「安いからソニーにしよう」ではなく 「この値段でも買いたい」を目指す ――ソニー・コンピュータエンタテインメント取締役 兼ソニーマーケティング社長 河野弘氏インタビュー
ダイヤモンド社がソニーのデジタルエンタテインメントビジネスとマーケティング戦略について、SCEJとSMOJのトップを兼任する河野弘氏にインタビュー。以下、個人的に注目したいポイント。
・SCEJとSMOJのトップ兼任を引き受けたのは、エレキ部門とプレステビジネス両方見られるので、市場でのマーケティング戦略を大規模に立てられるから。セールスマーケティングの組織は、誰かが横串を通さないといけない。
・ハードを牽引するのはタイトルの力。初音ミクのいいところは「ユーザー参加型コンテンツ」というところ。ユーザーコミュニティを作る力がある、そこにとても魅力を感じる。
・ビジネスは継続することが一番重要。プラットフォームを維持することもそう。プラットフォームフリーもマルチプラットフォームもコンテンツ供給側から見れば「継続」すること。とにかく続けられるビジネスじゃなきゃダメ。「儲けられるときに儲けちゃえ」という考えは採らないし採れない。
・ソニーグループの商品は、「安いからソニーにしよう」って言われるようではダメ。マインドシェア、つまり「ソニーの商品が欲しい!」って言ってくださる人が7割、でも「ちょっと手が届かないなぁ」っていう人が3割。このバランスが一番いいパターンだと思う。
継続が一番重要と言いながら、これまでどれだけのプラットフォームがソニーの勝手な都合で終了し撤退したことか…。安さ云々にしても、元をたどればプレステビジネスから始まったようなモノ。戦略的な事業しか継続していない現実について、ダイヤモンド社には突っ込んだ質問をして欲しかった…。