今回は< ブラビア>とセットで楽しむブラビアユニットシリーズのネットワークTVボックス「BRX-NT1(以下NT1)」を試してみることにします。NT1はブロードバンド回線接続が前提のビデオ・オン・デマンド(以下VOD)機器で、アクトビラやギャオなどのインターネット動画を< ブラビア>の大画面で楽しめるというのが売り。パッケージの中身は、本体とACアダプターの他、リモコンや専用スタンド、< ブラビア>用ブラケットのほか、1.5mのHDMIケーブルなども付属。
NT1は発売当初は実売が約3万円だったんですが、昨年どこかのタイミングで大幅値下げがあって、09年1月現在ソニースタイルでは9,800円で販売されています。同じソニースタイルで1.5mのHDMIケーブルが3,980円で販売されていることを考えれば、すでにこの次点でもお得なパッケージであるといえるではないでしょうか。
ブラビアユニットだけあって、< ブラビア>との組み合わせならセットアップや設置も簡単。専用ブラケットでテレビの背面(後面)に機器を取り付ければ見た目もすっきり。ブラケットは付属のブッシュナット2本で簡単に止まります。そこにNT1本体を差し込み、ACアダプターを接続。HDMIケーブルを使い、NT1と< ブラビア>X1と接続。LANケーブルをHUBに接続して準備完了。
NT1はブラビアリンク対応機器ということで、X1付属のマルチリモコン(お気楽リモコン)に登録するのがなんだかんだで便利。1)NX1の電源を入れ、2)マルチリモコン下部のパネルを明け、「ネットTV」ボタンを押しながら「戻る」を押し続け、3)数字ボタンの3を押し、4)決定を押せば登録完了。数字キーの左にある「ネットTV・VOD」ボタンを押せばお気楽リモコンで基本操作が可能になります。
基本GUIもXMBなのでX1同様の操作が可能。VODを楽しむ場合は「ビデオ」の項目から任意のサービスを選択します。対応しているサービスは、「アイビオ」、「アクトビラ」、「ギャオ」、「ギャオネクスト」、「クラビットアリーナ」の5つ。アクトビラとアイビオは HDクオリティのビデオ再生(前者は「アクトビラ ビデオ・フル」)にも対応していますが、当然の如く、ブロードバンド回線の実行スピードがそれぞれのサービスの推奨環境を満たしている必要があります。(やはりハイビジョンの場合は12Mbpsぐらいないと厳しいようです)
前回、< ブラビア>X1単体の「アクトビラ」サービスの利用は、我が家のブロードバンド回線事情(たったの3.14Mbps)により厳しいことがわかりました。これがNT1経由になったところで結果は変わらないと思ったんですが、一応試してみましたのでその結果をまとめてみます。括弧内は視聴した番組の解像度とその規格です。
・アイビオ(HD) × (1280×720 H.264/MPEG-4 AVC)
・アクトビラ × (1920×1088 H.264/MPEG-4 AVC)
・ギャオ ◎ (640×480 Windows Media Video 9)
・ギャオネクスト ○ (720×480 Windows Media Video 9 Advanced Profile)
・クラビットアリーナ ◎ (480×360 Windows Media Video 9)
ハイビジョンコンテンツがベースのアイビオとアクトビラ(ビデオ・フル)はほぼ全滅。見られなくはないけど、数秒ごとに映像が止まってしまい、鑑賞に堪えません。あきらかに回線スピードが遅すぎるのでしょう。
ギャオ系とクラビットアリーナは推奨環境がアクトビラやアイビオと比べて低いようで、我が家のような貧弱なADSL環境でもストレス無く視聴できました。ギャオネクストで一部の高画質コンテンツ(WMV9 Advanced Profile)で、まれに読み込みのために映像が止まってしまうことがありましたが、アクトビラほど頻繁ではないのでさほどストレス無く視聴可能でした。サービスのGUIもアクトビラほど煩雑でなく、少ないステップで目的の映像を再生できました。
結局、我が家の環境ではアクトビラのトビラは開きませんでしたが、ギャオがテレビで見られるだけでも十分新鮮でした。クラビットアリーナなどは聞いたこともないようなラテン系のドラマなどがラインナップされていてなかなか楽しそう。X1単体のアクトビラとは違い、NT1は低解像度の動画を機器側で拡大する機能もあります。X1のモーションフロー機能の効果も相まって、大画面でも見にくいとは感じませんでした。字幕もはっきりと読めます。ギャオは元々がパソコン向けのサービスですが、多少画像が荒くてもテレビの大画面で見る方が迫力があって良いです。
VODの良いところは、その名の通り、いつでも見たい時に見られること。ストーリーを追うだけ良いという我が家の同居人みたいな人にとっては、自分の興味のある海外ドラマがいつでも好きな時に見られるだけで満足らしく、低解像度のコンテンツでも全然問題ないらしいです。また、普通のテレビ番組に飽きたり、見るモノが無かった時にももってこいかもしれません。我が家ではできませんでしたが、環境さえ揃えばハイビジョンコンテンツの視聴も可能ということで、その時に初めてNT1とX1の潜在能力と相乗効果が最高に達するのでしょうね。
ちなみに、NT1にはWebブラウザ機能やRSSリーダー機能もついていて、ソニーのFelicaリーダーを接続すれば、Edyビューワーなどの機能も利用可能。これだけの機能があって9800円はやはり安いと思います。X1もNT1も間もなくソニーさんに返却しますが、返却後に新規で1台我が家に導入しようかなあと考えてます。余裕ができたらインターネット回線も光ベースにしたいなあと。そうすれば、アクトビラ ビデオ・フルやアイビオも思う存分に楽しめますからね…。
【参考リンク】
・年末年始は我が家で“VOD三昧”- ソニーのネットワークTVボックス「BRX-NT1」を使ってみた
・「テレビ+動画配信」の可能性を感じさせるソニーのネットワークTVボックス「BRX-NT1」
・テレビ向け映像配信 「アクトビラ」、気になる番組の充実度・使える度