「飛ばない」からできた高速無線通信 ソニーが提案する「Transfer Jet」
西田宗千佳さんのRandomTracking。ソニーが開発した「Transfer Jet」の超近接・超高速通信の秘密を開発陣から聞き出しています。無線LANやWireless USBの実効速度はせいぜい最大速度の半分以下ですが、Transfer JETの場合は最大通信速度に近い速度(現時点で375Mbps)が掛け値なしに出るとか。また、Transfer Jetの本質は通信の速さだけでなく、使いやすさに重きを置いているそうです。無線LANやBluetoothのような”飛ぶ”無線には設定や機器同士の認証が面倒だから反対に”飛ばない”ものを作ればどうか? と考えて作ったのが「Transfer Jet」とか。複雑な通信プロトコルがなく、他の無線通信との干渉もないため、データ転送がきわめて安定しているのも特徴。使いにくさを数cm以内でしか通信できなくすることで解決し、数cmしか飛ばないからこそできることを突き詰めているようです。
インタビューでは実際のデモの様子も紹介されており、今後のさらなる展開への期待がふくらみます。なお、無線部の開発はおおむね終了しており、現在はどのように通信を行なうか、といった、アプリケーション側の実装を検討している段階とか。ソニーとしては同技術をクローズドなものにするつもりはなく、広く普及させたいとのこと。既存の無線技術とも容易に共存が可能とのことで、Bluetoothがカバー仕切れなかった部分を同時牛津が埋めてくれると理想的と締めくくられています。
CDの数だけアンテナを並べ、携帯電話やミュージック・プレーヤーをCDに近づけると曲が転送されるといった形も実現できるなんて話もありますね。リアル店舗で気に入った音楽CDアルバムを見つけたらCDを買うかデータを買うか選択できる可能性もあるのか…。手数料収入が確立すれば、今までと違った形の音楽ショップが展開できますね。「Transfer Jet」がコンテンツ購入の新しいスタイルを生み出してくれると面白そうです。