VAIO Pシリーズ新製品開発秘話カミングアウトレポート(後編)

「VAIO New Urtra Mobile」絡みのシークレットイベントにて行われた、ソニー関係者による新Pシリーズのプレゼンレポートの後編です。前編まだ見てないっていう方はこちらからどうぞ。また、youtube動画も用意しました>プレゼン3

ソニーVAIO Pシリーズ新製品プレゼン

(伊藤)
最後になるんですが、このような商品ですので、より外に持ち出して欲しい、持ち出したくなるデザインを追求してきました。ここに関してはデザイナーの田中から話しをしたいと思っています。

(田中)
私のところに依頼が来たのが去年の3月でですね、type Pとして出た時に絶好調で、バックオーダー抱えている状態で次のPをお願いしますと…。どの辺が変わるんでしょうかと言ったら、やっぱりジャストキーボードサイズはくずせないので、小型化された分は全部バッテリーにもって行かれているんですね。サイズは全く変わりませんと…。

で、ちょっと困ってしまいまして…。とっかかりが無いんですね。だけど、新しい刷新感もね、むちゃくちゃ言うなと…。で、自分でテーマを、切り口を見つけなきゃいけないので…。

その、よく触るものなんで、今と真逆のマットで指紋とか傷とかを気にしないで、SSDになったからもっと気軽にスッと持って行けるような、敷居をちょっと下げてあげてですね、扱いがもうちょっとやりやすくイメージにしたらどうかということでこういうのを出しております。

マットと言えば、ゴムとか、そこから柔らかいとか、イメージをどんどんつなげていって、ゴムシートのように・・・(?)。今回はパワースイッチを上に持って行ったりとかですね、持って使うものですからストラップホールを付けてもらったりとか、ものすごくやっております。

ケースなんかも、ジャストフィットするようなものを作ってもらったんですが、マットの柔らかいものでアクセサリーを含めて、もう一つのPシリーズカラーということで表現しています。

ここ(側面)のラインのところなんですけれども、ここをとにかくまっすぐにしたい。ジャックが切り替えてしまうと台無しになるんで、そこは設計にがんばっていただいてですね、ジャックによっては新規に起こしたりしてストレートにしています。

この中はちょうど円になっているんですけれども、円にしてしまうと、いる肉が0.5mmなものですから、ここがちょうどかけてしまうと…。社内規格を読んだら、ジャックの周りの0.5ぐらいをキープした円状をのせることと。正円とは言ってないなということで、下半分は楕円になっています、実は…。

だから本当の正円じゃないんです。ま、わかんないんじゃないのってことで…。それよりここの線を揃えたい。そっちの方が大事だ。とりあえずこの線を必ずストレートにキープすることにものすごくこだわりました。

(鈴木)
設計としては、肉が結構少ないので他の耐性大丈夫、とかそっちの話しばっかり気になっちゃうんですけれども、今回この包むコンセプトを設計も実現したいと思っていましたので、何とか、色々な、先ほどの工夫の話しとかも含めて相談をして、面(ツラ)に、黒いところに全部揃えるのを実現しています。

(田中)
これは去年の春に最初に持って行ったモックアップなんですけれども、ほとんど(製品版と)変わらないと思います。

(伊藤)
モックって最初わからないですよね。

(田中)
前のPシリーズの(?)を載せたりもしているんですけど。ま、細かい寸法を除けば、設計にもかなりがんばっていただいて、キープしてもらったのがおわかりになるんじゃないかと…。

(鈴木)
最初のモックは今よりも薄くできてるんですよね。

(田中)
できますね。(液晶側を指さし)ここだけですけど…。

(鈴木)
駄目だよそれ、みたいな。勝手に薄くしないでくれよ、みたいな話しもありましたけど…。

(伊藤)
だいたい中々コンセプト通りに最終商品にするのってあんまり無いんですよ。内部の人間じゃないとわからないんですけど、でもこれだけクリソツていうかそっくりに作るのも、中々今回本当に努力してやりましたよね…。

(田中)
ケースなんかも、こういうものを用意しています。入れた時にですね、穴から色が見えるような感じ…。

これは、デザインの打ち合わせブースのところに椅子があるんですけど、そこに背中の汗かき防止みたいなところに穴が開いてて…。打ち合わせで見ていて、穴から見える色々な人が座る服によって表情が変わるのが面白いな、とちょっと前から思っていて、そういうのを(アイデアの)引き出しにいつも入れているんですね。

で、今回これ(新VAIO P)の時に使えるなというね…。穴を開けて、こっち側が手で持つ方で、こっちを上にしないと落っこっちゃいます。下にすると正しいんですよとわかるように…。実用とグラフィック(デザイン性?)を兼ねた感じにしてます。

先ほど前列の方からクロコ、ワニをちょっとお褒めいただいたんですが…。これなんかも自分で見つけに行ってます。WEBで探したらば、中々一枚で売って下さいっていっても問屋さんって売ってくれないんですね。いきなり何十枚ですか?って言う世界なんで、1枚でいいんですけど、というのが言いづらいところがあるんですが…。

そこはワニ専門て書いてあって、「一枚からでもお売りできます」って書いてあったんです。で、すぐに電話しましてて。商品のどういうところに使うというのは詳しくは言えなかったんですが、VAIOで実はこういうのを考えているという話しをしてですね。ワニの革の選び方とか、普段関わらないんですけど、そういうこととかですね、センターの線がそろっているとかですね、このドットがだいたい左右対称であるとか大きさがそろっているですとか、色々やって…。

これが人間で言うと7~8歳の子供の長さぐらいのやつなんですけど、値段が6万円ぐらいしましで、高いなと思いつつ払ってきてですね…。

そこの専務さんが女性だったんですけど、「うちの弟がちょうどソニーの本社で働いております」って…。「え、そうなんですか!偶然ですね。何階ですか?」って言ったらボクのちょうど上の方のテレビの関係の人だったんですけど…。「ソニーに弟をとられたんで、跡継ぎは私がやっています」と…。中々狭い世界で。「どうもすいません」…。一応今後もご協力いただけるということで。そんな裏話も…。

(伊藤)
ここが一本線になっているのは高級品の証というのは初めて知りました。

(田中)
一点もので、このワニもこういう使われ方をするとは思っていなかったのでは。世界中に自分の革が(?)コピーがなされるとは…。

(スライドを見て)これは最初に持って行ったスケッチです。商品会議で使ったやつで、巻いたコンセプトと、青と赤ではなく、もうちょっとフレッシュなアクティブな印象のオレンジとグリーンを入れたようなカラーコンセプトにしたいと…。

(伊藤)
あれですよね、くりぬいてたたんでいった、そんなイメージですよね。

—(終わり)—

ということで、新VAIO Pの開発秘話はここまで。この後質疑応答がありましたが、省略させていただきます。

また、IT系メディアの開発者インタビューが取り上げられてますのであわせてご覧下さい~>サイズを変えずバッテリ駆動時間向上に注力した新VAIO P ~ソニー開発者に聞く内部構造立ったまま、“寝ながら”でも使える新「VAIO P」──テーマは「ずっと一緒のPC」「VAIO P」の新ボディをいきなり丸裸にする

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