9/20にソニー本社で開催された「新発表3D対応ブルーレイディスクレコーダーモノフェローズイベント」レポートの後編は、スマートフォンやPCから簡単に録画できる「Chan-Toru」の開発背景や、薄型化実現への工夫と質疑応答での気になるトピックなどをご紹介。(ちなみに前編はこちら)
■もっと便利に、ストレスフリーへ
スマートフォンやPCから簡単に録画できる「Chan-Toru」(Webアプリ)紹介。担当はヴィジョンアーツの長坂氏。氏はソニーにも籍が有り、昔はCDプレイヤーの電気設計屋さんだったそうで、CDチェンジャーの2号機なども手がけたそうです。
「まずはレコーダーに見たいものが入っていないと始まらない。レコーダーの中に見たい番組がたくさん入っているのがレコーダーの一番幸せ」ということで、そのお手伝いをするのが“ちゃんと録る”「Chan-Toru」の目標であり使命とのこと。録画は見ることのタイムシフトですが、自分のビデオに録りためたコンテンツの整理がどこででも出来る、いわゆる作業のタイムシフトを実現しているのが「Chan-Toru」なのだそうです。
「Chan-Toru」はベータ版なのはユーザー目線での成長を続けたいが故。ソニーの若手エンジニアのボトムアップ活動から始まった「体験空間」経由で配信されているのもそのため。ソニー公式のソフトと違って、自由度が高く、すぐに実行に移せるフットワークの軽さも見逃せないところ。近々あっと驚くアップデートも予定しているとか。
このアップデート、個人的にはローカル限定でも良いのでiPhoneから直接再生できるとうれしいのですが、コピーコントロール的に難しいのかな…。ちなみに、「Chan-Toru」はPCのWebブラウザでも動くそうです。画面も大きく、情報量的にも見やすいとのことで、うまく使い分けるのがベストっぽいです。なお、使えるブラウザはGoogle ChromeとSafariオンリーなのでご注意を。
■パッパッパッを実現するシステム
次にハードウェアシステム担当の辰巳氏が登場。これまで順を追って開発担当者の皆さんが説明してきた機能を盛り込みつつ、業界最薄49.5mmを実現した理由を、中身の構造が見える実機を使い、従来機との比較も交えて解説して下さいました。
辰巳氏は、BDレコーダー1号機からデジタルチューナーのレコーダーを担当。2010年モデルからシステム開発の責任者としてご活躍。昨年は自分の仕事ではないにもかかわらず、若手の考案したおまかせWチャプター導入の仕掛けを作られたとか。
今回の新製品の厚みは、49.5mm~56mm。当初は薄くするか奥行きを狭めるかという議論があったそうですが、多種多様な機能を入れつつシャーシを共通化して色々なモデルを作りたいという要望や、奥行きを狭めると上位モデルの厚みが増してしまうといったことを鑑み、様々な議論の末に今回は最薄を目指すことにしたとのこと。ちなみに奥行きも多少は短くしているそうです。
最薄にするために、従来はセンターにあったディスクドライブを右(正面から見ると左)にずらし、ドライブの下に全く基盤が無い構造にしたとか。ドライブをセンターからずらすと電源ボタンをイジェクトボタンと混同してしまう恐れがあり、反対意見もあったそうですが、最終的には上を説得して今の形になったそうです。開発当初は高さ56mmを目標にしていたが、メカ側の担当がなぜかそこから6.5mm減らす努力をして49.5mmがいつの間にかできあがったとか。