「スター商品をOne Sonyで作る」。ソニー平井社長 Xperia Z1に自信。4Kとハイレゾで“五感”に訴える
平井社長インタビューから読み取る「新生ソニー」 One Sonyで目指す“クラウドで実現できない価値”
西田宗千佳さんのRandomTrackingと本田雅一さんのAVTrends。IFA2013会場で日本人記者向けの平井CEOを囲んで行われたラウンドテーブルの内容と、それらを受けた本田さんの分析記事がまとめて読めます。
注目したい平井CEOのコメント
・「DSC-QX10/QX100」に象徴されるような、「One Sony」の活動の中で生まれてきた商品が提供できることに、非常に強い手応えを感じています。
・QXシリーズは、デジタルイメージング事業部で発案されたもの。CESで話した「直下でのプロジェクト」商品とは違います。色々な商品を練って、今後ご紹介できれば、と思います。
・ソニーグループとしてもっている強い部分を、事業部を越えて、「One Sony」としてスマートフォンというカテゴリに徹底して投入していきます。
・スマートフォン自身強いものを作らないと、ASPは下がってきてしまう。まずはそこでちゃんと利益を確保するために、強い商品を作ることが第一。
・アクセサリは非常に利益率の高いビジネス群。そこにいかに、クリエイティビティの高い商品を展開していくかが重要。
・(スマホ事業について)ホームグラウンドである日本を徹底的に固めるのがファースト・プライオリティ。ヨーロッパを固めるのが二番目。次に中国もしくは北米。
・PCなのかタブレットなのか定義が分かれる、キーボード分離型やフリップ型などを提案し、市場での使い方をリードしていくのが大事。
・モバイル・クラウドの領域の中で、ソフトの価値が比較的上がっている。ソフトビジネスの価値は非常に大きいですし、100%コントロールできることは、ソニーグループのさらなる価値向上に繋がっています。
・クラウドに絶対持って行けないのが、人間の五感に直接触れるところ。絵がきれい・音がいい・デザインがいい・手触りがいい、軽い、質感がいい、というようなものは昔からソニーがお得意としてきた、「ソニーのDNA」。
・五感の大事なところでお客様に本当に価値を理解していただくには、ハイレゾ音源が配信する・されないに関わらず、ソニーがやらなければ誰がやるんだ、というところ。
・プレステビジネスは、結局は「ソフトができるかどうか」。
注目したい本田さんのコメント
・プレミアム商品強化の戦略と、One Sonyの象徴であるXperia Z1には密接な関係があり、今後登場してくるソニーの製品にも関わってくる、ソニー復活戦略の両輪となっている。
・この取り組みがうまくいくためには、各カテゴリにおけるソニーの技術やノウハウが、消費者の憧れの対象、あるいはマニアであるほど納得するような、深みのあるものでなければならない。
・今はまだ、おそらく良い方向に向かうであろう”新しいソニー”が、朧気ながらも見え始めたという段階にしか過ぎない。
・大企業では切り捨てられがちな、画質、音質といったソニーに刻まれたDNAを上手に組み込んだ今の戦略は、かつてソニー製品を魅力ある憧れの製品として見ていた消費者の心にも届くものではないだろうか。
個人的には、昔のようにファンを裏切るようなやんちゃぶりを発揮して欲しいと思います。もちろん、良い意味でですが。ま、ソニーには別な意味でとっくに裏切られ、逆にソニーを見放し、離れたところから今のソニーを傍観しているというかつてのソニーファンも多そうですが…。
ドコモのiPhone販売も本決まりのようですね。スマホ事業での前面対決の裏では、センサービジネスのさらなる拡大が期待できるということで、色々な車輪が回り続けることが大事。正念場はまだまだ先にありそう…。
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