「ソニー全体」カテゴリーアーカイブ

ソニーの映画ダウンロードサービスは成功するのか

[WSJ] ソニー、Apple対抗の映画ダウンロードサービス提供へ

ソニーが、PSP向けのビデオダウンロードサービスを2007年前半に導入するという噂がニュースになっています。当初はSPEの映画を提供し、ゆくゆくは他社の作品も配信されるらしいです。UMD Videoの不調を引き合いに出し、映画のダウンロード販売がうまくいくかどうかは不明とまとめていました。

ソニー、米市場の年間映画興行収入で新記録・06年

こんな報道もあって、イケイケムードなのはわかりますが、他社がちゃんと追従してくれるのかどうか…。東芝は見切りをつけてコンテンツ事業から撤退しましたしね…>東芝、音楽コンテンツ事業から撤退。EMI株を全て売却

映画をネットでダウンロードする人は20人に1人――米調査

レンタルとダウンロード購入を合わせても5%ですって…。

とはいっても、いずれも米国のお話し。日本ではPSPやiPodよりも動画対応ケータイの勢いが強いので、キャリア主導になっちゃうのかな…。

続きを読む ソニーの映画ダウンロードサービスは成功するのか

SCE経営者人事の背後にあるソニーの思惑

ソニー、聖域にようやくメス 異例の人事で“ポスト・久多良木”新体制へ

半導体事業にメスを入れるには、巨額投資をPS3という“モンスターマシン”で回収するハイリスクなビジョンを掲げてきた久多良木氏の影響力を抑えることが不可欠だ。今回の一連の人事は、ソニーの経営陣がPS3発売を機に遂に重い腰を上げ、懸案事項であるゲーム事業と半導体事業の課題を解決する抜本策に向けて、一歩踏み出したことを意味している

12/1に突然発表されたSCEの経営者人事の意味を探るコラム。社長兼COOに就任する平井氏と副会長に就任する佐藤氏の存在が今後のSCEの経営で大きな意味を持ってくるそうです。また、今回の人事の背後には、「ソニー本体が抱える根深い問題もある。実はソニー本体が実施した人事が、その深刻さを物語っている」として、ソニー中川氏の副社長と半導体事業本部長の兼務という、半導体事業への経営陣の関与が強化されたことに注目しています。投資回収できないCellビジネスはソニーにとって重荷でしかなく、PS3が思うように売れないのなら、デジタル家電にCell搭載する可能性も考えられるとしていますが、井原副社長は、「PS3用の半導体をデジタル家電に組み込んで投資回収の穴埋めをするというのは考えにくい」とコメントしたとか。

記事掲載のタイミングの問題もあるようですが、中鉢社長自らがCell搭載家電を来年末に出すと明言していますので、投資回収の穴埋めは動き出しているように見えますが、果たしてその真意は…>ソニー、「セル」搭載の家電07年末にも発売

欧州がソニー「PS3」を救う ユーロ、ポンドに対する円安が追い風

PS3の消費電力はPS2の8倍で、それに対応するため、台湾のデルタ電子が特別な装置を作った。同じように、PS3のCPU(中央処理装置)が生み出す大変な熱を放散するため、古河電工が独特のヒートパイプ・システムを開発している

重要市場とされながら、PS3の発売が延期された欧州ですが、円に対する記録的なユーロ高とポンド高がPS3を救い、4年連続の赤字と目されているソニーのゲーム事業を引き上げるかもしれないとの見方もあるようです。ただ、部品調達コストの問題から、「早期に製造コストを削減するのは無理ではないか」との声も上がっているとか。単に高性能な部品だけでなく、PS3向けに特化した部品の存在が大きいようです。

ところで、ひろさんからXbox360についてこんなご意見をいただきました。(感謝です)

続きを読む SCE経営者人事の背後にあるソニーの思惑

欧米かよ!

SCEIの社長交代がPS3に与える影響

様々な憶測を呼んでいるSCEの社長交代による各方面への影響について後藤弘茂さんが考察。今回の人事は、ソニーグループ内の政治的な力学だけではなく、ゲーム業界を取り巻く大きな流れがその背景に見えるとか。日経IT-PLUSの新清士氏のコラムでも語られていたように、市場と開発の中心が日本から欧米へシフトしていることが大きな流れであり、PS3=エンタメコンピュータという点についても日米で温度差があったとしていますね。さらに、PS3が発売されるまでのSCEの動きを振り返りつつ、今回の人事によってPS3の戦略がどう変わっていくかを予測しています。

また、ソニーの中鉢社長が産経新聞のインタビューに応じ、Cellを液晶テレビなど自社製品への搭載を積極的に進めていく方針を明らかにしたというニュースが掲載されています。テレビへのCell搭載で画像処理能力の向上や他の家電製品との連携が可能になり、他社との差別化にもつながるとか。また、早ければ来年中にも搭載テレビが登場するとみられるとの記述もあります>「PS3」の高性能半導体を液晶TVにも搭載

それはそうと、こんな動きがあったんですってね。もしも彼らに買収されていたら今頃どうなっていたんだろう、ブルブル…>ホリエモン、村上被告とソニー買収を計画

【追記】PS3絡みではこんなニュースも。

PS3にBlu-rayプレイヤー機能が搭載されていると知っている人も約半数とか…>次世代 DVD 規格の対応プレーヤー、「決着がつくまでどちらも購入しない」が約半数

射殺かよ!こんな国を重要視して良いのでしょうかね…>「PS3」強奪容疑の男射殺・米南部、品薄状態続く

日本ではこんな事件が発生。テレビでもNHKがニュースとして取り上げていました。(お知らせ感謝です!hiroyanさん)>茨城で「プレステ3」180台盗難、運送会社から通報

くねくねハニィさんという方のコラム。「日本のゲームソフト開発は、技術的にもビジネス的にも、もう海外に先行してはいない」んですって…>世界標準に後れを取る日本ゲーム市場なんて見たくない

続きを読む 欧米かよ!

PS3と007がソニーを救う…のか?

「PS3と映画『007』で反撃」ストリンガーが本当に期待していること ソニー 危機を越え“スリル”ある任務へ

英FINANCIAL TIMESによるソニーの最高幹部6人へのインタビュー記事。ストリンガー氏を始め、SPEのトップ、マイケル・リントン氏、ソニエリのマイルス・フリント社長、ソニーの最高マーケティング責任者、アンディ・ハウス氏といったお偉いさん方の自信にあふれるコメントが目白押しです。

「映画公開とPS3の発売が1週間以内に行われたことが、力強い反撃になる」(ストリンガー氏)
「バッテリーに起きたことについては誰もが深く同情し、懸念していると思うが、わが社やソニー・エリクソンの成功、PS3が今後収めるであろう成功を見てほしい」(リントン氏)
「悪いニュースはどうしても大きく取り上げられてしまうが、ソニーにはうまく行っていることもたくさんある」(フリント氏)
「私はソニーに入って10年になるが、共同作業はこれまでで最もうまくいっている。ソニーはかつて、コンテンツがテクノロジーを活気づかせるという考えを口にはしていた。だが、実際には消費者には示していなかった」(ハウス氏)

ストリンガー氏は、バッテリーリコール問題などの危機を「“合意形成”を飛ばす」のに利用しており、当初より「厳しいやり方」をしているとして、ソニーグループ内の「サイロ」を壊すだけでなく、コンセンサス重視の日本型経営をも壊そうとしているみたいです。

それはそうと、米国では初期のPS3(50万台)にBlu-rayソフトが一枚おまけでつくんですね。うらやましいなあ…。で、これはピラミッド型マーケティング手法の一環なんですって。

ソニーがエレクトロニクス事業に加えてレコード会社や映画会社を傘下に収めていることは、以前は批判されたものだが、ハウス氏の主張によれば「ソニーの考えに今やっと時代が追いついた」と言うことになる。

なんて一文もあります。そんなこと堂々と発言して本当に大丈夫なんでしょうか…。

PS3発売で逆転した日米の力関係・水面下で何が交渉されたのか

こちらは、新清士さんのコラム。毎度毎度ソニーには厳しいですが、PS3のビジネスモデル構築とタイトル開発力の両方の主導権で日米の力関係が逆転したと考察なさってます。

ソニーのビジネス全体が米国中心で動いているし、アジアでも今は日本より中国を米国に次ぐ第二の市場にしようとしているぐらいですもんね。日米の嗜好の違いから、昔から売れるゲームソフトにも随分と差がありましたけど、PS3ぐらいのマシンになると開発費の高騰もあって、これからは最初からワールドワイドを視野に入れないとペイできなくなっちゃうんでしょうね。

続きを読む PS3と007がソニーを救う…のか?

BCN AWARD 2007 ハードウェア部門速報値でのソニーのランキングは?

BCN AWARD 2007」 速報値(06年1月-10月) ハードウェア部門

全国有力販売店のPOSデータを集計し、毎年「市場が決めた」NO.1ベンダーを表彰するBCN AWARDのハードウェア部門の速報値が発表さました。ソニーがトップ3入りを果たした主なカテゴリは以下の通り。

PC関連ハードウェア

サーマルプリンタ部門
1 キヤノン 84.7
2 松下電器産業 6.1
3 ソニー 4.9

メモリカード部門
1 松下電器産業 19.2
2 ハギワラシスコム 12.4
3 ソニー 10.7

スピーカ部門
1 エレコム 14.4
2 サンワサプライ 14.3
3 ソニー 11.3

デジタルカメラ(レンズ一体型)部門
1 キヤノン 20.3
2 カシオ 16.8
3 ソニー 15.5

携帯オーディオ(メモリタイプ)部門
1 アップルコンピュータ 44.4
2 ソニー 17.6
3 松下電器産業 9.1

携帯オーディオ(HDD)部門
1 アップルコンピュータ 71.2
2 ソニー 14.1
3 東芝 5.3

デジタル家電

液晶テレビ(32インチ未満)部門
1 シャープ 46.4
2 ソニー 24.1
3 松下電器産業 13.6

液晶テレビ(32インチ以上)部門
1 シャープ 48.6
2 ソニー 22.7
3 松下電器産業 9.3

デジタルビデオカメラ部門
1 ソニー 36.3
2 松下電器産業 17.4
3 日本ビクター 17.1

ICレコーダー部門
1 オリンパス 33.2
2 ソニー 28.2
3 三洋電機 21.0

ちなみに、トップ1を獲得しているのはデジタルビデオのみ。携帯オーディオ(HDD)部門はアップルの独断場になっているだけに、Aシリーズ後継の登場が待たれますね。意外だったのはICレコーダー。トップまで5%と肉薄しています。デジカメはサイバーショットの失速が気になるところです。