。だてに6本あるワケじゃないって事ですね。(反対に5GHz帯を使っているX1のベースステーションが不安定になることがしばしばありました。ロケフリ機器を複数を使い分ける場合は周波数帯を考えた方が良いかもです)

準備も設置も手間いらずで操作もカンタン、なおかつ映像のクオリティも高いロケフリHome HDは、これからのセカンドテレビのあり方や使い勝手を大きく変えてくれる素晴らしい製品だと思います。

lfhhd_06.jpg※蛇足ですが、これが我が家のAVマウスたちです。たまに両面テープがはがれたり、テレビ裏の配線を動かしたりした時に、明後日の方向を向いている時があります。そうなると当然ロケフリで外部機器をコントロールできなくなります。前にも書いたことありますが、AVマウス自体がバッテリ内蔵で、ワイヤレス(Bluetooth?)対応になって、1つに集約できて、なおかつリモコンの信号のやりとりが速くなったら言うこと無いです・・・ってさすがにそれは無理ですか?>ロケフリ開発チームの皆さん。

極私的有機ELテレビ「XEL-1」体験レポート(2)~説明するのが難しい画質編

繰り返すようで申し訳ないんですけど、有機ELテレビ「XEL-1icon」、素晴らしいです。前回の最後に書いたように、見慣れちゃうと液晶パネルでテレビを見るのがつらくなってきます。自慢したいとかそう言う事じゃなくて素直にそう思うのです。今年のSDC2007のレポートでも書いたように、理屈じゃない何かが有機ELテレビにはあるんです。だからこそ、この素晴らしさをどう説明してよいのかと悩んでしまいます。

以前も紹介しましたけど、AV評論家の麻倉怜士さんがソニーの有機ELテレビについてこんな風に語っておられます。(ITmedia +D LifeStyleの「CEATECで見つけた3つの次世代トレンド」より引用)

有機ELの凄さとしてはまず、100万対1のコントラストが挙げられますが、数字に表せない絵的な凄みもまた、自発光という構造からもたらされているのです。コントラストだけならば、液晶でもシャープのメガコントラスト液晶のように二重パネルなどの手段で高めることができるので、100万:1という数値自体はさほど驚くべきことではありません。発光原理に起因する、黒の沈み・再現性が有機ELの本当の凄さなのです。XEL-1の画素数は約50万画素(解像度は960×540ピクセル)で、これはフルHDのちょうど4分の1です。画素数としては少ないですが、精細感もあって造形力が高く、繊細な映像を作り出しています。これこそが、高コントラストが演出する有機ELのパワーです。

iconicon自分はこの解説を読んでXEL-1を買う決意をしたわけですが、テレビは決して解像度だけで決まるものではないのだという事を学べたことは大きいです。今まで液晶テレビで自分が見ていた黒は黒じゃなかったんですね。麻倉さんの言う「数字に表せない絵的な凄み」は、(実際は微妙に違うのかもしれないけど)絶対的な黒の表現力にあるということでもあるのでしょうか。いまだに有機ELの原理を理解できないSPAですが、現物を見ると黒がキレイなのが本当によくわかります。

で、現物をご覧になったことのない皆さんに、この黒がどれぐらいキレイなのかを見ていただきたいと思い、デジカメで実際の画面を撮影してみました。自分はカメラのこともよくわかっていないのでこの方法が正しいやり方かどうかはわからないのですが、こんな方法しか思いつかなかったんですよね。比較対象は我が家のリビングにある液晶ベガの32インチ(KDL-L32HVX)で解像度は1366×768。有機ELテレビ「XEL-1」は960×540。いずれも、PS3をHDMI接続して、信号は720pまでに制限しています。

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PS3にダウンロードしたスパイダーマン3の予告編(MPEG4 AVC)、マトリックスのDVD、冨田ラボのBlu-rayビデオの3つを素材に使いました。テレビが置いてある部屋は違いますが、部屋の電気は消してカーテンを閉め、他の光が画面に映りこまないようにし、映像にポーズをかけた状態でα100+マクロレンズで三脚を使ってほぼ同じアングルで撮影。加工ははトリミングと縮小のみ行いました。

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スパイダーマン3は黒と赤のコントラストが印象的なシーンを抽出。微妙にフレームが異なりますが、XEL-1の方が黒味にツヤがあるように思えるのですが、どうでしょう。また、コスチュームの赤が黒い影によって素材感を増しているようにも思えます。気のせいか?

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こちらのシーンでは、上から降りてきた黒いスパイダーマン(よく知らないんですけど)のコスチュームの黒にツヤがあるような無いような・・・どっちだ。ちなみに、上の2点の画像のみ有機ELテレビ側が消費電力が「減(暗)」の状態のまま撮影してしまいました。これを「標準」にしたらもっとコントラストがあがったのかもしれません。

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マトリックスは、トリニティーの黒いスーツが映えるシーンを抽出。解像度はWEGAの方が上ですが、こちらもスーツの黒にツヤを感じます。また、有機ELの高コントラストからか、背景のコンクリートの柄がはっきり見て取れます。

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冨田ラボコンサートはキリンジとの競演シーン。縮小しすぎてあまり違いが感じられないですかね。ペイントソフトのスポイトツールなどを使うと黒の深みがわかりそうなわからなそうな・・・どっちだ。でも、実物を見ると明らかに違いがでるんですよ。このコンサートのステージは赤が基調のデザインなのですが、この赤が本当にキレイなんです。

いやー、やはりデジカメ画像で有機ELの画質を説明するのは難しかったです。そして言葉で説明するのはさらに難しいです。ソニーが700台を店頭展示するのもそういうことなのかもしれません。液晶やプラズマがポピュラーな日本市場で、有機ELのテレビCMを流すというのも、これまた矛盾してしまうというか・・・。まあ、自分のボキャブラリーがないのが一番の原因かもしれませんけど。まあ、とにかく難しいと思いましたです。

ということで、こんなレポートでもしも興味が沸くようでしたら、是非是非、お近くの電気店やソニーのショールームで現物を見てみてください。普段、液晶テレビを使っているとわかりやすいと思います。

それと、日経BPのTech On!にも「XEL-1」のレビューが掲載されてます。11/29現在は以下の記事がアップされており、入手から開梱までを3回に渡りレポート。次回からはいよいよ本題のバラシレポートになるようです。

【有機ELテレビ分解その3】電源を入れ,地上デジタル放送を視聴してみる
【有機ELテレビ分解その2】中身を確認,箱の中にはさらに箱があった
【有機ELテレビ分解その1】あの有機ELテレビを入手

蛇足ですが、このエントリーを作成中に、ソニーマーケティングさんからXEL-1のカスタマー登録特典が届きました。ティーザー広告同様のデザインの箱がプレミアム感をそそります。中身はオリジナルリモコンホルダーで、XEL-1とマッチするデザイン。ただ、鉄製でめっちゃ重いです。プラスチッキーなリモコンには少々不釣り合いかも・・・。

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ロケフリ Home HD 体験レポート~準備編

ロケフリ Home HD「LF-W1HDicon」体験レポ第1弾は準備編。ということで、まずはパッケージ内容を紹介していおきます。箱は3色刷りで側面に製品ロゴや製品の概要が印刷されています。中身はとてもシンプル。送・受信機が各1台とそれら用のACアダプターが2つ(16Vで仕様は全く同じ)、リモコン、そしてD端子ケーブルとHDMIケーブルが一本ずつ。なお、実際に出荷される正規品とはケーブルが異なります。D端子&HDMIケーブルは付属せず普通のコンポジットケーブルが2本入っているそうです。また、正規品に同梱されるはずのマニュアルはカラーコピーで別途いただきました。

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PK1やPK20などのロケフリNetwork商品はベースステーション(送信機)や対応クライアント(モニターやTVボックスなど)が単体で販売されていますが、Home HDは送信機と受信機があらかじめセットになっているのがポイントですね。この送・受信機はあらかじめペアリングされているため、ロケフリNetwork商品のようにいちいちクライアント機器を登録する必要が無いんです。

iconicon通信は無線LANを使用しますがデータのやりとりは送・受信機間だけでしか行われない排他な関係になっています。これが、家庭内LANやインターネットを経由して使えるロケフリNetwork商品群との最も大きな違いになります。排他なシステムだからこそ著作権に配慮したハイビジョン伝送が可能になるというわけですね。

次に、送信機と受信機の仕様を確認してみましょう。これがまた実にシンプルなんです。背面の写真が今ひとつわかりにくいので、パッケージ側面のイラストを使わせてもらうことにします。

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従来機のベースステーションに当たる送信機(左)は、ロケフリNetwork商品とは異なり、チューナーを持たず外部機器入力を一系統備えるだけです。映像はコンポジットとD端子のみで音声は一般的な赤白のステレオのみ。D端子はD1からD4信号まで対応しています。同じ端子のセットが2つ並んでいますが、一つは入力端子に接続した機器の信号をスルー出力するためのものです。

これ以外に、ワイヤレスチャンネルの切りかえスイッチと外部機器のコントロールに必要なAVマウス用の端子があるだけ。ちなみに、前者は他の無線LAN機器との干渉回避に使うものです。いわゆる周波数の切りかえスイッチですが、基本は環境に合わせて自動的に最適な周波数を選択してくれる「オート」モードで問題ないと思います。

受信機(右)の出力は送信機と同じコンポジットとD端子のセットに加えHDMI端子が用意されており、接続するテレビに応じて使い分けることになります。HDMIの場合は受信機側でアナログ→デジタル変換が行われるようです。受信機には接続するテレビの仕様に応じてD1からD4までの信号を切り換える「D映像切りかえスイッチ」が用意されています。D端子付きブラウン管テレビなどに接続する場合に使うことになるのでしょう。

これ以外に受信機にはイラストに記載のない端子がひとつあります。インターネット接続が基本のロケフリNetwork商品とは違い、Home HDは排他なシステムゆえ、いわゆるネットワーク経由のアップデートができません。なので、PC経由でダウンロードしたプログラムをコピーしたUSBメモリーを受信機背面のソフトウェア更新用USB端子に挿してアップデートするそうです。送信機側でなく受信機を使うというのがなんだか不思議な感じがします。なお、更新時は送・受信機共に電源を入れておく必要があるそうです。ちなみに、11/27現在でHome HD用のアップデータは公開されていません。

ということで、前置きが長くなりましたが、送・受信機の仕様が確認できたらあとは設置するのみ。SPA家の現在のAV環境の中にHome HDを組み込んでみます。言葉で書くよりチャートを見ていただく方が早いですね。過去の体験レポートで作ったSPA家のロケフリ環境にHome HDを追加したのが下の図です。

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ごちゃごちゃしてわかりにくいかもしれませんが、Home HDのみを取り上げると実に単純。ハイビジョンスゴ録(RDZ-900A)のD端子出力をHome HD受信機の入力に接続して、スルー出力を液晶ベガに接続。寝室のBRAVIA20インチに受信機をHDMIで接続しただけです。

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ちなみに、以下はSPA家の現在の間取り図です。賃貸マンションの2LDK。スゴ録を含めメインの録画機器はリビングに集中しています。今回はリビングと寝室、そして、リビングと自分の部屋の2カ所でHome HDを実際に動かしてみてレポートにしようと思っています。

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リビングと寝室を隔てるものは壁一枚(行き来はふすまの開き戸)。リビングと自分の部屋を隔てるものはドア一枚(自分の部屋にも開き戸がありますが、いつも開けっ放し)ですが、直線距離の間には壁が複数あります。さてさて、こんなシチュエーションでハイビジョン伝送が果たしてうまくいきますでしょうか・・・って、まあうまくいくんですけど、これ以上書くと長くなりそうなので続きは次回に。

極私的有機ELテレビ「XEL-1」体験レポート(1)~開梱・設置編&1stインプレ

11/22に到着した有機ELテレビ「XEL-1icon」ですが、何やらとっても立派な箱に収められていましたよ。マットブラックベースの箱にシルバーカラーの文字。シンプルながら力強さを感じます。ちなみに、このパッケージは初期出荷分だけらしいです。力が入ってますねー。これもソニー流のおもてなしなんでしょう。(ただねえ、この手の箱は狭い我が家では邪魔で置き場所にいつも困ってしまうのです。折りたたんでしまっておける作りにしてくれないもんでしょうか)

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側面下部のプラ製のロックを外し、ケーキ箱のように上蓋を外すといよいよ本体とご対面。有機ELパネル部には丁寧にスエード調のカバーが。にしても、何から何まで真っ黒くろすけです。でもって、本体を取り上げると、その下にある箱に取説や付属品一式が入ってます。

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付属品はいたってシンプル。ACアダプター(16V)、アンテナ用同軸ケーブル(2.5m)、本体スタンド用背面カバー、アンテナ端子キャップ、クリーニングクロス、それと画像には映ってないですがリモコンやB-CASカードが同梱されてます。ACアダプターは一般的なバイオノートやロケフリ(X1)のそれと同等でサイズもかなり大きめ。これ、微妙な大きさなんですよね。でも、まあ仕方がないです。テレビ自体が宅内の好きな場所に持ち運べるサイズなので、もう少しコンパクトにして欲しかったところ。

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ブラック&シルバーな本体。スタンド部のスピーカーに当たる部分に貼ってある保護シートをはがし、スタンド部背面のスロットにB-CASカードを差し込みます。これに、アンテナケーブルとACアダプターを接続すれば普通にテレビとして使えることになります。

開梱時はまだ設置場所を決めていませんでしたので、ひとまず内蔵の地デジアンテナで試してみることにしました。本体スタンド部の背面にあるアンテナを伸ばし、同じく背面にあるアンテナ切りかえスイッチを「内部」にしてから電源オン。自動的に「かんたん設定」モードに突入。スキャンはせずにキメうちで地域設定を行うも、内蔵アンテナでは電波の入りが悪く全く映らず。

ということで、後ほど自分の部屋に持っていき、ちゃんと壁からアンテナケーブルを接続。アンテナ切りかえスイッチを「外部」にして電源オンで無事、地デジを受信することができました。その後、有線LANケーブルを接続してWebブラウザを試してみたり、HDMI端子にPS3を接続してみたりしましたが、いずれも問題なく動作、あるいは画面が表示されました。まあ、当然といえば当然ですね。(テレビ以外の機能や外部機器との接続については後日また改めてレポートします)

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そうそう、XEL-1のリモコンはシンプルかつコンパクトなんですが、ツヤのある黒いプラスチックベースなので、指紋などが大変気になります。ということで、100円ショップに売ってるリモコンカバー(Sタイプ)を買ってきてパックしました。ドライヤーの熱ではあまりうまくいかなかったのですが、あとでハロゲンヒーターを使って仕上げたらそこそこうまくいきましたよ。また、これ以外にもXEL-1用にグッドなアイテムを100円ショップでゲットしてきましたがその紹介はまた後日。

iconiconそんなこんなで、23~24日の2日間かけて、ひとまずは自室で「XEL-1」を普通にテレビとして使えるようになりました。自分の部屋ではBSアンテナが使えないので、今のところは地デジメインで使ってますが、それでも有機ELパネルの実力を十二分に堪能できております。ちなみにですね、自分の部屋でXEL-1とにらめっこした後に、リビングの液晶を見るじゃないですか。そうすると、液晶がものすごーく暗く、眠たく感じるんです。ブラウン管を彷彿とさせる有機ELの輝度やコントラストに目が慣れてしまったからなんでしょうね。やっぱすごいです、有機ELって。