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秋なのに真夏のようだった野音のキリンジライブ

連休最終日となる昨日、日比谷野音のキリンジライブに足を運んできました。少し前の予報だと雨だったのですが、昨日の東京は真夏のような暑さ。ライブで堀込弟が、雨に合う曲をチョイスしてそれっぽくアレンジしてきたのに降らないよー・・・みたいなことを言っていたぐらいです。まあ、それでも日が暮れてからは、時折涼しい風が吹き、曲と曲の間で虫の音が響き渡る、夏の終わりと秋の訪れを五感で感じられる、実に風情のある素晴らしいライブとなりました(あの虫の音がセミだっらと思うとぞっとするものがありますが・・・)。なによりビールが美味かったっす。

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野音どころか屋外ライブは初めてだったようで、嗜好を凝らした曲のセレクトやアレンジに、そこかしこにいるコアなファンがうなる声が聞こえてきましたが、個人的には、屋外ライブということでいつもよりもさらにゆったりと演奏されるスローなナンバーとか、ベースが細かく動かない4つ打ちリズムの曲が聞きやすかったように感じました。特に良かったのが、今年の夏の異常な天気を象徴するタイトルの「クレイジー・サマー」と、暖かさと懐かしさを感じるポップな新曲「今日も誰かの誕生日」。後者は9/25にダウンロード販売されるそうですが、キャッチャーなサビにメロメロでした。全体を通じて、堀込兄のギターカッティングと伊藤隆博さんのオルガンが気持ちよかったですー。サポートの面々も演奏力のある人ばかりなので安心して聴けるのがキリンジライブの良さでもありますね~(ロッテンハッツから2人とジューシーフルーツとNONAから一人ずつ!)。うーん、また行きたいなキリンジライブ。そして、いずれ出るのであろうニューアルバムも楽しみ!

ライブの後は、同居人とコリドー通りのパブ「ハブ」(ん?)で一杯引っかけて(<おやじか)早めに帰宅しましたが、実はキリンジライブの前に自分は銀座ソニービルに行ってきたのでした。目的はSDCであまりじっくり触れなかったウォークマンSと、この後レポート予定のEX700SLの音を再確認するため。祭日ということで人でも多く、オーディオのフロアではRollyのデモも行われていたので、じっくりとはいかなかったのですが、それでもSDCの時よりは時間をかけて確認できたので良かったです。

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ただ、EX700SLとPFR-V1の展示場所はあそこで良いのですかね。一応高級路線なんだから、展示場所も他とは少し差別化したほうが良いのでは。EX700は密閉型なのでまだいいですけど、PFR-V1は周りの音が思い切り聞こえますからね・・・。あれではせっかくの製品コンセプトも水の泡。誰がやったのかわかりませんけど、スピーカーのコーン片方は潰されてました。そういうトラブルを回避する上でも、比較的静音な場所で、大人のコンポと一緒にするとか、製品をしっかりアピールできる方法を考えた方が良いと思いますが、いかがなんもんでしょう・・・>ソニービルさん。(まあ、他のフロアをじっくり見たわけではないし、もしかしたら複数展示されている可能性もあるのですが、ヘッドホンコーナーがあまりに十把一絡げに見えたもので・・・)

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Sony Dealer Convention 2007 視察レポート(10)~ヘッドホンセミナー編(1)

ロケフリセミナー終了後、しばしの休憩をはさみ、ヘッドホンセミナーへと突入。このセミナーに限っては、1時間で「パーソナルフィールドスピーカー(PFR-V1icon)」と密閉型ヘッドホン「MDR-EX700SLicon」の二つの製品のプレゼンが行われました。前者は厳密にはヘッドホンではないのですが、ひとまずヘッドホンセミナーとしてくくらせてもらいました。

ということで、まずは「PFR-V1icon」について。コンベンション会場では、ほんの数分しかいられなくて、マイケルジャクソンの曲をほんの少し聴いただけでしたが、そこから出てくる低音にびっくりしたことだけはホームオーディオ編でお伝えしました。会場では視聴だけで技術的なことも聞けずじまいでしたが、慌ただしい中でもパネルの写真だけは押さえていたようで、まずはこの製品の特徴を知っていただくという意味でそちらの画像をご覧いただきたいと思います。

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「スピーカーユニットを耳介(じかい)の斜め後方に配置。中高音は直接音に加え耳介から反射した音が外耳道に届き、低音は新開発エクステンデッドバスレフダクトが外耳道に直接届けることで、リアルで臨場感あるサウンドが耳もとで力強く響きます」

とパネルに書いてありますが、わからない人にはなんのこっちゃですよね。今回のセミナーでは、このエクステンデッドバスレフダクトを採用した経緯や、このスピーカーがどういう過程を経て商品化されたのかが、オフィシャルサイトの開発者インタビューにも登場している山岸さんご本人の口から語られました。以下のレポートをお読みいただければ、このエクステンデッドバスレフダクトという名前にするとカッコイイ技術が実にアナログな驚きのアイテム活用により生まれたことをご理解いただけると思います。

さてさて、始めに自己紹介があり、山崎さんがいままでどんな製品開発に携わってきたかを説明してくださったのですが、「MDR-E484」、「SRS-N1000」、「SRS-GS70」って言われてすぐにその形を思い浮かべられる人がいたらたいしたものです。下はその画像ですが、これら以外にPC向けのアクティブデスクトップスピーカー「SRS-Z1」なども手がけていらっしゃったとのこと。そして、変わり種の肩掛けスピーカー「SRS-GS70」が今回のPFR-V1iconの開発に直接つながったようなのです。

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この後、簡単な製品の概要解説があり、先述のわかりにくいパネル解説を簡単に説明してくださいました。PFR-V1iconは、スピーカーが耳のすぐ前にあるから、スピーカー音が、あるものは直接、あるものは耳に反射して、合わさって鼓膜に伝わること。また、耳のカタチは一人一人違うから反射している周波数も違うんですって。だけど、自分の耳に反射して聞こえるからこそ、自然に聞こえるんでそうです。(10へぇー)

もっとすごいのが、エクステンデッドバスレフダクト。耳の前にスピーカーを持っている商品は何十年も前からあったそうなんですが、低音を出すためにスピーカー自体がかなり重くなってしまっていたそうなんです。PFR-V1iconはバスレフ型という機構を利用して、通常だとキャビの中にダクトが入るところを外に出し、エクステンデッドバスレフダクトという名のパイプを開発。このパイプを使って耳の穴に直接低音を出すことができたので100gという軽量化も実現できたのだそうです。また、軽量化ができたから商品化されたということでした。逆に軽量化できなかったら日の目を見ることはなかったってことですね。

また、どのオーディオの教科書にも書かれているそうなんですが、スピーカーというのは点音源が良いとされているそうです。そのためにはスピーカーは小さければ小さいほど良いとされているんですって。一般的なスピーカーは、ユニットの前から出た音、後ろから出た音、スピーカー自身のバッフル面からの反射音など、原音以外の音がたくさん加わるのだそうです。それに比べてPFR-V1iconは、原音以外の音ものっているのだけれども、小型で耳に近距離だということもあって、ひずみ感がわかりずらい(原音以外の音を感じずにすむということでしょうね)のだそうです。なので、本来スピーカーから”だけ”出ている音に非常に近い音が聴けるのだそうです。(20へぇー)

iconiconと、以上のような説明があった後に、PFR-V1iconが誕生した軌跡を、プロトタイプを使いながらその場で順を追って説明してくださったのですが、まー、これがすごかった。肩掛けスピーカー「SRS-GS70」の開発後、今でも継続販売中のアクティブスピーカーシステム「SRS-AX10icon」を手がけたそうですが、なにせ小型ですから低音が出ないと・・・。

そこで、会社の自販機にあるストローを持ってきて、半分に切って加工して、キャビにチューインガムのような粘着性のゴムで付けてみたと。それが下の写真の中央。基本的にはこれで開発完了だそうです(ここで一同大爆笑)。難しかったところはストローのカットだったそうで、この発言にも大爆笑でしたが、正味数分の出来事とはいえ、これがまさにエクステンデッドバスレフダクト誕生の瞬間だったということなんですね。(満へぇー!)

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で、このストローの付いた「SRS-AX10」から出る音を聞かせてもらったのですが、まあ、これが不思議と低音が出るんですよ。参加者一人一人が実際にストローを耳に当て聞いて確認しましたけど、自分を含め、皆、素直にびっくりでした。理屈はちゃんとあるんだけど、音は見えないですからね。その後、「ということで、開発費はほとんど0です」との発言にまたまた皆大爆笑。

ただ、実際はそこからが非常に大変な苦労の連続だったそうです。多少なりとも耳から離して使うということで、高出力のために磁気回路を強くする必要があり、ネオジウムマグネットは今使えるもので最高のものを使い、ただマグネットを強力にしてもダメなので磁性材料(だと思うのですが)を良くしないといけないということで、試作品に通常は鉄を使うところを値段が鉄の100倍もする「パーメンジュール」という合金を使ったそうです。

聞き慣れないこのパーメンジュールという金属、マニアックなホームスピーカーの数十万円する磁気回路に使われているのだとか。で、実際に音を聞いてみたらあまりに良くて、そこからもう後戻りできなくなってしまったのだそうです。実際、この合金を使うことで定価が5千円あがっているとのこと。試しに使ってみたものの、パーメンジュールが持つ特性も手伝って、結果的に良い音作りにつながったと、そういうことのようでした。

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以降は、音量のでないPSPやバイオで快適に使えるようにブースターを付属したこと、リスニングルームを手軽に持ち運ぶという意味で付属品が全部収納できる専用ケースを付けたこと、装着方法のコツ、などの説明がありましたが、その辺の詳細は割愛して、最後に商品化に苦労したエクステンデッドバスレフダクトの加工についての説明がありました。素材や塗装方法、難しい曲げ加工、などなど、耳に直接触れるパーツということもあって何度も何度も試作を重ねたそうです。また、低音がはき出される穴の向きが最終的には当初とは逆になるなど、商品化への道のりには実に多くの試行錯誤が繰り返されたようです。

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ちなみに、今回のセミナーで紹介してくださったエピソードの大半は、オフィシャルサイトの開発者インタビューでも読むことができます。自分は何分にも技術的なことはわかりませんので、そちらもあわせてお読みいただくことで、このスピーカーが生まれた経緯や、そこに込められた開発者の熱意を感じ取っていただけると思います。ということで、楽しいセミナー本当にありがとうございました>山崎さん。

iconiconこの「パーソナルフィールドスピーカー(PFR-V1icon)」、誕生の背景やその構造、音へのこだわりや、使用感を含め、非常にソニーらしいユニークな商品であることは間違いないです。自分も先立つものがあればという前提ですが、素直に欲しいと思いました。

あ、でもその前にまずは自分の家にある小型スピーカーにストローをくっつけてどうなるか試してみようかな・・・。

次回はいよいよ耳型職人登場のEX700SLセミナーのレポートです。

Sony Dealer Convention 2007 視察レポート(9)~ロケフリ編(後編)

コンベンション会場を後にしたSPAが向かった先は客室棟に用意されたセミナー会場。プロローグ編でお伝えしたように、自分が希望したセミナーは、14:30からのロケフリ、15:30からのフィールドスピーカー&ヘッドホン、16:30からのRollyの3つ。ということで、ここからはセミナーの模様を個別にレポートしていきます。まずは、ロケフリ編の後編としてロケフリセミナーの模様をレポートします。

セミナーは、今回発表されたハイビジョン対応ロケフリの商品説明、開発秘話的な内容を含む実機を使ったデモ、質疑応答という流れで行われました。会場前方にはプレゼン用のテレビとロケフリの受信機が接続されたデモ用のテレビが、後方に送信機とソース元のBlu-layディスクレコーダーなどが準備されていました。

冒頭の商品説明では、6本のセクターアンテナを搭載することでいかに安定したハイビジョン映像の伝送が可能かをパワポで解説。従来のベースステーションでは、2つの無線用アンテナを搭載しているそうなんですが、アンテナの指向性が広いため、希望波(クライアント機器とつながる電波ってことでしょう)と共に妨害波も受信してしまうことがあったそうなんです。今回の新製品はセクターアンテナ方式を採用。しかも6本という従来の3倍のアンテナを搭載することで、それぞれの指向性が狭くなり、妨害波の影響を受けにくくなることで希望波を安定伝送できるんだそうです。

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以上のような前振りがあって実機デモに突入。受信機を接続したテレビに、Blu-layディスクレコーダーと接続した送信機の映像(007カジノロワイヤル)が映し出されたのですが、画を見る限りはワイヤレスで伝送されてきていることを意識させない十分なクオリティ。その辺はコンベンション会場でみたものとなんら変わりません。と、ここで解説が入り、今見ている映像は後方にあるBlu-layディスクレコーダーからの画ではなく、別室にもう1セット送信機器を用意していて、そこから伝送しているとのことでした。

自分が前編で確認できなかった、壁などの障害物があった場合でも安定伝送が可能なのかどうか、ということをこの場で証明してくれたことになりました。ホテルの客室の壁がどれぐらい厚いのかわかりませんが、他の部屋でも無線機器が多数使われていることを考えても十分な性能といえるのではないでしょうか。我が家のような、リビングと寝室が壁一枚で隣り合わせの間取りであれば間違いなく余裕でしょうね。

(参考までに、15日に会場に足を運んだ、ゆーじゅさんから「SPAさんの記事の中で電波の干渉について心配されていたので聞いてみたところ、10Mbps程度出れば問題なく再生出来る仕様なのであまり心配する必要はないのでは?とおっしゃっていました。遮蔽物も6本のアンテナで良好な電波を選択しながら繋いでいるので無線LANが使える環境であれば大丈夫では?とのことでした。」とのご報告もお知らせいただいています。ご丁寧にありがとうございました!>ゆーじゅさん)

さらに驚いたのは次に行ったデモ。なんと、送信機に強制的に電磁波を浴びせ、セクターアンテナがどういう動きをするかをお見せしようというのです。電磁波を送出する機器は大人の事情があって、白布で覆われ見えないようにしてありましたが、そこから伸びたポールから至近距離でロケフリ送信機めがけてノイズを浴びせかけるという反則技(<販促技かも?)。

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ただ、ロケフリ自体は見たまんまのブラックボックス。本体カバーを外してアンテナを露出させたところで、どのアンテナが受信機とつながっているかわはわかりません。そこで用意されたのが、このデモのために開発したというアンテナと連動するLED付きの回路。これを送信機の上に装着して、実際に受信したアンテナがどれかを視覚的に見せてくれるというわけです。もう、そこまでやるかー。でも、すげーです。

従来のPK20と専用ロケフリモニターの組み合わせの後にHome HDで実演するという順番で、前者で試したときは障害によってモニターから出ていた画は瞬く間に消えてしまいました。その後のHome HDでは、障害波を放出後は最初の方は受信機側にまったく影響が出ずに、アンテナがこんなに優秀だったっけ?と関係者が驚く場面もありました。が、実は送出機器側のコンセントが抜けていて電源が全部落ちていたみたいなオチ(?)もあって、それが逆に場が和む要素になったりしました。とまあ、色々ありましたが、受信機側の障害が見て取れてからは、アンテナが切り替わる様子も確認できましたし、切り替わった後の受信側の再表示までの時間も非常に短かったように思いました。6本のセクターアンテナ搭載はダテじゃないということをこの実験を通じて証明してくれたということです。

下の画像はロケフリ Home HDの送受信機それぞれの背面です。すでにWebなどでも画像は出ていますが、従来のロケフリとは色々と違う点が見受けられます。受信機にD端子の切替スイッチ、送信機にワイヤレスチャンネル切替スイッチが用意されているのは、今回のロケフリが単体のシステムであることを象徴していますね。また、今回初めて受信機にUSB端子があることに気がついたのですが、質疑応答の時間に質問してみたら、これをファームのアップデートに使うらしいんです。それもポケットビットなどのUSBメモリー経由になるそうです。なるほどなあ。でもなんで送信機側になくて受信機側にあるんでしょうね。今気がついたので理由はわからずじまいですが・・・。

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こちらはロケフリ Home HDに付属するリモコンですが、これまた立派なものが付きましたよー。ソニーのテレビに付属する一般的なリモコンに近く、サイズもそれなりです。送信側がソニー製ならそれらに付属するリモコンと同様の使い方が出来そうです。また、任意の機能を割り当てられるFキーが4つ用意され、活用の幅がさらに広がりました。この他、PK20から採用されている各種学習リモコン機能もあり、他社製品であってもバリバリ使えるのは従来どおり。ソニーでは実際にたくさんの他社製リモコンを入手して、設定をデータベース化しているようですよ。いやはや、ご苦労様です。

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最後の質疑応答の時間では、色々な意見が飛び交ってました。後で気がついたのですが、このセミナーにはCNETのブログなどでご活躍中の渡辺聡さんクロサカ タツヤさんが参加なさっておりました。セミナー開催前からやけに難しそうな話をしている人たちがいるなあと思っていたのですが、それが彼らだったとは・・・(実はこの時に初めて安倍総理退陣のニュースを知ったのでした)。ちゃんとご挨拶しておけば良かったと反省することしきりです。

ちなみに、渡辺さん達のSDCレポートは彼らのニュースクリップサイト「techviews.jp」で読むことができます。簡潔なレポートですが、一介のソニーファンとは視点が異なるところもあって大変興味深いです。なお、今回のイベントでブロガー招待枠が用意された意図や目的などについて、SMOJ御子柴課長さんが彼らのインタビューにこたえていらっしゃいました。ご参考まで・・・>Sony Dealer Convention2007+マーケッターインタビュー

質疑応答で自分がたずねたのは、先述のUSB端子の件以外に、Home HDを含む複数台のロケフリが混在した場合は問題ないのかということと、AVマウスのワイヤレス化は検討していないのかということ。前者はそれぞれのベースステーションが干渉しないようにワイヤレスチャンネルを設定してあげればまず問題ないでしょうとのことで、後者は技術的に不可能ではないので今後の検討課題としたいとのことでした。

このほかにも色々と突っ込んだ質問をすれば良かったんですが、撤収作業や次のセミナーの準備もあるのでやめました。個人的には、日本独自の大人の事情を鑑みつつも、ロケフリの世界に見事にハイビジョンを持ち込んだソニーの技術陣に拍手を送りたい。そんな気持ちになったロケフリセミナーでした。

次回はヘッドホンセミナー編の前編として、「パーソナルフィールドスピーカー」についてレポートしたいと思います。

MDR-EX700SLの遮音性能は・・・

ソニーの最高級インナーイヤフォンの実力は? 16mmユニット搭載EXモニター。ソニー「MDR-EX700SL」

AV Watchの新製品レビューにソニーの最高級インナーイヤフォン「MDR-EX700SLicon」が登場。EX90SLの上位モデルとして10/20に36,750円で発売されるこの高級ヘッドホンをAV Watchがどう評価するのかに注目。細かい評価についではレビューをお読みいただくとして、やはり注目したいのはEX90SLでなにかと指摘の多かった遮音性能がどうかという点。これについて、レビューでは

音漏れについては、カナル型(耳栓型)と考えると多めだが、それでもMDR-EX90SL程は多くない。電車内であれば、さほど周囲を気にすることなくボリュームは上げられそうだ。もっとも、遮音性能がMDR-EX90SLよりかなり高いので、電車や地下鉄、飛行機などでの利用時にはEX90SLよりかなり快適に利用できるだろう

と解説してくれています。ということで、出先でも積極的に使えそうです。とはいえ、価格が価格ですから、断線などの不慮の事故には注意したいですね。

iconicon余談ですが、自分は12日のSony Dealer Convention 2007でこのヘッドホンに関するセミナーを受講してきました。講師はヘッドホン作るおじさんとしてNHKの番組にまで登場した五代目耳型職人、松尾さん。初体面の感動もそこそこに、質疑応答で遮音性能について質問したのは自分ですが、その時の模様については改めて後日レポートしたいと思いますので、もう少しお待ちくださいませ。

ちなみに、遮音性能についてはAV Watchの評価どおりと思っていただいてよろしいかと。(このヘッドホン、絶対買いますよ~、自分は!)

Sony Dealer Convention 2007 視察レポート(8)~パーソナルオーディオ編

雰囲気”だけ”怪しい「パーソナルフィールドスピーカー」ブースで会場視察に許された時間を使い果たしていたSPAでございますが、制限時間をオーバーしていた事実は、後日デジカメ写真のタイムスタンプで知ることになっただけで、その時の当人はその事実にまだ気がついておりませんでした。本来ならその時点でコンベンション会場から退出しなくてはいけなかったのですが、ソニー側で多少の遅延は計算済みだったのでしょうか。ひとまずその場は泳がせてもらっていたようです(<おとり捜査か)。

さておき、「パーソナルフィールドスピーカー」ブースの次はいよいよ「パーソナルオーディオ」ゾーン突入か、と思いきや、その前に「Rollyicon」ブースがお出迎え。そういえば、これ書きながら思ったけど、Rollyってホームオーディオの範疇なの、それともパーソナルオーディオの範疇なの、どっち?って、そのどっちにも入るからその中間に展示されてたんでしょうかね。ま、どっちでもいいか。

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すでに、9/10のお披露目パーティーで実物を見ていたし、この後、Rollyのセミナーを受講する予定でしたから完全にスルーしてしまっても良かったのですが、ブースにはあまり人影もなく、説明員さんも暇そうにしていたので話しかけてしまいました(<だから制限時間過ぎてますから!)。先日のパーティーでは、自分よりも確実に若い(と思われる)説明員さんが多かったように記憶していますが、今回の会場では落ち着いた感じの自分よりもあきらかにご年配と思われる方がアテンドしてくださいました。

先日のパーティーでは、数え切れないぐらいのRollyが用意され、それこそ、あちらこちらで同時多発的にデモが行われておりましたが、パーティーという性格上、Rollyの高音質性能とやらを確かめることは出来ませんでした。ということで、今回のような人が少なく比較的静かで落ち着いた空間でRollyの再生音を聴けるのは初めてになります。

ということで、パーティーに参加した旨と、今回はモーション抜きでとにかく音を確かめたいということをお伝えしてデモしていただきました。で、再生してくださったのがクラシックっぽい曲。ほーほー。なかなか繊細な音じゃないですか。小振りなRollyのこれまたさらに小振りなスピーカーは、クラシックのような繊細な音楽の方が意外に強いのかもしれませんね~。実際、Rollyのスピーカーがいくら高性能で、床面を利用したバッフル効果が期待できたとしても、ステレオ同様にブリブリの重低音が出せるはずはありません。

iconiconただ、あのサイズからあそこまでの音を、時には自ら高速でモーションしながら、破綻無く再生できちゃうRollyってやっぱりすごいなあって思いました。とはいっても出てくるものは見えない音。ユニークなモーション機能は動画でも確認できるけど、音を説明するのは本当に難しいですね。こればっかりは、実際に自分の耳で確かめないとわからないと思います。ちなみに、巷にあるアクティブスピーカーとRollyを比較してとやかく言ってもあまり意味ないと思います。根っこにあるコンセプトが全く違いますから。

小さいのに、良い音が出せて、なおかつ、軽快に動けるRolly。この新しい手のひらサイズのオーディオ商品は、驚くべきメカ構造が隠されており、たくさんの技術が詰め込まれていたのですが、それを知るのは後のRollyセミナーでのこと。詳しい話は「Rollyセミナー編」として後ほどレポートしますが、Rollyブースで説明員さんと話し込んでいる間にも時は流れておりまして、ついにしびれを切らしたカレンさんの担当さんから「もう時間ですので次の会場に移動してください」と言われたのがたぶん14:05過ぎ。

iconicon「はい。わかりましたー」って、ヤバイ。完全にヤバイ!だって、肝心のウォークマン「S710F/S610Fシリーズicon」を全然見てないんですもん。もちろんヘッドホンも。ということで、Rollyコーナーを抜け、真のパーソナルオーディオコーナーへと突入したSPAがとった行動は・・・って、次回に続きません。続けば続くほど自分の首を絞めます。ということで、とにかく写真だけでもってことで、ウォークマンSシリーズ新製品に的を絞って、触る、撮る、触る、撮るの繰り返し。結局、ウォークマン担当さんにまともな話も聞くこともできず、その場を後にしたSPAでございました。いや、もう、楽しみにしてくださっていた皆さんに、なんと言ってお詫びすればよいのやら。

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iconicon幸い、ヘッドホン新製品の目玉である「MDR-EX700SLicon」については、この後のセミナーで実物に触れられると思ったので、スルーしてもなんとかなるとは思っていたのですが、Bluetoothヘッドホンの新製品もあったようなので、パーソナルオーディオコーナーがまともに視察できなかったことは本当に悔やまれます。実は見られなかったのはそれだけじゃありません。ヘッドホンの類がまとめて展示されているAVペリフェラルコーナーを視察する時間も無くなってしまったんですから。

なんだかんだで最終的には14:10頃になるのかな、コンベンション会場を後にすることになりました。ご厚意で10分延長していただいたようなものですが、それにしてもう完全に時間の使い方を間違えましたね、自分。最初のSMOJさんの連絡事項にあったんですよ。全部を全部見ようと思ったら時間が無くなりますから、セミナーとの兼ね合いも考慮して視察してくださいねー、みたいなことを言われてたんですよ。なーに、オレなら大丈夫さ、なんて余裕をぶちかましていた自分は大馬鹿ものです。

視察レポートといいながら、後半は言い訳レポートみたいになっちゃってますけど、百戦錬磨の(?)SPAですから。そこであきらめるわけにはいけません。結論から言うと、新しいBluetoothヘッドホンを見ることもできたし、ウォークマンSの新製品も感想が言える程度までその内容を把握出来ました。それらの一部は、ひんしゅくを買いそうなある種のゲリラ的行動によって達成できたわけですが・・・(その後自分がとった行動については後ほど明らかになります)。ということで、ウォークマンSとヘッドホンのレポート楽しみにしてくださっていた方には大変申し訳ないのですが、それらについてはまた別枠でお伝えしたいと思います(<結局首を絞めてる)。

以下、余談。

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Sony Dealer Convention 2007 視察レポート(1)~プロローグ&有機EL編

2007年9月12日、「Sony Dealer Convention 2007(SDC)」に行ってきました。観たもの全てというわけではないのですが、実機を目の前にしただけで驚いてしまうもの、触れてみて初めて良さがわかるもの、そして、話を聞いて初めてその商品に込められた想いや情熱が伝わるもの、様々でした。

ということで、自分が見て、触れて、聞いてきたことを、自分なりに感じたことを交えて、これから数回に分けてレポートしていきたいと思います。たぶん今回は異常に長くなると思いますが、よろしくおつきあいの程を。また、このレポート執筆により、いつものようなソニー関連のニュースを追いかけることができなくなると思いますが、その辺も含めましてご了承くださいませ。

さてさて、前振りに書いたように、当日は10:50にSMOJの高輪オフィスに集合。その後、11:00から、SMOJの御子柴課長さんのご挨拶、幹事役のカレンさんのご挨拶と続き、SMOJ側から業務連絡(お約束事項)と当日のスケジュールについての説明がありました。開口一番、飛び出したのがコレ↓。

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「何を書いても自由」また「もちろん書かなくてもOK」ときました。なんだ、書かなくても良いんだ。いやー、ラクだなあ・・・ってそんなことしたらいつもサイトをご覧いただいている皆さんにボコボコにされますから、書きます。てかこうして書いてます。

で、昼食をとりながらというスタイルで、お願い事項(お約束)とスケジュール説明、会場視察後に用意されたセミナーの概要説明があり、昼食時間後に受講したいセミナーを挙手で確認、みたいな流れでした。ちなみに、スケジュールとセミナーの内容は以下の画像の通りですが、セミナーの画像が読みにくいので追記しておきますね。

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セミナープログラム
・VAIO (ムービーストリー体験)
・ロケーションフリー (商品説明、HDVSデモ、開発秘話)
・α700 (極上静止画、実機による体験)
・フィールドスピーカー (開発秘話、先行体験)&ヘッドホン (耳型職人登場、先行体験)
・サイバーショット (スマイルシャッター、開発者説明)
・Rolly(商品でも、実機による体験)

セミナー内容は事前のアンケートにより、ブロガーからの受講希望が多い製品が選ばれていたようでした。今回受講可能なセミナーは3つだけ。自分は、アンケートでロケフリとヘッドホンを希望していましたので、その2つとRollyを受講することにしました。

昼食後すぐに会場に移動。過去2回とあまりデザインも変わらぬ見慣れたエントランスを横目に会場内へ。

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会場見取り図は右上の通りなんですが、画像が小さすぎて文字が読めませんよね。ちなみに、部屋別に以下の順が基本導線でした。

【パミール3F】
・ビデオシアター
・①ブラビア、②ハイビジョンの新しい楽しみ方、③ブルーレイディスクレコーダー、④ロケフリ
・⑤サイバーショット、⑥α、⑦ハンディカム、⑧VAIO、⑨ホームオーディオ、⑩パーソナルオーディオ
【パミール1F】※左から順に
・メディアペリフェラル&AVペリフェラル、ハイファイオーディオ視聴室&シアター関連、ホームシアター視聴室、αセミナー

実はビデオシアターの前に有機ELの参考展示がありまして、いきなりここで足止めを食らってしまいました。招待者の目が光る光る。有機ELの美しさにほれぼれしている場合ではありません。もうそこからは撮影合戦です。みんな撮る撮る。我を忘れて撮る。

肉がうまそう、すしがうまそう、赤がキレイ、とにかく高精細、11インチは小さくてかわいい、そして薄い、27インチは厚み1cmでしかもフルHD、すげー!とは自分の感想ですが、まあとにかくすごいですね、有機ELテレビ。実機を目の前にしただけで驚いてしまうものの代表格でございますねコレは。

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壁面でもパネル解説が多数展示されており、ソニーの有機ELへの取り組みの歴史みたいなのがありましたが、なぜかそこにはクリエVZ90が出てこない。無かったことにしないでください!と説明員に詰め寄る・・・ことはしませんでした。小心者なので。

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ちなみに、有機ELの技術的なこととか今後のソニーの取り組みとかについては、大手メディアが解説してくれる、もしくは解説されていると思うので割愛します。というか、自分は語れません。大きくするのも良いけど、モバイル向けにもよろしくお願いしますとだけ言っておきました。

ということでやっとこさ本会場入り。まずはビデオシアター。過去2回は、ナレーターが入る、映像プレゼン後に製品が目の前に現れるといった、派手な演出だったように記憶していますが、今回は映像のみのシンプルなもの。内容は当日発表となったBlu-rayディスクレコーダー新製品を含む映像機器を核とした「ソニー・ハイビジョン・クオリティ」を前面に出して訴求していました。一応シアター内は撮影禁止とのことで、一切画像はありませんが、取り立てて特筆すべきこともない(<無いのかよ)ので、シアターについてはこんなもんで。(だってハイビジョン、ハイビジョンって聞き飽きたんだもの。モバイル系の話もないしさ・・・。とかいいつつ、実際は上の空だったという話もあり。)

そして、シアターを抜けるとそこは・・・(次回に続く)

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