ストレスフリーなソニーのBDレコーダーモノフェローズイベントレポート(前編・後編)でお伝えしたとおり、イベント参加者には実機が貸し出されたんですが、10月の長期出張とその残務処理の関係で、自分は11月中旬からの貸し出しとあいなりまして、ようやくそのレポートをお届けできます。
貸出機がセットアップができたのが11/21で、その後も自分にしては珍しく2つのモノフェローズイベントに参加してしまい、そちらのレポートもしなくちゃいけなかったり、MHP3が発売されたり(<おい)して、じっくりと触れる時間こそ少なかったんですが、それでも使いやすさを十二分に体感できました。こんなレコーダーを待っていた、素直にそんな気持ちがわき出てきました。
ちなみに、今回貸し出ししていただいたのはAX2000という最上位機種。高画質が売りのフラッグシップモデルですが、あいにく我が家の液晶WEGA(ノンフルHDです)のHDMI端子は1つしか無く、D3接続させてもらいました。なので、AX2000固有の機能について一切言及はしませんのでその点はご了承ください。
■従来機の欠点を根こそぎ改善
起動がもうとにかく速い。CMで篠原涼子さんが連呼しているとおり通り、正に“パッ”と瞬間起動します。これが実に気持ちよい。我が家には東芝のアナログレコーダーがありますが、起動から操作可能になるまでは、もはやソニーのBDレコーダー最新機種の方が速いです。
高速起動実現までの苦難の道のりに関しては、モノフェローズのイベントレポートサマリーでも確認できますので是非そちらもご覧あれ>みんぽす – ソニー ブルーレイディスクレコーダー BDZ-AT700 体験者の声・瞬間起動編
スゴ録時代からBDレコーダー全機種まで、とにかく不評だった2番組同時録画時の動作の制約がほとんど無くなったことが個人的には一番うれしいです。録画1と録画2を意識して使い分ける必要が無いことがどれだけ楽か。これまでソニーのHDレコーダーを使ってきた人ほど実感できるはず。さらに2番組同時に「おでかけ転送ファイル」も生成可能ってことで、スゴ録D900AやRX100オーナーとしてはうらやましい限りです。
番組情報画面を含む、番組表の一覧性の向上も見逃せません。我が家の液晶WEGAはD3(1080i)接続が可能なので、NHKからそれこそMXTVまでまとめて番組表が表示できました。これが実に圧巻。さらにチャンネル別一覧表示も可能になったのでさらに便利になりました。
一発録画ボタンなど、予約作業の流れがスムースになったのもうれしいです。これまでの機種は、番組表で任意の番組を選択・決定すると、予約設定画面が表示されてたんですが、新機種は番組情報を優先して表示するようになったので、録画予約をするしないの判断が格段にしやすくなりました。
再生機能で注目したのが、ダイジェスト再生。旧機種では5つあったモードは、「短い」と「おすすめ」と「長い」の3つだけに変更されました。ここでの「長い」がいわゆる民放のCM飛ばしに当たります。これが実に快適。ダイジェスト再生を開始したらもうリモコンにすら触る必要はありません。
スマートフォンやPCから簡単に録画できるWebアプリ「Chan-Toru(チャントル)」でBDレコの予約情報にアクセスできるのも大変便利。旧機種でもファイル管理やリモート予約が可能だったんですが、Ver.2と新機種の組合せでは電源のオンオフ、録画済みのタイトルの再生や早送り・巻き戻し、ダイジェスト再生までリモートコントロール可能になりました。これまたうらやましい…。
■高画質の書き出しが可能になったおでかけ転送
個人的に注目したいのはソニーのレコーダーではすっかりお馴染みというか、ほぼ標準で搭載されるようになった「おでかけ転送」の機能向上。対応機器はPSP、ウォークマン/nav-u、一部の携帯電話と大きな変更はないのですが、VGAの2MB(約30万画素の最高画質)と1MB(約30万画素の高画質)の2つのファイル形式が追加され、高画質のモバイル動画を楽しめるようになりました。
ただVGAは、現状対応している機種が限られており、PSPまたはPCでしか使えないようです。取説によれば、転送機種をPSPにした場合、自動ではDR/XR/XSRがVGA1Mに、SR/LSR/の組合せだとQVGA768kになるようです。なお、ウォークマン/nav-uは今のところVGA再生には非対応となっています。
ちなみにPSPの場合は液晶サイズから2Mと1Mの差はほとんど感じられないのでメモステの容量節約の意味でも1Mを選択しておくのが吉かと。参考までにVGA2Mで30分番組を書き出したら500MB弱ありました。
PCは最近のVAIOに付属するメモステビデオレコーダーで再生可能ですが、Main Profile再生にはそれなりにCPUパワーが必要ってことで、モバイルで楽しむならVAIO Zシリーズあたりが欲しいところ。ZならVGA2Mも存分に堪能できるのではないでしょうか。
■個人的な要望
ということで、なんだかベタ褒めしてばかりですが、個人的には改善して欲しいところはまだまだたくさんあります。
インプレスのインタビュー記事で西田さんもおっしゃってますが、録画後の映像をHDD内で他の録画モードに「再エンコード」できるようにして欲しいのと、是非「BDからHDDへの書き戻し(ムーブバック)」へも対応して欲しいです。
おでかけ関連ではまだまだいっぱいあります。随分と前から言ってることだけど、録画番組の編集におでかけ転送ファイルが連動して欲しい。そうすれば編集後の再エンコードも不要になりますんで。それと番組ごとにおでかけ転送ファイルの種類が指定ができるようになるとさらに便利かも。また、せっかく本体にメモリースティックスロットがあるんだから、これもおでかけ転送に対応して欲しいところ。さらにさらに、ギガポ内蔵VAIOのように、おでかけ転送用のデータのみを本体のHDDに保管できるようにして欲しい。PS3でも代用できるんだけど、BDレコ単体でできるようになる方がやはり便利。
DLNA機能を内蔵しているに音楽が取り込めないのは残念。AX2000ぐらいにもなれば2TBも容量があるんだから音楽母艦としても十分使えるのではないかと思ったり。ウォークマンやAndroidスマートフォンのAV母艦としての機能向上に期待したいです。
Chan-Toruでは複数のHDDレコーダーの登録に複数のOpenIDが必要なのはちと面倒。できれば、切り替えて使えるようにして欲しい。V.2のリモート再生対応は素晴らしいけど、新機種でしか使えないのが歯がゆいっす。旧機種に対応するために本体のファームアップが必要ということなら有償でも良いので提供して欲しいところ。
リモコンはこれまでの物と比べて格段にコンパクトになりましたが、十字キーが固く、パキパキ音が鳴るのが耳障り…。個人的にはスゴ録時代のジョグレバーが一番使いやすいと思うんですが、復活は難しいのかなあ…。
■最後に
今回の新製品を使ってみてとにかく使いやすくなったなあと感じました。イベントレポートにも書きましたが、一皮むけてようやく実用の域に達したという印象を強く持ちました。
我が家のRX100は今月末で使い始めからようやく1年になりますが、たった一年でここまで進化するのかと。・・・・・悔しいです(ザブングル[c])。
これからBDレコーダーを買うという人に、自信を持ってお薦めできる製品になったと思います。個人的にも余裕があれば買い換えたいぐらいですが、案の定余裕は無いので我慢我慢。
今後については、HD関連でのクオリティ追及もさることながら、ネットワークとモバイルを核にタイムシフトとプレイスシフトの考え方をさらに推し進めた他製品との連携なども期待しております。
最後になりますが、このようなイベントにご招待頂きましたことをこの場を借りて、ソニーとソニーマーケティング、そしてWillViiの関係者の皆様に御礼申し上げます。また、レビューのアップが遅くなってすいませんでした!
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あとは、USB接続でHDD増設できるようになればいいのにな。
今期のBDレコーダーは気合い入ってますよねー!
ただ、PSPとWalkmanでお出かけ転送が共有出来ないのは勿体無いですよね。PSPはBaselineProfileにも対応してるんだから転送の判定だけ直してくれればいいだけなんですけどね。(^_^;)
最後に補足ですが、一世代前のWalkmanからVGAには対応しているようですよ。
http://www.faq.sonydrive.jp/faq/1040/app/servlet/qadoc?033578
判定の件、同感です。
メモステリーダーライター経由でメモステに転送する時は
設定がPSPでもウォークマンでもOKなのも不思議です。
最近のウォークマンのVGA対応は知りませんでした。
最近のウォークマンに魅力を感じないもんで、
スペック含め完全にスルーしてました…。
ということで、お知らせありがとうございました!