7期連続の赤字に苦しむソニーのテレビ事業――個別事業ではなく、全社問題として捉えるべき
ドイツ証券の中根康夫氏のレポート。7期連続赤字が続くソニーのテレビ事業について解説。
液晶テレビ事業が儲からない理由は一般的に、1.規模の経済に達していない、2.海外に十分な販路がない、3.製品に特長や魅力がない、4.コスト競争力がない、5.オペレーション能力などで、ソニーの場合の現時点での問題は4と5。
前期に750億円もの赤字を計上した背景に、コストの70%を占めるパネル調達価格の競争力、SCM能力(販売予測、価格予測、在庫管理などを含む)、Google TVなど新製品の失敗(商品力)などがあるとか。
中国、アジア、南米などの新興国の多くにおいては液晶テレビが増収の牽引役だが、コスト削減が不十分な北米や西欧の全社オペレーションにも改善を必要とする点が多く、早期かつ大胆な構造改革が必要とのまとめ。
Google TVは失敗って書かれちゃいましたね。3D対応など、機能を必要としてない人には選択肢がないから他社に流れるケースも多そう。あとやっぱ値付けが高いですよね、日本では。欧米もおそらくそうなのでしょう。何にしてもテレビはソニーの戦略商品。特機ビジネスへの影響も計り知れないでしょうから、撤退はまずありえないでしょう。なにより、抜本的な改革が必要なことはソニー自身が一番よくわかっているようなんで…ソニー、2011年度第1四半期の業績を発表~液晶テレビは戦略転換へ
【追記】そうこう言ってたらこんな発表が。9月を目処に「フルHD 3Dグラス・イニシアチブ」としてライセンスを開始する予定。IRまたはRFの新プロトコルを採用したユニバーサルグラスは2012年には市場に導入され、2011年に販売されたアクティブメガネ方式の3Dテレビとの互換性を持つ予定とか。>パナソニック、サムスン電子、ソニー、XPAND 3Dの4社が 「フルHD 3Dグラス・イニシアチブ」として3Dアクティブメガネの標準化に合意 Bluetooth(RF)と赤外線(IR)の民生用3Dアクティブメガネ技術の共同ライセンスを検討
国内に限っての話ですが、一番のチャンスだった地デジ移行で主流になれなかった3Dテレビに正直未来があるとは思えないんですが…。
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