ソニーグループの機構改革および新経営体制について~デジタル・ネットワーク時代に向けた新たな製品・サービスの創出と競争力強化、収益力改善を目指して~(Sony Japan)
ソニーが機構改革実施と経営体制変更について発表。収益力改善と競争力強化を目的とし、4/1付でエレクトロニクス事業およびゲーム事業のオペレーションを抜本的に改革。エレクトロニクスとゲームの両事業を戦略的に統合することにより、ネットワークにつながる製品やサービスを創出するための体制強化を図るとか。
取締役会は、現会長兼CEOのハワード・ストリンガー氏が社長職を兼務する人事を含む今回の機構改革を支持。中核であるエレクトロニクス事業の経営をストリンガー氏が統括することにより、経営戦略のより迅速な実施を目指すとのこと。なお、現社長兼エレクトロニクスCEOの中鉢良治氏は、4/1付で取締役 代表執行役 副会長に就任予定。今後は、CEOをサポートするとともに、製品安全・品質および環境を担当。機構改革の中核として、発足される新事業グループは以下の二つ。
ネットワークプロダクツ&サービス・グループ
SCE、VAIO、ウォークマンを含むモバイル製品、ソニー製品の共通サービスプラットフォームを開発するソニーメディアソフトウェア&サービスで構成。ネットワーク対応の製品やサービスにおいて、イノベーションの可能性やスピードを最大化し、収益力を上げることがミッション。また同グループは、社内の先端技術を結集し、新たな製品を創出。「プレイステーション・ネットワーク(PSN)」のサービス・プラットフォームの活用および拡大が一つの要。
(新)コンスーマー・プロダクツ・グループ(New CPG)
テレビ、デジタルイメージング(DI)、ホームオーディオ、ビデオといったコンスーマー・エレクトロニクスの中核製品カテゴリーの事業を統括。商品力強化とともに、オペレーションのスピード向上および効率化を図り、収益力向上と継続的な成長を可能にする体制作りを徹底的に追求。また、新興市場の更なる開拓と成長のため、リソースを集中的に投入。また、これらのネットワーク対応の製品とサービスを、共通のユーザーインターフェースでシームレスに連携し、コスト効率良く迅速にコンスーマーに届けることを目的として、「コモン(共通)・ソフトウェア&テクノロジー・プラットフォーム」と「製造・ロジスティック・プロキュアメント」という二つの横断的な機能を設置。
新役員の顔ぶれなどはAV Watchなどの記者発表会レポートに詳しいので割愛。
ソニー社長交代。ネットワークを軸とした新経営体制に-会長社長兼務に。PSNを核にゲーム/VAIOなど集約
質疑応答からもストリンガー体制の一本化の強化が見て取れます。実は中鉢社長や井原副社長が日本国内のサイロの最後の砦(しゃれか)だったなんてことは無いですよね?いずれにしても、新役員の面々も日本に一番多く残っていると言われるサイロの破壊を求められることになるのでしょう。>崖っ縁のソニー 《現役社員&OB座談会》研究者が社内で営業活動、目利きが経営層にいない –
ちなみに、個人的には2つの新グループ体制の分け方が今ひとつ理解できません。ネットワーク対応のモバイル機器はPSNに一本化してコンテンツ供給するから他と明確に区別するって事なんですかね。まあ、ポータブル機器向けの技術や人的リソースが集約されるということで、ウォークマンやPSPの新製品を含む新たなモバイル機器製品の開発が期待できそうなのは良いのですが、ホームオーディオがもう一つのグループにいってしまったのがちょっと気になります。ま、AVアンプとかスピーカーとかそっちだけなのかもしれないけど…。
なにはともあれ、BRAVIAもVAIOもウォークマンもPSPも同じソニー(グループ)の製品。コンスーマーから見たら、組織改革や新役員の顔ぶれまで意識してモノを買うわけじゃなし。よりよい製品とサービスを安心のソニーブランドで届けてくれることを、1人のパンピーとして期待しております。
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