盛田さんなら3Dテレビはやらない 新しい生活スタイルを提案せよ
ソニーロケフリの生みの親、前田悟氏が日本のテレビ業界に喝。以下、注目コメント。
・有機ELパネルとは別にテレビ市場で地位を築いていける製品を生み出す商品戦略、商品企画が必須。それができなければ、他の製品の事業もテレビと同様に衰退していく
・テレビから撤退すれば技術者は更に海外のメーカーに流れていき、海外メーカーが強くなるだけ
・新しい視聴スタイルを提案できる強い商品を出せるかどうかが重要。水平分業とか垂直統合というのは手法の話で、本質の問題とは全く関係ない
・他社にない特徴のある商品を出せば新市場が作れ、価格競争をする必要もなく台数もおのずと増えてくるし、多くのモデルを出す必要もない
・ソニーの創業者の井深さん、盛田さん、大賀さんは何時も商品企画の重要性を説いておられた・もし、井深さん、盛田さんがおられたら、3Dテレビを発売することはなかっただろう。ジョブズ氏からも3Dテレビという言葉が出てきたことはなかったと思う
・ネットテレビも否定的。「グーグルテレビ」が代表だが、スマートフォンやパソコンの機能をそのままテレビに入れても売れるとは思わない
・機器の連携といった言葉も良く聞くがこれも商品企画を考えたものとは思えない。自宅で見ていた番組の続きを外出先で何時見るというのか
・今までにないライフスタイルを提供するとか、全く概念が異なる商品で勝つ最高のものを出していく必要がある。それをやってきているのがモバイルで全く新しいライフスタイルを提供し続けているアップルだ
至極ごもっともだとは思いますが、機器連携についてはロケフリの生みの親とは思えない発言のような。録画番組をPCやPSP経由で外出先でも見られるようにしたのは前田さんじゃないですか。そんなロケフリも商品としてはなくなったけど、コンセプトや精神はtorneやnasneにうまく引き継がれているし、機器連携が一番の売りというか前提になっているんだけど…。
かくいう前田氏がソニー退社後、JVCケンウッドで手がけたのがテレビとオーディオ、ラジオの融合を叫んだ「RyomaX」であり、鳴り物入りのネットワークサービス「MELINK」は中途半端に終了し、同氏のJVC退社で「モバイル系のあっと驚くもの」も商品化されることは無かったという事実も忘れないですよ。
Google TVについては、絶妙なタイミングで搭載ネットワークプレーヤー「NSZ-GS7」が7/16より英国で発売とのニュース>Sony、Google TV搭載ネットワークプレーヤーを英国発売-BDプレーヤーも10月発売
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