どこまでやるのか? PS3のアップデート SCEに聞くBD-Live対応「2.20」と、今後のPS3
BD-Liveに対応したPS3ですが、それを実現したシステムソフト「2.20」がどのように開発されたのか、また、PS3のアップデート方針が今後どのようになっていくのかを西田宗千佳さんがSCE関係者に取材した内容が公開されました。ものすごいボリュームなので個人的に注目したい内容のみ箇条書きでピックアップ。
- (スタジオ側からのBD-Live機能の評価について)満足していただいている。「やりたいことができる」と言っていただいている。他の機器に比べスピードが格段に違う。パワーの差が歴然としてある。今後家電機器も性能が上がってくるとは思うが、グラフィックのレンダリング性能などはなかなか差が縮まらないと思う
- BDの規格の中でやるべき世界と、PS3のフォーマットの中でやるべき世界は違う。PS3の性能を出し切る独自のものについてはPS3フォーマットで展開するのが正しい方法
- (BDからPSPへの映像ファイル転送機能について)フォーマットとしては2種類。BDのフォーマットとして規定されているのは「マネージドコピー」で映像のコンバートを伴う。CESでデモした「ポータブルコピー」は、モバイル向けのファイルをコピー。ただ現時点ではあくまで「技術デモ」という位置づけ。2.20ではどちらもも実装していない
- 2.20アップデートは内部的には相当な変更が行なわれている。狙いは使用リソースの削減。システムのメモリ使用量をぎゅっと圧縮した
- (アップデートの一部有料化について)あり得ると思うし、ゲームのダウンロード購入と技術的には同じで問題ない。無料という考え方はプラットフォームとしてずっと使い続けていただきたいという部分からきている。まずはお客様に喜んでいただければというところ
- (モスキートノイズ・リダクションの実装について)元々の狙いは「地デジ」。特に生放送を録画したものはモスキートノイズが非常に多くて画質的に厳しい。地デジを録画したBDディスクをきれいにしようというつもりで作っていた。技術面で今回もソニーとの協力で実装。我々はソフトなので家電のハードウエア実装に比べもっと色々なことができる
- (各種機能でPS3をフルパワーで使うことは許されているのかという問いに)ゲームさえ動いていなければフルパワーで動作してもOK。PinPでAVCを2本再生し、さらにBD-Javaで相当高負荷なものをぶん回さない限りフルには到達しない。1.80の頃はDVDアップコンバートでフルパワーに近くなっていたが今は違う。最適化が進むとパワーが少なくなる
- (高画質化・高音質化という点で今後狙いたいところについて)継続性という点も含め色々と考えている。まだまだ満足していない。PS3の良いところは、ソフトウエアで実装するので、やっていることが横展開できる。ここで実現したものが、ソニーグループ全体に広がる
- (PSPの今後のアップデートについて)まだまだネタはある。熟成はされてきているが、まだやりたいことは残っている
なお、西田さんの取材の最後にSCEから「できるかぎりPS3のアップデートをお願いします」とのお願いがあったそうです。理由は、BDビデオタイトルで、新しい「暗号化鍵」を使ったタイトルの流通が始まるためとのこと。買ってから一度もアップデートしていない知人に連絡しなくては。つーか、絶対Blu-rayビデオなんて持ってねーよ、アイツは…。
モンハン人気も手伝って、今はPS3よりもPSPに注目が集まっていますが、2ヶ月後にはキラーソフト「メタルギア4」発売でPS3への注目度が高まりそうですね。同ソフトが持つ圧倒的なオーディオ・ビジュアルがそのままPS3の圧倒的なAV表現力の訴求に直結すれば、ビジネス的にも大きな後押しになりそうです。PSPもまだまだネタがあるとのことで、今後の展開が楽しみですー>世間では無名、ゲームファンは熱狂中~水面下で爆発した「モンハン」人気に注目!
【追記】久夛良木さんが米家電業界の「殿堂入り」とか。2004年には大賀典雄さんも殿堂入りしているそうです>久夛良木氏、米国家電協会の「殿堂入り」
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